現 代 フラ ンスの冴 え わ た る ・J ・S バッハ の 不 朽 の 名 作 に 聴 く 、 感 性 、そして 知 性。 2015/16 SEASON Alexandre Tharaud plays“Goldberg Variationen” アレクサンドル・タロー[ピアノ] J.S. バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 J.S.Bach: Goldberg Variationen Aria mit verschiedenen Veränderungen BWV988 2016 年 3 月 2 日 水 19 : 00 開演 トッパンホール Wednesday 2 March 2016, 19:00 TOPPAN HALL チケット料金|5,500円/学生2,500円 全席指定 (土) チケット発売|2015年11月26日 (木) [会員:11月21日 ] ※本公演は休憩がございません。あらかじめご了承ください。 現 代 フラ ンスの冴 え わ た る ほどなく50歳になろうかというのに、いまだ少年のようにほっそりとしたそのたたずまいから、美しいけれど線の細い、 ・J ・S バッハ の 不 朽 の 名 作 に 聴 く 、 感 性 、そして 知 性。 繊細な指づかいで濃やかに彫琢された、粒立ちのよい美しい音色が印象的なピアニスト、アレクサンドル・タロー。 儚げな演奏をイメージされがちだ。しかし、明晰な知性と音楽への熱い愛情で彩られた彼の音楽は、粋で洒脱な おとなのエスプリを感じさせるとともに、どこか素朴で力強い、コクのある豊かさにも満ちている。 一見、冷たく妖しい輝きを放つクリスタルを、そっと手にとってみると、思いがけず心地よい肌触りとおだやかな ぬくもりを持っていた――。大胆さと繊細さ、怜悧さと温かさ、洒脱と素朴、相反するさまざまな要素が鮮やかに、 かつ自然に並存するユニークな音楽性。それが、フランスを拠点に世界を飄々と駆け抜ける異才、アレクサンドル・ タローの最大の魅力だ。 録音においても、実演においても、広範なレパートリーに好奇心旺盛に取り組むタローだが、とりわけ近代以降の フランス作品と、J.S.バッハやスカルラッティ、ラモーといったバロック音楽にその冴えを聴かせる。 トッパンホール には、2011年のジャン=ギアン・ケラス(チェロ)との共演以来5年ぶり、ソロとしては初登場となるリサイタルに 用意したのも、得意のバロックから、不朽の名作《ゴルト ベルク変奏曲》だ。知らぬ者はいないバロック音楽の金 字塔的作品だが、そこは、やはり、バロック。弾き手の感性 次第で、面白くもなれば退屈にもなり、華麗にも素朴にも 変貌する。否応なく演奏家の音楽性が白日のもとにさらさ れる恐ろしい作品だが、一方で音楽家にとっては、自身の 思いを存分に託すことのできる、柔軟性を備えた作品で もある。みずからが内包する多彩な音楽性を表現するこ とに無上の喜びを見出すアレクサンドル・タローの魅力を 知るうえで、これほどふさわしいプログラムはないだろう。 Alexandre Tharaud plays“Goldberg Variationen” アレクサンドル・タロー[ピアノ] 写真©Marco Borggreve 2015.10
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