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横須賀芸術劇場リサイタル・シリーズ44
テレマン室内オーケストラ~オール・バッハ~
「関西風の細やかさが紡ぎだす「21世紀型バロック」
■テレマン室内オーケストラとは・・・
テレマン室内オーケストラは大阪生まれ。今年52歳の団体
です。「テレマン」とはバッハ、ヘンデルと同時代にヨー
ロッパ中でもっとも愛された作曲家の名前。その自叙伝のな
かにあった「人に喜んでもらうために音楽を続ける」という
精神がこの団体の基本姿勢です。創設者の延原武春は「作曲
家の意図」と大事にしつつ、それを現代の聴衆に「感動」と
いう形で伝えることにこだわり続けた指揮者。例えば1982年
に「第九」を世界で初めてベートーヴェンの指示したテンポ
通りに演奏し、ホグウッドやガ―ディナーに影響を与えまし
た。そういった活動が1986年のサントリー音楽賞受賞につな
がるのですが、その時期から「古楽器」による演奏を手掛
け、チェンバロの中野振一郎などとともに多くの日本初の試
みを展開していきました。現在はそこから得た「当時はこう
だった!」という美意識をもとに、現代のお客様にそれをど
う伝えるか…という視点から、もう一度モダン楽器の可能性
を再検討。独創的なトランスレートを重ねています。今回の
公演でモダン楽器を使用しているのも、そのためです。
室内楽団の魅力は何と言っても個々の演奏者の創造性。そ
こがシンフォニーオーケストラとの最大の違いだといっても
過言ではないでしょう。メンバー一人一人が個性的な音づく
りを目指します。そんなメンバーの中でも今もっとも光って
いるのは、チェンバロ奏者の高田泰治。2007年にC.ショルン
スハイムに出会い、その指導のもとフォルテピアノとチェン
バロ双方の世界において突出した才能を開花。その後A.シュ
タアーやO.ボーモンとも出会い、皆異口同音にその才能に対
して賛辞を惜しんでいません。
現在はドイツのヴァイオリン奏者U.ブンディースと
デュオを結成し、日本とドイツをまたにかけた演奏活動
を展開。最近の活動としては、東京文化会館にてJ.S.
バッハの世界を年一度のペースで表現。その演奏が高く
評価されライプツィヒのバッハ・アルヒーフによる定期
演奏会に招聘を受けています。またフォルテピアノの世
界では、モーツァルト、ベートーヴェンのピアノ協奏曲
を全曲演奏するなど「世界屈指のフォルテピアノ奏者」
として、その地位を固めつつあります。
■今回の公演について
< 公演概要>
2015年11月23日(月・祝)15:00開演
ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
出演 延原武春(指揮)
高田泰治(チェンバロ)
森本英希・出口かよ子(フルート・リコーダー)
テレマン室内オーケストラ
曲目 J.S.バッハ/管弦楽組曲 第2番
ブランデンブルク協奏曲 第5番
イタリア協奏曲
ブランデンブルク協奏曲 第4番
(チェンバロコンチェルト版)
チケット料金
チケット発売日
S席:3,600円 A席:2,600円
8/2(日)
今回の公演は延原のバロックアプローチと、高田の
チェンバロによる創造を組み合わせた内容。「テレマ
ン」によるバッハの世界――そのもっとも高度な内容で
構成しております。
「世界初のチェンバロ協奏曲」と言われるブランデン
ブルク協奏曲第5番。チェンバロ一台で奏でる協奏曲
「イタリア協奏曲」をはじめ、チェンバロ協奏曲版のブ
ランデンブルク協奏曲第4番など、J.S.バッハのアイ
ディアマン的な一面を、高田のチェンバロを軸に延原の
率いる弦楽合奏が音楽的対話を重ねていきます。また、
当日は関西のフルートの名手・森本英希が参戦。管弦楽
組曲第二番での妙技にはじまり、ブランデンブルク協奏
曲の二曲で「異彩」を放っていく…どの曲も目を離せな
い感動の瞬間の連続となることでしょう。「18世紀の音
楽を21世紀人はこうやって楽しむ」――細やかな文化を
愛する大阪人のこだわりが、東京発信では決して聞けな
い喜びの「ひとつの在り方」をお見せする休日のひと
時。是非感動の1ページにあなたも名を連ねてくださ
い。会場でお会いできることを心より楽しみにしており
ます。
<日本テレマン協会 代表
中野順哉>