活動計画 IR 準備調査 IR 準備調査 石 田 昭 人 教育IRセンター(E-IRC)の活動は当初は3大学 をもとに、3大学内で検討を行うための概要資料を 担当者(医大:上原センター長、工繊大:大倉、府 作成した。 立大:石田)で行い、3月1日からは専任教員とし 2)3大学における教務情報の管理状況 て着任した児玉を交えて行った。具体的な活動に 3大学はそれぞれ独自の教務情報管理システムを ついては担当者間で議論を重ね、以下の項目につい 運用しており、3大学をまたぐ教務情報の管理・交 て調査・検討を実施した。リベラルアーツセンター 換が連携教養教育における重大な課題となることは (LAC)との連携については毎週のセンター長会議を 容易に想像できる。3大学のシラバスを比較したと 報告・検討の場とした。また、大学IRコンソーシア ころ、様式や内容の質・量はもちろん、作成・アップ ム(IRコンソ)の関連事項については本機構全体で ロードシステムも大きく異なることが判明した。さ 議論を行い、大阪府立大学と同志社大学の視察調査 らに、E-IRにおいては科目間の成績相関分析を行う を行った。 ことが予想されるが、3大学をまたぐ分析について 1.3大学連携教養教育のIR活動と密接に関連 は早急にシステムの連携法を研究する必要のあるこ する事項の洗い出し とが判明した。 本年度の調査活動は26年に開始される3大学連携 3)3大学における授業評価 教養教育のIR活動(E-IR)における調査と密接に関 授業評価と卒業生調査は3大学ともに実施してい 連する事項の洗い出しから着手した。E-IRの円滑 たが、授業評価に関しては工繊大のシステムが最も な実施には開始までに具体的な活動指針を構築して 充実しており、府立医大はカリキュラムの大幅変更 おくことが不可欠であり、その第一歩は先例研究で を控えていることもあって今後の検討待ちの状況で ある。そこで、大学IRコンソーシアムの活動につい あった。各大学ともに、連携教養教育だけを独立さ て調査・研究を進めた。一方、E-IR調査開始後には せるか、専門科目と統一するかといった検討が必要 対象となる調査開始前のデータの収集・蓄積が必要 と思われる。 である。そこで、シラバスや成績などの教務情報管 4)3大学における新入生調査 理状況、授業評価、卒業生調査、および、新入生調 卒業生調査は認証評価の関連から3大学ともに実 査について3大学の現況を調査した。現況調査の結 施していたが、新入生調査に関しては工繊大のみが 果、府立医大と府立大では系統的な新入生調査が実 系統的に実施しており、府立医大と府立大は実施し 施されていないことが判明したため、今後の議論・ ていないことが判明した。新入生調査に関しては、 検討に向けて、参考となる他大学の事例を可能な限 3大学ともに、その必要性や意義について学内にか り収集・分析した。 なりの温度差があることが推察され、今後、他校の 2.事項別資料の収集・分析と課題検討 先例をもとに議論を深めていくことが求められる。 1)大学IRコンソーシアム(IRコンソ)について 5)他大学における新入生調査と初年次教育調査 IRコンソの具体的な活動内容と設立に至るまでの 法政大、東洋大、東工大、福井大、お茶の水女子 経緯に関する調査を行い、事前に資料を収集したう 大、福岡県立大、川崎医療福祉大、室蘭工大、大工 えで加盟に際しての諸課題を洗い出すとともに、視 大などの新入生調査票と河合塾の調査結果を入手 察調査で詳細な質疑を行い、回答を得た。その結果 し、特徴を分析・整理した。 石 田 昭 人 いしだ あきと 京都三大学教養教育研究・推進機構 教育IRセンター 京都府立大学教授 35
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