白庭病院 2015 年 11 月 11月に入り、朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたが、皆さん体調を崩されたりしていないで しょうか?今年もインフルエンザの季節がやってきました。インフルエンザは、インフルエンザウイ ルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症で、日本では11月~3月頃までの初冬から早春に かけて流行します。 インフルエンザにかからないための最大の予防法は、流行前にインフルエンザのワクチンを接種 することです。インフルエンザワクチンの接種には、発症予防や、万が一発症しても重症化を防ぐ 効果があります。特に高齢者や子供、持病のある方、及びその御家族は、できるだけ受けていた だくことをお勧めします。 ~10 月より、インフルエンザワクチンの予防接種が始まっております~ 2015-16 年シーズン(平成 27 年秋冬)から、インフルエンザワクチンが 4 価に変更となりました。こ れまで 3 価(A型 2 株 + B型 1 株)であったワクチンに、今年度からB型インフルエンザのワクチン が 1 種類追加され、4 価(A型 2 株 + B型 2 株)となりました。 主に流行する B 型インフルエンザは、「山形系統」か「ビクトリア系統」と呼ばれる 2 つのタイプで、 これまでは両方が同時に流行することが少なかったため、シーズン前にどちらが流行するかを予 測し、一方だけをワクチンに入れていました。しかし、最近は B 型である「山形系統」と「ビクトリア 系統」の混合流行が続いており、4 価のインフルエンザワクチンの導入が求められていました。 そして、今シーズンからは、B 型の両方の系統が入っているワクチンとなり、どちらの B 型インフ ルエンザが流行しても、両方が流行したとしても、十分に予防効果を発揮することができるように なりました。 この 4 価ワクチンへの変更に伴い、インフルエンザワクチンの接種料金が変更となっております。 (ワクチンに含まれるウイルス株が増えたことで、ワクチンの価格も値上がりしています。) では、ここからはインフルエンザワクチンについてよくある質問を Q&A 方式で 紹介していきます。 Q1、昨年インフルエンザワクチンの接種を受けましたが、今年も受けた方が良いでしょうか? A、インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行しますので、ワクチンは毎年そのシ ーズンの流行にあわせたものが生産されます。また、インフルエンザワクチンの感染予防効果は 5か月程度までと考えられています。従って、前年に接種していても次年のワクチン接種は必要 ないということにはなりません。インフルエンザの予防に充分な免疫を保つためには毎年インフ ルエンザワクチンの接種を受けた方がよい、と考えられます。 Q2、インフルエンザワクチンは、いつ頃接種したらよいでしょうか? A、インフルエンザワクチンは、接種してから効果が現れるまで、通常 2 週間ほどかかります。 日本では、毎年 11 月下旬から 12 月上旬にインフルエンザのシーズンが始まり、1~3 月にピーク を迎えますので、予防接種は一般的に 11月中に受けたほうがよいでしょう。 Q3、今年から、インフルエンザワクチンの接種量や接種回数は変わりますか? A、今シーズンから 4 価ワクチンに変更となりましたが、接種量・接種回数は変わりません。 (1) 6 カ月以上 3 歳未満の方 1 回 0.25mL 2 回接種 (2) 3 歳以上 13 歳未満の方 1 回 0.5mL 2 回接種 (3) 13 歳以上の方 1 回 0.5mL 1 回接種 接種間隔はおよそ 2~4 週間とされていますが、できるだけ 4 週間程度の間隔をあけて接種した方が免疫 の獲得は良いと言われています。 Q4、インフルエンザワクチンを接種した後で、腫れたり、熱が出ることはありますか? A、注射した部分が腫れる、赤くなる、痛む、全身がだるくなる、熱が出る、悪寒や頭痛がするな どの副反応が現れることがあります。接種を受けられた方の 10~20%に起こりますが、通常 2~3 日でなくなります。また、まれではありますが、ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、じんましん、 赤み、掻痒感(かゆみ)、呼吸困難等)が見られることもあります。ショック、アナフィラキシー様症状 は、ワクチンに対するアレルギー反応で、接種後比較的すぐに起こることが多いことから、接種後 30 分間はできるだけ接種した医療機関内で安静にしてください。帰宅後に何か異常が認められ た場合は、速やかに医師に連絡してください。 ~~最後に、日常でできるインフルエンザ予防法をご紹介いたします~~ ①外出時にはマスクをしましょう。 ②うがい、手洗いをこまめに行いましょう。 ③部屋を暖かくして、加湿器などで適度な湿度を保ちましょう。 ④十分な栄養と、バランスのとれた栄養摂取を心がけましょう。 ⑤人ごみや、繁華街への外出を控えましょう。 自分自身が感染することを防ぐため、そして周囲の人へ感染させることを防ぐためにも、 ぜひ流行前にインフルエンザワクチンの接種を受けましょう。
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