グアム合気会ユース日本遠征・2015年7月1日−15日 報告書 峰岸睦子 7月1日:1日目 早朝五時半グアム空港集合。チェックイン前に家族との集合写真撮影。心配そうな家族 に見送られながら、7時10分出発。子供たちは親の心配などどこそこ、けろりとしてい る。 1 日程を変更し、正泉寺道場での子供クラスを止めて、大人の稽古だけにし、其の前に座 禅の体験をお願いした。5時半ホテルのバスで道場へ。5時半ー6時半まで座禅。7時か ら8時半まで稽古、そして、スイカとピザで夕食を御馳走になる。10時ホテルに戻り就 寝。 7月2日:2日目 この日予定されていた写経と座禅は、座禅を前日に回し、写経は省略。一日かけてユニ バーサルスタジオで遊ぶことにした。これからの長い旅に先駆け、少し御褒美を上げて おきたいと思った。 私は激しい回転や上下に動く乗り物が苦手なので、子供たちをグループ分けし、責任を 持って遊ぶことにしてもらい、もんちゃんと私は二人でのんびりと屋内のショウなどを 探して楽しむ。子供たちは満喫できた一日を元気に終え、興奮気味。 7月3日:3日目 8時朝食。9時から10時まで荷物を纏めて奈良に向かう準備。10時チェックアウト。ホ テルのバスで奈良まで送ってもらう。奈良では、10年前グアム合気会で二年間稽古をし ていた敬子ちゃんがお出迎え。昼食を予約しておいてくださった。1時、ホームステイ の家族が出迎え。男児四名は宮田家へ、女児三名は島田家へ、小さい男児三名は敬子家 へ、そして、もんちゃんは、以前から交友のあった西峯家にそれぞれ分かれ、私一人ホ テルにて宿泊。 2 1日から3日まで大阪で合流したケニーさん一家も一緒で、奈良の東大寺大仏を観に 行った者もあった。 5時20分から8時20分までの三時間窪田師範の合気道。3時間は長い。師範の長い説明 に痺れをきらせた子供たち、そして私たち大人も痛い足に気をとられ、お話はなんとな く聞き流しているといった感じ。もう少し説明の内容を体で体験したかった。 稽古後それぞれホームステイの家族に引き取られて行く。 7月4日: 4日目 午前中はそれぞれの家族が計画して下さった日程に従って行動。 4時から6時まで敬子さんの道場で稽古。子供たちが沢山来ていて、大人も一緒に合同 稽古。前半は田中師範の指導、後半は私の指導で、グアムの子供たちは急に息を吹き返 したような感じがする。グアムの子供たちの模範演武の後、皆がそれに従う形式。全員 張り切って思いっきりいつもやっているように好きな技を披露する。自信たっぷりの技 をしながら、誰もが輝いて見えた。とても誇らしく思った。 6時から8時まで、敬子さんの道場の皆さんが用意して下さったポットラックでの夕 食。おにぎり、お寿司、チキンのから揚げ、餃子、サラダ、散らし寿司、煮物。。。沢 3 山の御馳走が道場の窓際に並べられ、皆むさぼるように戴いた。何もかもがおいしかっ た。道場の御父兄、本当にご馳走様でした。 9時、家族に引き取られ、解散する。11時の就寝時間が守られているだろうか。 7月5日:5日目 午前中それぞれの家族が観光や買い物などに連れて行ってくれたようだ。この地域は金 魚の町。古い電話ボックスに水を入れて、金魚を飼っているのがとても珍しい。金魚祭 りも行われていて、金魚救いを楽しんだ子供もいた。 2時から4時、再び窪田師範の稽古。一時間目は私の指導。たくさんの子供たちの前 で、グアムの子供たちを使って演武そして稽古。グアム連中は、自信を持って大変な興 奮ぶりを発揮。 今日も師範のお話を中心に、合気道の基本を稽古。立ち方、座り方、入り身、転換、継 ぎ足、送り足、基本の練習だけで2時間はあっという間に過ぎて行った。技の稽古はあ まりなかった。できれば、こうした基本が技の中にどのように生きているか、もっと練 習したかった。 窪田師範の本部道場に移動。カレーレストランのコックさんを二人呼び寄せて、カレー での昼食。大きなお鍋にたっぷりカレーが用意され、皆和気藹々で食卓を囲む。会員の 一人が朝早く起きて畑に行き、とうもろこしとスイカを収穫して持ってきてくれた。甘 くておいしいとうもろこし、そして、食後にすいか割をして楽しんだ。殆どは外れ。私 も外れ。かいとまさとが真ん中ではなかったがスイカに傷をつけた。 4 食後それぞれの家族に戻り、荷物を二つに 分け、一つは東京のホテル宛に宅配便で送る 大きな荷物。三島で一度の稽古と二泊するための小さなバッグを作り、ホテルに集合。 三日間の稽古で汚れた稽古着は、家族がそれぞれ洗濯して下さった。間に合わないもの は、翌日宅配便で送る前までに持ってきてもらうことになった。 明日の朝三島に向け早朝に出発のため、全員が一緒にいた方が連絡に都合がよいと思っ たので、この日はホテルで宿泊することにした 5 7月6日:6日目 出発前に家族が洗濯物を持ってきてくれる。そして、荷物を改めて整理し、宅配便で東 京のホテルに送り出す。 今日は、奈良から京都に出て三島まで移動。新幹線に乗るのを楽しみにしていたけれど、 乗ってみれば皆ぐっすり寝込んでいる。やはり疲れが出ているのだろう。奈良で買った お弁当を食べ、買ってきた飲み物やスナックを食べながら、3時間ほどで三島に到着し た。 3時に三島のホテルにチックイン。ハンクさんの先生だった山形先生の道場。7時半か ら9時半までの大人の稽古。ホテルから道場まで電車に乗って、最寄の駅まで行くと、 山形先生と道場の生徒が来るまで出迎えてくれた。稽古は町の体育館。日本ではどこに でも体育館や文化センターがあり、個人で道場を私有している師範はほんの かである。 中でも嶋本師範の道場は、正泉寺という由緒あるお寺の中にあり、環境抜群の場所にあ る。体育館と専門道場とでは、心の状態が全く違う。合気道だけでなく、となりで他の 活動のある体育館では、敬 な気分になるのはとても難しい。其の点、嶋本道場では、 中に一歩踏み込む瞬間から気が引き締まり、一挙一動に集中するようになる。 普段では稽古をしない日であったこともあり、参加者はあまり多くない。こちらからの 参加者の人数の方が多いくらいであった。前半は山形師範の指導。師範は明治神宮の要 心館の合気道の流れを んでいるので、がっちりと強くて硬い合気道。流れは殆どなく、 決めも厳しい。体裁きも大きくなく、ちょっと怖い感じがしたが、子供たちは見よう見 真似で果敢に大人に挑戦していた姿はたくましく見えた。 後半の三十分は私の指導。グアム合気会の会員を受けに使い、大きく優雅に動く技を御 披露する。とても感激したという生徒が多くいた。 6 7月7日: 7日目 富士山五合目まで行って、富士山を楽しもうと計画していたが、登山バスが10までで ないということで、河口湖まで行くことに変更。不幸にも今日は曇りで小雨。これでは 富士山は見えないだろうとがっかり。傘を持ち、ビニールの靴カバーを持って出掛ける。 三島から河口湖までバスで約二時間。晴れていればバスのあらゆる方向に富士山が見え るはずなのに、今日は見えない。晴れてくれることを願いながら終着駅に到着。雨が少 しずつ強くなり、これでは観光は断念せざるを得なくなった。河口湖でのボートにも遊 覧船も諦め、散策もできない。駅前の日本食堂を見つけ、そこで昼食。観光地特有の高 くて不味い食事をして、直ぐ三島に戻るバスの飛び乗り、この日は全く楽しむこともな く宿に戻った。お金と時間の無駄だと思ってがっかりしたが、大型の台風が西日本を襲っ ていたことを思えば、小雨くらいで済んでくれているので我慢しなければならない。こ れまで好天気に恵まれ、日程はごくスムースに進んできた。 山形先生と合流し夕食を共にした。昨日の稽古で、先生はグアムの生徒たちにとても感 心したという御好評を戴いて嬉しかった。 7 7月8日: 八日目 軽い荷物で東京へ向かう。新幹線。これも又3時間の短い旅。お弁当を買って乗り込 む。東京行きを新宿で降りて、京王新線に乗り換え、幡ヶ谷のホテルへ。電車に乗ると きは、いつも12人分。切符を買うのにも時間がかかる。ゆうたとまさとにいつも手 伝ってもらい、私はお金を財布から出す役目。切符は全て自動販売機なので、行く先を 確認し、料金を確認してボタンを押し、出てきたおつりを又入れてもらう。ここまでく ると、二人とも慣れてきた。 8 東京では、本部道場で稽古をしたかった。しかし、本部の規定として、大人のクラスに 16歳以下の子供たちが入ることはできない。できる子とできない子がいるし、かといっ て子供クラスに入ることはあまり意味がないと思い、道主の表敬訪問だけにすることに なった。たまたま道主は不在、それで、道主野息子さんの道場長が受け入れてくださっ た。資料館などの見学はなかったが、メイン道場で、内弟子と師範の数人が、演武会の 練習をしているところを見学することができた。合気道のお手本となる本部道場の若手 師範と若手の弟子たちの稽古ぶりを見ることができてとても有意義であった。 道場長と一緒に写真撮影、そして、グアムからのお土産をお渡しする。何だろうと嬉し そうに中身を確認する時の好奇心と笑顔がとても印象的だった。 9 今日の稽古は7時から9時まで、ホテルから徒歩でいける距離にあるジャイカの体育 館。ジャイカからシニア・ボランテイアとしてラオスに派遣されていた工藤剛師範の御 手配で、この道場で稽古をさせていただけることになった。もんちゃんの先生の工藤先 生は、今回のもんちゃんのグアムでの一ヶ月の稽古、それに日本遠征に際して募金活動 をしてくださり、多くのジャイカ関係の方々の御協力を得ることが出来た。門ちゃんは、 ラオスに派遣されたり訪問されたりした日本の師範にもよく知られている女性であり、 皆懐かしそうに歓迎してくれていた。私たちも便乗することが出来のは、工藤師範の御 親切があってのこと。三島から東京までの旅の後でも、皆元気一杯。大人と一緒に信じ られないほど果敢に稽古に励む姿は、頼もしい限りである。 稽古後、近くの中華料理店で夕食。10時近くになっている。10歳、11歳の子供たちに とって、こんなに遅い夕食はかわいそうだが、どうにも仕方がない。日本の大人たちは、 仕事が終わってからの稽古はどうしてもこの時間になってします。11時過ぎ就寝。 10 7月9日:九日目 真衣ちゃんの希望で、科学未来館に行く。「青海」と「青梅」を間違えて、新宿から青 梅まで行ってしまう。駅に到着して未来館はどこか訪ねてみると、駅員さんが不可解な 顔。ここにはそんなものはありませんとのこと。それは青海ですという。青海とは新宿 からそんなに遠くないところ。なんという間違いだろう。真衣ちゃんの言ったことを ちょっと軽く受けすぎて、しっかりとした下調べをしていなかった私の不覚。大いに誤っ て、又新宿に戻り、青海に行く。未来館に到着したのは既に午後2時近く。4時の閉館 まで か2時間。それぞれ見たいものを見るように自由行動にする。昼食も一緒にして いないので、おなかをすかせているものもある。 工藤先生とホテルで待ち合わせの時間は5時。でも、戻ったのは6時近く。一時間の遅 刻。しかもまともに昼食も取っていないものもあり、皆くたくた。コンビニで欲しいも のを買って、急いで腹ごしらえをして、稽古に向かう。稽古なしで休みたいものが殆ど。 特に小さい三人はあごが上がっている。そこで、私とこの三人はホテルに残ることにし て、大きい者だけを送り出す。とても気の毒な思いだったが、工藤師範が全てを準備し ていて下さっていたのでお断りすることも出来ず、皆足を引きずるようにして出掛けた。 今日が一番辛い日。皆しっかり頑張って無事に戻ってきて欲しいと願うばかりだった。 日本の大人たちは、務めを終わると今のあなたたちのように皆疲れている。それでも皆 稽古に来るのだから、今日はそうした日本人の様子を体験して来てほしいと苦しい説得。 残った三人と私。皆ステーキが食べたいという。よし、今日はおいしいステーキだといっ て元気付け、専門店のガストでとてもおいしいステーキを食べた。昨日汚れた稽古着を 洗濯し、群馬に明日送る荷物の準備をして就寝した。 稽古に行った子供たちは11時過ぎにホテルに戻り、皆疲れ果てて就寝した。翌日は群 馬まで11時半に来るようにという荒井師範からの要請で、早朝に出発。 7月10日; 10日目 いつもより早く7時に朝食。昨日の疲れが出て、起きるのがとても辛そう。いつもしっ かりとしているサーシャもターニャも今日はちょっとだるそう。電車の中でゆっくりと 11 寝られるからと勇気付けて、8時にホテルを出る。其の前に、高崎に向け又宅配便で荷 物を送り出す。 高崎駅の構内で、荒井師範の出迎えを受ける。8段位の荒井師範が、私たちの為に高崎 でのプログラムを全て設定して下さった。こんな親切が受けられるとは思いもよらない こと。師範の指導はこれまでに3度受けただけ。しかも、それは海外でのこと。グアム に一度奥様と来られたこともある。私のことを覚えていて下さったかどうかすら分から ないと思っていたが、何という御親切。8段位で、開祖直々の指導を受けられたお弟子 さんたちは、殆どが亡くなられ、荒井師範は貴重な存在。お元気なうちに是非一度お伺 いしたいと兼ねがね願っていたが、この様な形で実現できるとは、本当に感激である。 しかも、御自身で全て手配して下さるなんて信じられないことである。 11時ホテル着。日本式の古いホテル。畳の部屋に、布団が敷いてある。大きなお風呂 も付いている。一休みする間もなく、直ぐに稽古着を持って昼ごはん。1時半から高崎 市副市長を表敬訪問するために市庁舎へ。 市庁舎では、副市長のお出迎えを受け、一同緊張の一瞬。一人ひとり、日本語で、名前、 年齢、合気道暦、段或いは級の紹介をする。皆立派に自己紹介が出来、お褒めの言葉を 頂戴する。この市庁舎は高崎で一番高い建物で21階建て。その最上階から高崎市全体 を見下ろす。近くまで迫っている山々を見渡すことの出来る素晴らしい光景。地上21 階までのエレベーターに乗ったのが初めてだという子供達もいる。 12 荒井師範の生徒さんたちが出して下さった車に分乗して、富岡市の道場まで一時間余り 走る。体育館と同じ敷地の中に、恐竜博物館があり、30分しか時間がなかったが、見 学する。立派なコレクションで皆目を見張る。時間が足りなくて残念無念。 3時から5時までの稽古。子供たちはいなかった。荒井師範の技は、亡くなった山口師 範を彷彿と思い起こさせる特徴のある技である。入り身の厳しさ、転換も炎天ではなく 直接の体の転換。剣道を基盤としておられる山口師範の直立、直進、全て体の中心線を 最重要とし、地球の重力を使っての合気道は、われわれ初心者にはなかなか習得するこ とが出来ない高度の合気道である。円転の理、大きな体の捌きなどを大切に稽古してき たグアム合気会の会員にとっては、難しすぎたと思う。それでも、しっかりと師範の模 範技をみながら、稽古に励む。 とても難しくてお手上げではなかったかと思ったのに、意外なのは、荒井師範の稽古が とても印象に残ったと反省する子が多かったのには驚かされた。合気道に対してみる目 が少しずつ出来てきたという証であろうか。 稽古後、ホテルで夕食。畳の大部屋に集まり、皆でしっかりと「戴きます」を言ってか ら、おいしい夕食を戴いた。このホテルの食事は満足感のある献立。味付けもとてもお いしい。私は自分の食事を楽しむより、小さな子供三人が、どんな食べ方をするかが気 になって、最後まで目が離せない。すずめがつつくような食べ方をする二人、次第に食 事がしっかりと出来るようになった一人。この様な食生活では体が正常に成長するとは 思えない。両親と話し合わなければならないと痛感させられる旅である。 13 7月11日: 11日目 今日は隣の市、渋川市まで遠征。そして3時から5時までの稽古の前に観光。荒井師範 は群馬県合気道連盟の会長で、14の道場を巡回し指導しておられる。そのうちの一つ 渋川体育館での稽古に参加する。大人のみの稽古に数人の子供が入っているだけ。 稽古後、温泉に入る。群馬県には何処に行っても温泉がある。日常的に温泉に入れるな んて何と羨ましいことか。男の子たちも恥ずかしがらずに温泉に入っていたのだろうか。 ホテルで夕食。今日は余り遅くなく就寝できる。 14 7月12日:12日目 荒井師範の活動拠点の高崎市、ここには大きな高崎観音がある。そこまで観光に出かけ た。日本の西の方では、台風で大荒れしているというのに、ここは快晴の絶好の観光日 和。旅を通して富士山散策日の小雨を除いて、どこでもいい天気に恵まれ、幸運であ る。 今日は最後の稽古日。観音様の観光の後、荒井師範の本部道場といわれる山徳道場での 稽古。その前に師範ご自慢の自作の洞窟観音見学。山の中を切り抜いた洞窟の中に、4 0体以上の観音様が置かれ、それが皆国宝級の立派なお像に驚かされる。個人で作られ たというこの洞窟観音は、高崎の目立たない観光地となっている。 荒井師範の道場は、古い民家を改造したもの。余り大きくないが、20人くらいは楽に 稽古が出来る。大きな池のある前庭。直ぐ隣にある美術館を見に行く観光客が前を通っ て行く。外は35度もあろうかという日本で最高気温を誇る高崎市でも、この道場には 木々を通って吹き抜ける風が涼しく感じられる。何という素晴らしい環境の中で稽古が 出来る幸せな道場なのであろうか。正に理想郷である。 15 7月13日:13日目 今日と明日の二日間は、今までの長旅のご褒美のお楽しみデー。デズニーリゾートで二 日間のお楽しみでこの旅を終わることにする。 楽しみとあれば朝早く起きることは問題なし。7時に朝食。皆元気に私の到着を待つ。 皆笑顔。よし、今日は楽しむぞ。 8時には高崎発東京行き。東京から乗り換えて、新浦安へ。 平日だというのに、到着した12時にはもう人で一杯。三つのグループに分かれてそれ ぞれ飛び出して行く。キオニが、小さい三人に付き添い。男児三人は今日こそ自由に遊 べると大はしゃぎ、女性は三人一組。私ともんちゃんは、ショーを中心にゆっくりと回 16 る。夜9時までの9時間、各自思いっきり楽しんできたようだ。台風の影響を受けて悪 天候に襲われているという各地の天気をよそに、ここだけは上天気。幸運が続いている。 恐ろしい乗り物に乗ることを快楽としている子供たちとは違って、それの苦手な私たち 二人は、ゆっくりと食事をしたり、出来るだけ短い待ち時間のショーをあちこち探して、 屋内で涼しく一日を過ごす。中には80分待ち、60分待ちがあるが、それは全て避け て歩く。この大きな敷地を歩くだけでへとへと。9時間待ちが一番長い待ち時間。 10時過ぎに皆で夕食。お昼に何を食べたのか。皆お腹をすかせていたと見えて食欲旺 盛。制限なしでの食事を楽しむ。明日もう一日の楽しみの為に、皆直ぐに寝たのではな いか。 7月14日:14日目 今日が最終日。今日も皆無事でありますようにと祈る。晴天。秋晴れのような雲ひとつ ない真っ青な空。でも、少し風が強い。 今日も三つのグループに分かれて、それぞれの目的地に向け疾走する元気な子供たち。 合気道では真面目な顔をしているが、やはり子供は子供。これが本来の姿なのであろう。 皆思いっきり楽しんできて欲しい。安全に。 相変わらず、もんちゃんと私の二人は皆から離れ、日陰から日陰を選んで、ショーを探 す。ここでもアトラクションは皆激しい乗り物ばかり。それを避けると余り楽しめるも のはなさそうだ。電車に乗ったり、回転木馬に乗ったり、ゆっくりと食事をしたり、子 供に帰って皆と楽しめたらとどんなに思ったか。子供時代にこの様な経験をしたことの ない私は、子供に返って皆とはしゃぎたいと思ったが、どうもそうは行かなくなってし まっているようである。目まぐるしい乗り物は目が回ったり、気持ちが悪くなってしま うのは、やはり年のせいなのだろう。子供たちが楽しんでいるのをただひたすら待ち、 見守るしかない。 6時半に工藤先生がホテルまでもんちゃんを迎えにくるというので、楽しみは4時まで。 駅の近くで夕食をとってから、ホテルに帰る。工藤先生と同時にホテル着。 グアムでの一ヶ月の稽古、そして、2週間の日本遠征の全ての日程を無事に終えて、も んちゃんはラオスに帰る日が来た。余りものを言わないもんちゃんは、皆に別れる時に、 言葉なくただただ涙、涙。別れがとてもつらそうだったし、私たちも皆そうだった。再 会があるのか、あるとしたらいつか。グアムとラオスは余りにも距離が離れすぎている。 17 私個人は12月の再会が待っているが、子供たちにとってはとても辛い別れであったと 思う。今回の旅が、もんちゃんの将来の合気道にとって有意義であって欲しいと願う。 7月15日:15日目で最終日 帰島の日が来た。まさととまいは、これから北海道の休暇。両親が成田空港で待ち合わ せている。10時までには成田空港に行かなければならないので、ちょっと早めにホテ ルを出る。 空港では、真穂さんとらもんさんが待っていた。二人を両親に手渡し、手荷物をロッカー に入れて、イオンショッピングセンターまで行くことにした。10時から2時まで自由 行動。皆で最後の昼食を取り、空港へ戻る。先に宅配便で送っておいた荷物を取り出し、 荷造りをし直してチェックイン。 夜10時半、グアム空港で家族の出迎えを受ける。元気な子供たちの帰りを喜び合う。 そして、集合写真を撮って解散する。 終わった。誰一人頭痛も腹痛も起こさず、元気一杯の旅だった。これが何よりの嬉しい 御報告。いろいろと学んだ者、楽しんだ者、1人ひとりそれぞれの体験、経験を持って 帰宅した。家族にどんな報告をしたのだろうか。写真を含めて、報告書を提出すること になっている。待ち遠しい。 18 19
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