機能和声の基礎16-ソプラノとバスの組み合わせ

和声の基礎 16 - ソプラノとバスの組み合わせ
四声部の和声充填に於いて、両外声(ソプラノとバス)の関連は非常に大事である。両声部の
進行には次のような基本的な性格がある。
①
②
③
④
並行は両声部の独立性を弱める。
反行は両声部の独立性を強める。
両声部の離反はエネルギーの増大を感じさせる。
両声部の接近はエネルギーの減少を感じさせる。
並行と反行の適度な配分は、音楽を心地よくする。ただし、並行は並行五度や並達五度を犯し
やすいので、即興で通奏低音を付ける場合等にはとりあえず反行にしておけば禁則を回避しやす
い。
バッハ BWV1015 より。バイオリンとハープシコードの右手は
並行だが、左手は完全に反行の動きをしている。
バス課題は与えられた材料から、他声部の旋律をいかに作り出すかという創造力を問われる課
題であり、他方、ソプラノ課題は与えられた旋律から和声を推理するという想像力を問われる課
題であると言える。