レンズ(1)

高 3AMC 物理 3-3-2 レンズ(1)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 凸レンズの光の進み方
①光軸に平行な光線は,レンズの後方の
焦点を通る。
②レンズの前方の焦点を通る光線は,レ
ンズの後方で光軸に平行に進む。
③レンズの中心を通る光線は直進する。
2 凹レンズの光の進み方
①光軸に平行な光線は,レンズの前方の焦点から
広がっていくように進む。
②レンズの後方の焦点に向かって進む光線は,レ
ンズの後方で光軸に平行に進む。
③レンズの中心を通る光線は直進する。
3 凸レンズによる実像(焦点の外側に物体がある場合)
●像のできる位置と倍率
∆OPQ∽∆OP’Q’ より
∆F’OA∽∆F’P’Q’ より
P′Q′ OP′
𝑏
=
=
PQ
OP
𝑎
P′Q′ P′Q′ P′F′ 𝑏 − 𝑓
=
=
=
PQ
OA
OF′
𝑓
⇒
𝑏
𝑏−𝑓
𝑏𝑓
𝑎𝑏
𝑎𝑓
1
1
1
1
1
1
=
⇒ 𝑏𝑓 = 𝑎𝑏 − 𝑎𝑓 ⇒
=
−
⇒
=
−
⇒
+
=
𝑎
𝑓
𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓
𝑎
𝑓
𝑏
𝑎
𝑏
𝑓
写像公式
問 11(p.173)
問 12(p.173)
1
1
1
+
=
𝑎
𝑏
𝑓
倍率
𝑚=
P′Q′
𝑏
=
PQ
𝑎
高 3AMC 物理 3-3-2 レンズ(2)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4 凸レンズによる虚像(焦点の内側に物体がある場合)
●像のできる位置と倍率
∆OPQ∽∆OP’Q’ より
P′Q′ OP′
𝑏
=
=
PQ
OP
𝑎
∆F’OA∽∆F’P’Q’ より
P′Q′ P′Q′ P′F′ 𝑏 + 𝑓
=
=
=
PQ
OA
OF′
𝑓
⇒
𝑏
𝑏+𝑓
𝑏𝑓
𝑎𝑏
𝑎𝑓
1
1
1
1
1
1
=
⇒ 𝑏𝑓 = 𝑎𝑏 + 𝑎𝑓 ⇒
=
+
⇒
=
+
⇒
−
=
𝑎
𝑓
𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓
𝑎
𝑓
𝑏
𝑎
𝑏
𝑓
写像公式
1
1
1
−
=
𝑎
𝑏
𝑓
倍率
𝑚=
P′Q′
𝑏
=
PQ
𝑎
※写像公式と倍率は後でひとつにまとめる。
問 13(p.174)
5 凹レンズによる像
●像のできる位置と倍率
∆OPQ∽∆OP’Q’ より
P′Q′ OP′
𝑏
=
=
PQ
OP
𝑎
∆FOA∽∆FP’Q’ より
P′Q′ P′Q′ P′F 𝑓 − 𝑏
=
=
=
PQ
OA
OF
𝑓
⇒
𝑏
𝑓−𝑏
𝑏𝑓
𝑎𝑓
𝑎𝑏
1
1
1
1
1
1
=
⇒ 𝑏𝑓 = 𝑎𝑓 − 𝑎𝑏 ⇒
=
−
⇒
=
−
⇒
−
=−
𝑎
𝑓
𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓 𝑎𝑏𝑓
𝑎
𝑏
𝑓
𝑎
𝑏
𝑓
写像公式
1
1
1
−
=−
𝑎
𝑏
𝑓
※写像公式と倍率は後でひとつにまとめる。
問 14(p.175)
倍率
𝑚=
P′Q′
𝑏
=
PQ
𝑎
高 3AMC 物理 3-3-2 レンズ(3)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6 レンズの式のまとめ
レンズの式
1
1
1
+
=
𝑎
𝑏
𝑓
写像公式
𝑏
𝑚=| |
𝑎
倍率
𝑓
凸レンズ ⇒ 正
凹レンズ ⇒ 負
𝑎
レンズの前方 ⇒ 正
レンズの後方(虚物体) ⇒ 負
𝑏
レンズの後方 ⇒ 正
レンズの前方 ⇒ 負
𝑎, 𝑏同符号 ⇒ 倒立
𝑎, 𝑏異符号 ⇒ 正立
𝑏 > 0 ⇒ 実像
𝑏 < 0 ⇒ 虚像
像
基本は,3 凸レンズによる実像(焦点の外側に物体がある場合)
例題9(p.176)
類題9(p.176)
●虚物体について
このレンズを入れると,
像 P’Q’はこのレンズに対
して虚物体ということに
なる。
7 虫めがね
●明視距離
目が疲れずに物体をはっき
り見つづけることのできる、目
と物体との距離のこと。一般に
250mm としている。𝐷で表す。
●虫めがねの倍率
目と像との間の距離を明視
距離にした場合の倍率をいう。
目をレンズの直後におく場合と,目をレンズ後方の焦点の位置におく場合とがよく用いら
れる。
①目をレンズの直後においた場合の倍率(𝑏 = 𝐷)
倍率 = 1 +
𝐷
𝑓
②目をレンズ後方の焦点の位置においた場合の倍率(𝑏 + 𝑓 = 𝐷)
倍率 =
𝐷
𝑓
高 3AMC 物理 3-3-2 レンズ(4)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8 組み合わせレンズによる像(顕微鏡や望遠鏡など)
2 枚のレンズA,Bを光軸が一致するように置く。像の位置を求める手順
①レンズAのみによる物体の像Pの位置を求める。
②像PをレンズBに対する物体と考えて,この物体のレンズBによる像Qの位置を求める。
●2 枚のレンズA,Bが密着している場合の組み合わせレンズの焦点距離𝑓を求めよう。
●顕微鏡の原理
●望遠鏡の原理
例題 10(p.178)
類題 10(p.178)
高 3AMC 物理 3-3-2 レンズ(5)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9 凹面鏡の光の進み方
①主軸に平行に入射した光線は,反射後
焦点Fを通る。
②焦点Fを通って入射した光線は,反射
後主軸に平行に進む。
③球面の中心Oを通る光線は,反射後再
び球面の中心Oを通る。
④鏡面の中心Mに入射した光線は,主軸
に対して入射光線と対称に進む。
10 凸面鏡の光の進み方
①主軸に平行に入射した光線は,反
射後焦点Fから出たように進む。
②焦点Fに向かって入射した光線
は,反射後主軸に平行に進む。
③球面の中心Oに向かって入射し
た光線は,反射後球面の中心Oか
ら出たように進む。
④鏡面の中心Mに入射した光線は,主軸に対して入射光線と対称に進む。
11 球面鏡の式
球面鏡の式
1
1
1
写像公式
+
=
𝑎
𝑏
𝑓
𝑏
倍率 𝑚 = | |
𝑎
𝑅
𝑓=
(𝑓: 焦点距離 𝑅: 球面の半径)
2
●𝑓 =
𝑅
の説明
2
𝑓
凹面鏡 ⇒ 正
凸面鏡 ⇒ 負
𝑅
𝑎
𝑏
像
鏡の前方 ⇒ 正
鏡の前方 ⇒ 正
鏡の後方 ⇒ 負
𝑎, 𝑏同符号 ⇒ 倒立
𝑎, 𝑏異符号 ⇒ 正立
𝑏 > 0 ⇒ 実像
𝑏 < 0 ⇒ 虚像