伊藤幹夫研究会 ― 金融市場データの理論分析・計量分析 ― 1.研究分野 伊藤研究会では,ここ数年間は金融市場に 対して統計学的手法を用いた実証研究を行な ってきました.具体的には金利変動の確率微 分方程式モデルに対する GMM(一般化モーメ ント法)での検証,テクニカル投資戦略の有効 性のブートストラップ法による検証,信用リ スクの測定,株価の国際連関,株式価格の予測 可能性などです. 研究会において学生諸君は,最近の金融理論, 金融市場構造の実証に関する統計的方法,実 際に実証を行う場合のデータ処理の方法を講 義と演習から学びます.また,比較的入手し やすいデータを用いて,様々な実証研究を行 ない,その成果を逐次 Wiki 上で発表します. 2012 年度は株式価格の予測可能性に関する 実証分析をゼミのテーマとしました.前期は 近年の金融関連の法律の改正を含む歴史的・ 制度的な調査・学習に力をいれる一方,株式 市場・債券市場についての基礎的な事項の学 習,資金循環分析について学びました.さら に,本格的な実証分析を行なう後期への準備 として,解析・線型代数・確率に関する学習 を平行して行ないました.2015 年度も同様の 金融市場に関連したテーマでゼミを行なう予 定です. なお研究会では,レポーターの一方的な発表 にならないように,レポーターが内容に関し て詳細なレジュメの作成のみを求められるの に対して,レポーター以外のゼミ員は,レポ ーター用課題の内容に関連して個別に課題が 与えられます.また,ゼミで用いる文献の内 容についても,レポーター以外のゼミ員が調 べ,ゼミの時間内に発表するという運営形態 をとります.サブゼミは,コンピュータや計 量経済学,統計パッケージの使用方法などを 学びます 4 年次の卒論は,就職活動が一段落した後に, 着手します.テーマは 3 年次のゼミの活動に関 連 し たも のに 限定 して, 相 談の 上で 決め ま す. この研究会の特徴は、経済学とファイナンス をいろんな角度から学ぶという点にあります. ゼミに入会した学生諸君は,理論を学ぶにし ろ実証的手法を学ぶにしろ,どちらかに 特化 することなく両方をバランスよく学ぶことを 求められます.また自ら体と頭を積極的に動 かして,さまざまな経験を積むことが求めら れます.研究会活動は,授業時間の前,まさ に時間中,授業後の随時,研究会の Wiki サー バーにアップロードされことも特徴と言える でしょう. ゼミ活動では共同作業を重視します.各人は ゼミの活動にあたっての基本的なこと(図書館 での資料の調べかた,NEEDS データのダウン ロードのやり方, 文書作成と共有, Mathematica のような一般計算ツール,R な どの統計・計量パッケージソフト, PowerPoint のようなプレゼンテーション・ツ ール, Google の特殊検索機能など)を習得した 後には,各人は自らの特技(コンピュータ,図 形作成,文書作成,データ処理,数学,統計 学,資料検索,英語)を伸ばし,ゼミ活動にお ける共同作業において独自の貢献ができるこ とを要求されます. 2013 年度の研究休暇により 2 年間新規募集 をしていませんでしたが,過去の活動について は http://www.math.hc.keio.ac.jp/itoseminar/i ndex.php?FrontPage を参照してください. 2.学生への要望 研究会活動を含め大学における学習・研究活 動が,将来の糧となるのか無意味な時間つぶ しになるのかは,学生諸君の動機付けに一重 に依存します.研究会に参加するならば,積 極的な動機付けを自らに課してほしいと思い ます. 3.選考について 1、募集人数、15 名程度(AB 日程合計) 2、選考内容 面談 3、選考基準ゼミ活動に関して,本気に なれるかどうか
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