OFRAC Report

OFRAC Report
Vol.2
2010 12 ・ 1 月号
新開発部品テスト
‐Pバルブ・スロットル
設計作業
‐ファイナルアセンブリ
大阪大学フォーミュラレーシングクラブ
新開発部品
・プロポーショニングバルブ テスト
北神戸走行テスト(1/15)
シャシ班 久堀 拓人
今回の北神戸サーキットでの走行テストでは2010年度
大会の車両に搭載予定のプロポーショニングバルブ(ブ
レーキ配管中で圧力を変化させ,前後のブレーキの効き
具合を調節する部品 )のテストを行いました.内容として
は,路面温度が低く,あまり攻めたテストはできず時間も
限られていたため,細かいセッティングを合わせるには至
りませんでした.
しかし効果のオーダーはおおよそ知ることができました
し,いくつかセッティングを変更したデータも取ることがで
きたので次の走行会に生かすことのできる内容でした.
今回のテスト結果をもとにセッティング内容を検討し,
2009年度車両での走行があるうちに大会路面でもテスト
を行いたいところです.
昨年度までの結果を検討した際,やはりブレーキ性能に
はまだまだ改善の余地があるので今年の目標としてプロ
ポーショニングバルブを含めた向上を目指していきいと思
います.
・スロットルテスト
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
2000
4000
シャシダイナモテスト(1/27)
パワトレ班 松浦 利樹
一言でいうと,奥西さんが一年半かけた夢であるロータリー
バルブスロットルが遂に実現するのか!?というシャシダイ
でした.
09年度に実現できなかったロータリーバルブスロットルの
最大の問題点であった「バルブが開いたまま戻らない」を解
決するため,ベアリングを採用し,吸気径を20mmに変更,
設計を進め,怒涛の速さで試作品1号を製作し,工場でエン
ジンをかけたところ,問題はなんと解決されました!!あとは
車両を走らせて問題なければよかったのですが.
結果は驚きのものでした.スロットルの戻りは問題なかった
のですが,エンジン回転数が高くなるにつれ馬力が頭打ちに
なり,最高馬力が本来より10馬力も低いものとなってしまい
ました.
考えられる原因は「スロットルでの吸気の損失および管摩
擦」です.これを解決するために「入口をテーパーにする」,
「スロットル内を滑らかにする」など,様々な対策を解析を踏
まえ,現在模索しているところです.
問題への対応を,先輩に任せることが多いのが現状です
が早く知識をつけ,自分から案を出し,10年度のスロットルを
少しでも自分の色に染めてみたいです.
6000
8000
dyno 100127
10000
12000
dyno 090903
14000
16000
ファイナルアセンブリ
ファイナルアセンブリ(12/26)
チーフエンジニア
松本 佳幸
今年度はチーフエンジニアとして,主に,車両のパッケージングと,各部品のチェッ
ク,すり合わせを担当させていただきました.今年度のコンセプトとして,「コーナー脱
出が速い車」ということだったので,パッケージングとしては主に重心高の改善を行
いました.エンジン位置の変更や,低重心を意識したフレームなどにより昨年度の
295mmから277mmまで低減させることに成功しました.これを達成した上で,ヨー
慣性モーメント,重量は昨年度を維持又は改善しております.
また,昨年度までは,製作の時点で,問題を発見し改良することが良く起こってい
たので,部品チェック,修正を徹底できるようなシステムの確立を行いました.まず,
設計初期や,設計途中で問題を早期発見,修正できるように,中間報告会を毎週作
業日の最後に行いました.これによって,設計初心者の設計方針の修正などを早期
発見,修正することができました.次に,CAD上での車両全体のアッセンブリを今年
度は2回行ったのですが,アッセンブリ毎に,自分をはじめとして,管理者数名によっ
て,アッセンブリの設計チェックを行いました.これによって,全体として,問題点を把
握し対応することができました.また,細かい部分の完成度の向上ができたと思って
います.
すり合わせについては,お互いのことをわかっていないと,どちらかが設計として効
率が悪い方向にいくことがあるため,パーツ担当者間だけで行わせるのではなく,自
分が介入してお互いの設計の折り合いがつくところを検討して,効率のよい設計に
収束できるように手助けを行いました.すり合わせが必要な主なパーツは足回りの
取り付け点とかですが,特にリアに関しては,昨年度からレイアウトの変更を行い,
フレーム的にも効率が良く,サス側にも効率が良い仕上がりになっております.
全体としては,熟成させる年ということで,大きく外観の変わるような変更は行って
おりませんが,詳細な部分まで設計の時点での完成度は上がっており,これから製
作に入っていきますが,トラブルも例年より少なく,信頼性の高い車両ができるので
はないかと思っております.
メンバー 紹介
記事をまとめてもらったメンバーを紹介するコーナー
松本 佳幸 工学部4年 チームトップクラスの品質を生む男 チー
フエンジニアとして設計・製作を統括している重役 設計はドライサ
ンプを担当
久堀 拓人 工学部3年 サブリーダー,会計としてチームを支える
普段から車に乗る数少ないメンバーで,ドライバーもこなす 担当の
ステアリングラックアンドピニオンで自作に挑戦
松浦 利樹 工学部2年 参加1年目にして難題のスロットルを担当
はめあい加工に苦しみながらも,きっちりと試作機を仕上げてきた
これから先の成長を期待させる
協賛スポンサー様
このチームの活動は下記のスポンサー様のご支援により成り立っています.
編集後記
さて定期報告書の第2弾を無事刊行で
きました.今回は特に新車輌に向けて
の準備について,開発の視点からの内
容を盛り込みました.かなりの情報漏
洩を覚悟していますが(?),楽しん
でいただけたでしょうか?
これから本格的に製作に入り.大変な
時期ですが体調と安全に十分に気をつ
けて頑張ります.
今後とも宜しくお願いします.
プロジェクトリーダー
奥西 晋一
工学部4年