全 周 観 察 可 能 な空 中像 を形 成 す る 3 次 元 デ ィス プ レイ 宮崎 大介 大 阪市 立大 学 大学 院 工 学研 究科 電子 情 報 系専攻 〒5 5 8 - 8 5 8 5 大阪市 住 吉 区杉 本 3 - 3 - 1 3 8 Three― dilllensional display that fbrms noating image visible froIIn surrounding view points. Daisuke ttTiyazaki Departlllcllt Of Elcctttc&Information Ellginccring,Gradutte School of Enginccring,Os ku,Osaka,558-8585 Japan 3-3-138 Suglllloto,Sullliyoshi― maili miyazaki@CICC・ cng.osaka― cu.acjp E― 概要 眼鏡等 の装着物 を必要 とせず , ス ク リー ンや表示 パ ネ ルが存在 しな い空中に二次元像 を形成 し, 全 周囲 か ら多人数で観 祭可能 な フル パ ララ ックス立体表示装置 の 開発 を 目的 として , イ ンテ グラル イ メー ジング と回転 ミラー による 3 6 0 度走査 , さ らに凹面鏡 による空 中結像 を組み合わせ たシ ステ ム が提 案 され て い る。デ ジタル マ イ ク ロ ミラー デバ イ ス を用 い た表示 システ ムの試作 に よ り, 提 案手 法 の有効性 を確認 して い る. 1 . は じめ に 実 際 に 物 を 見 る の と同 様 の 臨 場 感 の 実 現 を 目指 した 画 像 表 示 技 術 へ の 探 求 が 続 け られ て い る. 直 感 的 な 3 次 元 情 報 の把 握 が 可 能 な画 像 表 示 技 術 を して 立 体 表 示 は 重 要 で あ り , 近 年 非 常 に 関 心 が 高 ま つ て い る. 立 体 表 示 技 術 の 形 態 の 一 つ と して , 全 周 か ら の 観 察 が 可 能 な 立 体 表 示 装 置 の 研 究 が い くつ か 行 わ れ て い る . 表 示 物 を 全 周 か ら観 察 で き る こ と に よ る 臨 場 感 の 向 上 や , 複 数 の 人 数 で 表 示 像 を取 り 囲 ん で 同 時 に 観 察 で き る な ど これ ま で に な い 映像 表 現 が 可 能 に な る。 従 来 の 研 究 ・開 発 に お い て 提 案 され て き た 実 現 法 と して , 投 影 ス ク リ ー ン を 高 速 に 回 転 円 筒 形 の パ ラ ラ ク ス バ リア させ る 方 式 [ 1 , 2 ] や を 回 転 させ る 方 式 [ 3 ] , な どが あ る 。 ま た , 立 体 デ ィ ス プ レ イ の 表 示 面 を 水 平 に 設 置 し, そ の 周 囲 か ら観 察 す る テ ー ブ ル トップ 型 の 立 体 表 示 装 置 の 研 究 が 近 年 報 告 され て い る [ 4 ] . こ の 形 態 で は , 会 議 ・打 ち 合 わ せ して い る複 数 人数 へ の情 報 提 示 や , 協 調 作 業 や イ ン タ ラ ク シ ョン の 容 易 さな どに お い て 利 点 を有 す る . 我 々 は , 使 い 勝 手 が よ く, 自 然 な 立 体 感 と ア クセ ス性 , イ ン タ ラ クテ ィブ性 を備 え た 三 次 元 映 像 の 表 示 技 術 と して , 次 に 示 す 条 件 を 満 た す よ うな 全 周 観 祭 可 能 な フ ル パ ラ ラ ッ ク ス 空 中 立 体 デ ィ ス プ レ イ の 実 現 を 目指 して 研 究 を行 っ て き た . ・眼 鏡 等 の 装 着 物 を 必 要 と し な い 裸 眼 立 体 視 が 可 能 で あ る こ と. ・ 水 平 ・垂 直 方 向 と も に 視 差 を 持 つ フ ル パ ラ ラ ッ ク ス 立 体 像 で あ る こ と. ・ 滑 らか な 運 動 視 差 を 持 つ こ と ・表 示 像 を 周 囲 3 6 0 度 か ら多 人 数 で 観 察 可 能 で あ る こ と. ・像 の 形 成 場 所 に ス ク リ ー ン や 表 示 パ ネ ル が 存 在 しな い 空 中 像 が 形 成 され る こ と. ・動 画 や イ ン タ ラ ク テ ィ ブ に 変 化 す る 表 示 が 可 能 で あ る こ と. 各 条件 をそ れ ぞ れ 満 た す 個 別 の 立 体 表 示 技 術 と して 様 々 な 手 法 が す で に 開 発 され て い る が , これ ら の 条 件 を 全 て 一 度 に 満 た す こ との で き る デ ィ ス プ レ イ 技 術 は ま だ 開 発 され て い な い . 本 研 究 で は , 以 上 の 条 件 を満 た す 立 体 表 示 シ ス テ ム と して , イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ ー [ 5 ] と回 転 ミ ラ に よ る 3 6 0 度 走 査 [ 2 ] , さら に 凹 面 鏡 に よ る 空 中 結 像 [ 6 ] を組 み 合 わ せ た シ ス テ ム を 提 案 した 。 提 案 手 法 の 有 効 性 の 実 証 た め に , 3 次 元 デ ィ ス プ イ レイ シ ス テ ム を 試 作 し表 示 を 行 つ た 結 果 に つ い て 報 告 す る 。 2全 周 囲観 察可 能 な 3次 元空 中映像 形成 の 原理 せ な が ら , 全 周 か ら の 様 々 な 方 向 か ら見 え る 立 体 画 像 を 角 度 に 同 期 させ て 高 速 に 切 り替 え て 表 示 す る と, そ れ ら の 画 像 を 全 周 囲 の 各 角 度 か ら観 祭 す る こ と が 可 能 とな る . 従 来 の 全 周 囲 立 体 映 像 の 多 くは 水 平 方 向 の 視 差 の 変 化 の み を 実 現 して い た が , 本 手 法 で は , レン ズ ア レイ を 用 い た イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ を全 周 囲 立 体 映 像 に適 用 す る こ とで , 垂 直 方 向 の 視 差 も 同 時 に 実 現 す る こ とが で き る。 また , 通 常 の イ ンテ グ ラル イ メー ジ ン グ に 基 づ く 立 体 デ ィ ス プ レイ で は , 表 現 で き る 光 線 角 度 数 と表 示 立 体 像 の 画 素 数 の 積 が , 二 次 元 デ ィ ス プ レ イ の 画 素 数 と等 し く な り , 十 分 な 表 示 立 体 像 の 解 像 度 を 高 め る こ とが 困 難 で あ っ た 。 本 手 法 で は , イ ンテ グ ラル イ メー ジ ン グ に加 え て さ らに 空 間 的 な 走 査 を 導 入 し て い る の で , 時 間 多 重 化 に よ り画 素 数 や 視 差 方 向 の 分 解 能 を従 来 の 手 法 よ りも向 上 で き る 可 能 性 が あ る。 本 研 究 の 提 案 手 法 で は , イ ンテ グ ラル イ メ ー ジ ン グ に 基 づ く 立 体 表 示 技 術 に 対 して , 凹 面 鏡 と回 転 ミ ラ ー に よ る 走 査 光 学 系 を 導 入 し て , 全 周 囲 か ら観 察 可 能 な 二 次 元 デ ィ ス プ レ イ を実 現 す る 。 図 1 に 提 案 す る立 体 デ ィス プ レイ シ ス テ ム の 光 学 系 の 概 略 図 を 示 す 。 光 学 系 は イ ン テ グ ラル イ メ ー ジ ン グ光 学 系 , リ レ ー光学 系 ,全 周 囲走査 光学 系 の各部分 に よ り 構 成 され る . イ ンテ グ ラル イ メー ジ ン グ光 学 系 の 典 型 的 な構 成 は , 空 間 光 変調 素 子 ( あるい は 二 次 元 デ ィ ス プ レ イ ) の 後 に レ ン ズ ア レイ を 配 置 し 3 実 験 方 法 と結 果 た も の で あ る 。 レ ン ズ ア レイ 中 の 各 レ ン ズ に 対 応 す る 要 素 画 像 に お い て , 光 を 発 す る位 置 提 案手法 の有効性 の検 証 のた めに, 二 種類 に 従 い レ ン ズ か らの 光 線 角 度 が 変 化 す る 。 こ の 検 証 用 立 体 表 示 シ ス テ ム を試 作 した 。ま ず , の こ と を 利 用 す る と, 観 察 方 向 に 従 つ て 見 え イ ン テ グ ラル イ メ ー ジ ン グ光 学 系 は 導 入 せ ず る 画 像 を 変 化 させ る こ とが 可 能 に な る 。 こ れ に 二 次 元 画 像 を 全 周 囲 走 査 光 学 系 に 入 力 し, に よ り , 上 下 左 右 方 向 に 関 す る視 差 情 報 を 持 っ た 立 体 映 像 の 表 示 を 提 供 す る こ とが で き る 。 リ レー 光 学 系 は , イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ光 学 系 か らの 光 を 全 周 囲 走 査 光 学 系 に 導 く 働 き が あ り, レ ン ズ を 用 い た 結 像 光 学 系 で 構 凹 面鏡 成 され る 。 ま た , リ レ ー 光 学 系 の レ ン ズ 配 置 を 変 化 させ る こ と で , 最 終 的 に 得 られ る 像 か ら の 光 線 方 向 を 調 節 す る機 能 ( ) 持つ . 全 周 囲 走 査 光 学 系 は 凹 面 鏡 と回 転 ミ ラ ー に ヤ よ り構 成 され て お り , ス ク リー ン 等 の 存 在 し 全周囲走査光学系 な い 空 中 に , 周 囲 3 6 0 度 か らの 観 祭 が 可 能 な 回転 ミ ラ ー ー ス キャナ 実 像 を形 成 す る こ とが で き る . 回 転 ミ ラ は い の 。 て 心 に され る ジ 出 近 配 率 付 凹面鏡 中 置 レ ー 光 学 系 を 通 して 画 像 を ミ ラ ー 付 近 に 結 像 す る と , 図 1 に 示 す よ うに , ミ ラ ー で 反 射 さ れ た 光 は さ ら に 凹 面 鏡 で 反 射 され , 中 心 付 近 に 結 像 す る 。 この 画 像 は イ ンテ グ ラル イ メー インテ グラ ル レンズア レイ ジ ン グ に 基 づ く立 体 視 が 可 能 で あ る . ミ ラ ー イメ ー ジング光学 系 を 回 転 させ て 凹 面 鏡 上 の 光 の 反 射 位 置 を 変 化 空間光 変調素子 させ る と , 実 像 の 形 成 位 置 は 凹 面 鏡 の 中 心 付 近 の ま ま で あ る が , 画 像 と光 線 の 向 き を 変 化 図 1 半 球 凹 面 鏡 と ミラ ー ス キ ャ ナ を用 い た させ る こ と が で き る . ミ ラ ー を 高 速 に 回 転 さ 全 周 囲観 察 可 能 な 浮 遊 二 次 元 デ ィ ス プ レイ . 全 周 囲 か ら観 祭 可 能 な 空 中 映 像 の 形 成 を 確 認 した . 次 に , レ ン ズ ア レ イ を 適 用 して イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ 光 学 系 を 構 成 し, 全 周 囲 か ら観 察 可 能 な フ ル パ ラ ラ ク ス 立 体 画 像 表 示 を行 つ た 。 3.1 全周 囲観 察可能 な空 中浮遊立体 画像 全 周 か ら観 察 可 能 な 空 中 浮 遊 像 を 形 成 す る た め に 構 成 した 光 学 系 の 構 成 を 図 2 に 示 す 。 ス キ ャナ の 角 度 に 合 わ せ て 投 影 す る画 像 を 切 り替 え る 老、 要 が あ るの で , デ ジ タル マ イ ク ー ロ ミ ラ デ バ イ ス ( D M D ) に よ り構 成 され る 高 フ レ ー ム レ ー トプ ロ ジ ェ ク タ ( テ キ サ ス イ ン ス ツ ル メ ン ツ 製 D i s c o v e r y l 1 0用 0 )い をた . プ ロ ジ ェ ク タ の 画 像 は 拡 散 板 に 投 影 され , さ ら に ジ レ ー 光 学 系 に よ り全 周 囲 走 査 光 学 系 に 伝 送 され る 。リ レ ー 光 学 系 は 4 枚 の 凸 レ ン ズ ( 直 径 :152 mm,焦 点距離 :248.5mm)で 構成 さ れ る. 全周 囲走査光学 系 は,穴 の空 いた半球 凹面 鏡 ( 焦点 距 離 は 1 7 5 m m , 直径 は 3 5 0 m m ) と . パ ル ス モ ー タ ー に よ リ ミラ ー を 回 転 させ る ス キ ャ ナ に よ り構 成 され る . ミ ラ ー の 回 転 は コ 図 2 全 周 囲観 祭 可 能 立体 像 形 成 シ ステ ム ン ピ ュ ー タ に よ り制 御 され る . 投 影 画 像 は ミ ラ ー と 凹 面 鏡 で 反 射 した 後 , 凹 面 鏡 の 中 心 付 近 に 実 像 と して 結 像 され る 。 ミ ラ ー の 回 転 周 波 数 を 2 0 H z と し, 1 回 転 の 間 に 映 像 を 4 0 0 枚 の 画 像 を 切 り替 え て 表 示 す る よ うに D M D プ ロ ジ ェ ク タ を 制 御 した 。 そ の 他 の シ ス テ ム の 仕様 を 1 に 示す 。光学 系 に よって凹面鏡 の 中 心 付 近 に 実 像 を 形 成 し, 走 査 光 学 系 を 駆 動 し な が ら D M D の 表 示 を 同 期 させ 順 次 切 り替 え る と , 全 周 囲 の 0 . 9 度方 向 ご と に 異 な る 画 像 を観 祭 す る こ とが で き る 。 図 3 に , コ ン ピ ュ ー タ ー シ ミ ュ レー シ ョ ン に よ り実 験 光 学 系 の 光 線 追 跡 を 行 っ た 結 果 を 示 す 。 図 中の最 下 部 の破 線 は , プ ロ ジ ェ ク タ か ら の 映 像 が 投 影 され る 拡 散 板 を 表 して い る 。 拡 散 板 中 の 3 点 か ら拡 散 す る 多 く の 光 線 が 凹 表 2 全 周 囲 観 察 可 能 デ ィ ス プ レイ の 仕 様 画 像 解 像 度 [ 画素 ] 表 示 枚 数 [ 枚] 水 平 方 向 の 視 差 ピ ッ チ [ 度] 水 平 方 向 視 野 角 [ 度] 垂 直 方 向 視 野 角 [ 度] モ ー タの 回転 速 度 「 rpml 1024×768 400 0 . 9 360 17 1200 図 3 イ ンテ グ ラル イ メー ジ ン グ に 基 づ く 浮遊 立体像形成 実験 光学 系 の光線 追跡 結果 図 4 実 験 系 に よ り形 成 され た 二 次 元 像 を 異 な る 方 向 か ら観 察 した 結 果 . 視 差 の あ る 画 像 が 得 られ て い る 。 面 鏡 の 上 に 集 光 して 像 を 形 成 す る こ とが シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り確 か め られ た . 三 次 元 物 体 を 全 周 囲 の 様 々 な 角 度 か ら観 祭 した 画 像 を 三 次 元 コ ン ピ ュ ー タ ー グ ラ フ ィ ク ス 技 術 に よ り合 成 し , そ れ を D M D プ ロ ジ ェ ク タ か ら ス キ ャ ナ ミ ラ ー の 角 度 に 対 応 させ て 順 次 そ れ ら の 画 像 を 投 影 した 。 ミ ラ ー ス キ ャ ナ を 高 速 に 回 転 させ て , 空 中 像 を 凹 面 鏡 の 上 に 形 成 した 。図 5 に 観 察 角 度 を 約 9 0 度 変 え て 表 示 され た 三 次 元 像 を 撮 影 した も の を 示 す 。 こ の 結 果 か ら , 提 案 手 法 に よ り , 全 周 か ら観 察 可 能 な 空 中 浮 遊 画 像 を 形 成 で き る こ とが 確 認 で きた 。 こ の 実 験 で は レ ン ズ ア レイ を 用 い た イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ を 構 成 して お らず , 視 差 は 全 周 囲 走 査 と画 像 の 切 り替 え に よ り得 られ て い る。 そ の た め , 水 平 方 向 の観 察 角 度 の違 い に 対 して は 視 差 に よ る 画 像 の 変 化 が 観 察 で きた が , 上 下 方 向 の視 差 は実 現 で き な か った 。 ま た , 観 察 画 像 は 光 学 系 の 収 差 に よ り大 き く 歪 ん で い る こ とが 分 か る 。 に対 応 す る要 素 画 像 を求 め た . プ ロ ジ ェ ク タ に よ り表 示 され る 画 像 の 一 例 を 図 5 に 示 す . 前 節 の シ ス テ ム と同 様 に , 全 周 囲 光 学 系 を 構 成 し , リ レー 光 学 系 に よ り画 像 を 伝 送 した 。 ミ ラ ー ス キ ャ ナ を 駆 動 させ , そ れ に 同 期 して プ ロ ジ ェ ク タ の 表 示 を 切 り替 え_ るこ とで 全 周 囲観 察 可 能 な フル パ ラ ラ クス 3 次 元 像 形 成 を 行 った. 形 成 され た 立 体 像 を カ メ ラ に よ り異 な る 角 度 で 撮 影 した 結 果 を 図 6 に 示 す . 水 平 方 向 に 表 2 イ ンテ グ ラル イ メー ジ ン グ に 基 づ く 浮遊 立体像形成 システ ムの仕様 プ ロジェクタ角年像 度 1024× レンズ 教 60× ∼ 回 転 の画 像 教 250 レンズ 当 たりの 画 素 教 ( 光線 数 ) 52 光 線 角 度 ピッチ [ 度] 5 水 平 方 向 祝 野 角 [ 度] 垂 直 方 向 視 野 角 i 度1 768 60 360 16.8 3 . 2 . イ ン テ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ に 基 づ く全 周 囲観 察 可能 な浮遊立体像 形成 前 節 の シ ス テ ム に お い て , 拡 散 ス ク リー ン の 代 わ りに 2 次 元 レ ン ズ ア レ イ ( 各要 素 レ ン ズ の 直 径 : 2 . 2 m m , 焦点 距 離 : 3 . O m m ) を 配 ー 置 す る こ とで イ ンテ グ ラル イ メ ジ ン グ に よ る 3 次 元 画 像 形 成 を 実 現 した 。 シ ス テ ム の 仕 様 を表 2 に 示 す 。 プ ロ ジ ェ ク タ に よ り表 示 す る 画 像 を 得 る た め に , 通 常 の イ ンテ グ ラル イ メ ー ジ ン グ の 原 理 に 基 づ い て , コ ン ピ ュ ー タ 内 で 構 成 した 三 次 元 物 体 を 様 々 な 角 度 か ら観 祭 した 画 像 を 計 算 し , そ れ を 元 に レ ン ズ ア レイ 中 の 各 レ ン ズ 図 5 プ ロ ジ ェ ク タ に表 示 す る画 像 の 一 例 関 して は 全 周 囲 か ら の 観 察 が 可 能 で あ つ た 。 前 節 の イ ンテ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ を行 わ な い シ ス テ ム と の 違 い と して , フ ル パ ラ ラ ク ス 特 性 を持 つ こ とか ら , 観 察 角 度 を上 下 方 向 に 観 察 位 置 を移 動 して も視 差 に基 づ く画 像 の 変 化 が 得 られ た 。 た だ し, 画 素 数 は レン ズ ア レイ の 要 素 数 とな る の で , 低 下 して い る。 これ ら の 結 果 よ り, 提 案 手 法 で 空 中 に浮 遊 す る立 体 映 像 を形 成 で き る こ とが 確 認 で き た , 光 学 系 の 収 差 や 凹 面 鏡 の 形 状 の 歪 み な どの 影 響 に よ り, 表 示 像 が 歪 ん で い る こ とが 分 か る。 ま た , 観 察 画 像 に お い て , 像 が 多 重 に 見 え て い る箇 所 も あ る。 これ は , 光 学 系 の 配 置 誤 差 や 凹 面 鏡 の形 状 誤 差 , 各 光 学 素 子 の収 差 に よ り, 表 示 画 像 か ら射 出 され る光 線 の 方 向 が 設 計 時 と実 際 の 光 学 系 で 異 な る こ とか ら生 じて い る 。 像 の 歪 み や 多 重 像 の 問題 を 解 決 す る方 法 と して , 実 際 の 光 学 系 に お け る画 像 の 形 成 の 特 性 や 光 線 方 向 を計 測 して , そ の 結 果 を イ ン テ グ ラル イ メ ー ジ ン グ の 画 像 生 成 に 反 映 させ こ とが 考 え られ る。 4ま とめ 我 々 は , 眼 鏡 等 の 装 着 物 を 必 要 とせ ず , ス ク リー ンや 表 示 パ ネ ル が 存 在 しな い 空 中 に 三 次 元 像 を形 成 し, 全 周 囲 か ら多 人 数 で観 察 可 能 な フル パ ラ ラ ック ス 立 体 表 示 装 置 の 開 発 を 目的 と して , イ ンテ グ ラ ル イ メ ー ジ ン グ と回 転 ミラ ー に よ る 3 6 0 度 走 査 , さらに 凹 面 鏡 に よ る 空 中結 像 を組 み 合 わせ た 手 法 を提 案 した 。 デ ジ タ ル マ イ ク ロ ミラ ー デ バ イ ス を用 い た 高 フ レー ム レー ト画 像 変 調 を利 用 して , 提 案 原 理 を確 認 す る こ とが で き た 。 しか し, リレー 光 学 系 や 凹 面 鏡 に お け る収 差 に基 づ い た 像 の 歪 み が 残 つ て い た た め , そ れ らの 補 正 手 法 の 開 発 が今 後 の課 題 で あ る。 文 献 Chun: “ [1]8温 1品益! ala精 中番'る iさ 認さ :鷲と を陥.町 and W, S, 100 M l l l i o n ―v o x c l □ 鮮鞘 せ 磁 替 伊 1静 pユ 醐 C縦 劇 撚!ス イ 酬ギ 凹 呂縦 群 ∬ (2002). 習 f縄 :1鞘 晃 謎 補 !葛 ラタ努景,塊 長, 晶 罪 事 ・ 予 幹覺効 め 話 M Okui 維塊「 胃薔ギ 鮮抑C酬輔 □酪uttJa鉛 子 m&rだ 盟静a鱗 も ご 品g耽 還獄 B¶ i群 艶〕 ;;・SJ:サ 鞘絲翠群既 [5]Ft Okano,J.Arat, K.Mitani: “ 図 6 実 験 系 に よ り形 成 され た 全 周 囲観 察 可 能 な フル パ ラ ラ ク ス 3 次 元 像 を 9 0 度 づ つ 異 な る方 向 か ら観 察 した 結 果 .
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