CaN International Group News letter 2015年 8 ・ 9月号(Vol. 13) 本ニュースレターは、CaN International Groupの関係者の皆様に、各国における新規トピックス、CaN International Groupの連絡事項等についてお知らせし ております。掲載情報に関しまして、当社は細心の注意を払っておりますが、内容についていかなる表明・保証を行うものではありません。 【目次】 Ⅰ 最新の各国動向 ■ⅰ) ■ⅱ) 中国マーケットを狙う、日系大手企業の越境EC戦略…P,2 環インド洋経済圏のハブを目指すスリランカ…P,3 今月の新興国コラム 『ベトナム(ハノイ)の若者』 ***アジアで暮らす人々の生活を知ろう***…P,4 Ⅱ 諸制度ハイライト ■ⅰ) ■ⅱ) インドネシア、国内でルピア決済義務化…P,5 タイ投資奨励案件に使用できる機械…P,5 Ⅲ CaN からのお知らせ ■ⅰ)CaN International Groupベトナム拠点社名変更、 「CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd.」に…P,6 ■ⅱ)GMOペイメントゲートウェイ、GVA 、CaN Groupの3 社共催セミナー、 好評のうちに終了しました…P,6 ■ⅲ)弊社のコンサルタント、太郎が2歳の誕生日を迎えました!…P,6 1 ⒸCaN International Group Ⅰ 最新の各国動向 ■ⅰ) 中国マーケットを狙う、日系大手企業の越境EC戦略 中国のクロスボーダー電子商取引(以下「クロスボーダーeコマース」)市場規模は成 長の一途を辿っており、2013年の約767億元(約1.5兆円相当)から、2018年には約1兆元 (約20兆円相当)まで拡大が見込まれている。一方で、商品の本物保証や、商品と共に質 の高いアフターサービスを提供することが求められており、消費者のニーズが変化しつ つある中国のクロスボーダーeコマース市場は定性、定量の両面で大きな可能性を秘め る(伊藤忠商事リリースより)。 このように急激に拡大する中国の電子商取引(以下「EC」)マーケットを狙って、日系 大手企業が中国現地のECポータル企業と提携を急速に進め始めた。EC事業を行うに当 たって現地におけるマーケティング力、ライセンス取得や規制、決済や物流網の整備と いった観点から、独資ではなく、現地EC企業と提携する動きがみられる。このような潮 流は、縮小する日本国内市場での戦いを避け、巨大な新市場に容易に参入することが 可能になるといった観点から、日系企業にとって注目すべきものであり、期待が膨らむ。 なお、2010年には日系EC最大手の楽天が、中国のネット検索大手「百度」と合弁でEC サイト「楽酷天」を立ち上げたが、開設からわずか1年半で撤退に追い込まれており、二 の舞を演じるわけにはいかない。 三井物産、中国で通販 現地ポータル大手と提携 三井物産株式会社は中国ポータル(玄関)サイト大手、網易(ネットイース)と提携し、 中国での日本製品販売を近く開始すると日本経済新聞社が2015年8月5日の朝刊で報 じた。日本経済新聞社によると、三井物産株式会社は、日本で調達した日用品、食品など を税手続きが簡素化された中国の特区に輸出するとのことであり、徹底的な検査で偽 物の混入を防ぎ、2~3日で宅配するとのことである。また、日本製品への需要は根強い とみており、先行するアリババグループなどに対抗するため、ネットイースへの出資も検 討している。 Yahoo! JAPAN、EC事業で中国アリババグループと提携 ヤフー株式会社(Yahoo! JAPAN)も2015年5月29日に、EC事業で中国アリババグルー プと連携することを発表したばかりだ。 同社は、その第一弾として、中国でEC事業の展開を検討している日本企業に対して、 アリババグループが運営する中国最大のBtoC ECモール「天猫(ティーモール)」「天猫 国際(ティーモールグローバル)」への出店において、料金およびトラフィック(誘導)面 での特別な優遇プログラムを提供、日本企業の中国市場進出を好条件で力強くサポー トしていく予定だ。 伊藤忠、中国最大手コングロマリット、タイ資本巨大財閥、中国現地最大手の通信会社な どと提携し中国EC市場に参入 同じく、伊藤忠商事株式会社も、急激に拡大している中国のクロスボーダーeコマース 市場を大きなビジネスチャンスと捉え、中国において強い基盤を有する4社との提携を 2015年4月30日に発表している。 2 ⒸCaN International Group 同社は、中国中信集団有限公司 (本社:中華人民共和国北京市、董事長:常振明、以下 「CITIC」)、Charoen Pokphand Group Company Ltd. (本社:タイ国バンコック市、Chairman: Dhanin Chearavanont、以下「CPG」)、中国における移動体通信事業者最大手の中国移動通信集 団公司(本社:中華人民共和国北京市、董事長:奚国華、以下「中国移動」)、上海市政府傘下の上 海市信息投資股份有限公司(本社:中華人民共和国上海市、董事長:劉亜東、以下「上海信投」) との間で、上海自由貿易試験区を拠点として中国におけるクロスボーダーeコマース事業への 参入に向けて提携することで基本合意し、早期参入を目指して4社との協議を進めるとのこと である。 (注)なお、楽天は2008年より日・英・中・韓など五言語に対応した越境ECサイトである「楽天グローバルマーケット」を日本から海 外客向けに展開しており、その売上の4分の1を中国が占める。 ■ⅱ) 環インド洋経済圏のハブを目指すスリランカ 15、16世紀の大航海時代以来、中国から東南アジア、中国、インドを経てアラビアをつなぐ海路 は「海のシルクロード」と呼ばれ多くの商船が行き来していた。現在も、世界のタンカーの約3分 の2、コンテナ船の約半分がこの航路を通過するといわれる海の大動脈である。このシーレーン の要衝に位置するスリランカは、長年にわたり続いた内戦が2009年に終結して以降、急速な経 済発展を続けている。 地図を見れば分かるようにスリランカは、インド洋の 中心「へそ」に位置しており、前大統領の時代から 環インド洋連合(IORA)の加盟国として同地域の経 済圏のビジネス・ハブを目指す方針を掲げている。 IORAは、インド洋域内の貿易の活性化や経済統合 を目的に1997年に設立された、言わばアジア・太平 洋経済協力会議(APEC)のインド洋版である。インド やスリランカ、南アフリカ、オーストラリア、タイなど 20カ国が加盟しており、日本や中国など6カ国が議 決権のないパートナー国となっている。域内人口は 2010年の22億人から2040年には30億人に増える と予想され、域内貿易量の拡大や新たな消費市場 として期待されている。 (注1)青色の部分がIORA加盟国 (注2)赤丸囲み部分がスリランカ、インドの南東に位置 スリランカでは、近年、上記のような方針のもと港湾を中心とした交通インフラの整備や港 湾使用料の引き下げによる国際競争力の強化が行われ、物流業界の注目を浴びている。また スリランカのコロンボ港から日本へのコンテナ輸送コストも、インドのムンバイやタイのバンコク から運んだ場合のコストより安いと言われている。こうした安いコストと比較的迅速な通関手 続も相まって、コロンボ港は世界港湾ランキングで南アジア1位となっている。 また同港はインドから30キロメートルしか離れておらず貨物取扱量の約75%はインドからの 積み替え貨物のため、すでに南アジア随一の貨物積み替え港として、特にインドとの貿易の玄 関・ハブとして機能しているともいえる。ちなみにスリランカは、インドおよびパキスタンとの間 で既にFTA(自由貿易協定)を締結済みであることにも注目されたい。日本の企業にあっては、 スリランカを活用したインド、中東、アフリカ、さらには欧州に至るサプライチェーン構築など検 討の余地があるものと考えられる。 最近では、ドイツポストDHLやフェデックスなどの世界的な物流大手も同国に進出し、日本の SGホールディングス(佐川急便)も現地の同業大手を買収して進出するなど物流業界におい ても動きが活発であり、インド洋地域において国際貿易の要になりつつあるスリランカに注目 が集まっている。 3 ⒸCaN International Group 今月の新興国コラム 『ベトナム(ハノイ)の若者』 ***アジアで暮らす人々の生活を知ろう*** 本コーナーでは、アジア各国で暮らす現地の人々の生活スタイルに迫ります。 さて今回は ・・・? <ベトナム暮らしの参考データ> [人口] 約9,000万人 [家賃] 月額約100万~500万ドン (※但し、賃貸の場合。) [1人当たりGDP] 約2,000ドル [物価] 米(1㎏)=1万3,000ドン [月収] 約300万ドン(都市部) 卵(10個)=3万1,000ドン [平均年齢] 約28歳 (注)1万ベトナムドン=約57円(2015年8月現在) 平均年齢が約28歳と、若いベトナム。一人当たり名目 GDPは2,000ドルを超え、特に若者や富裕層を中心に徐々に その生活スタイルの変化もみられてきている。 若者の間では、スマートフォンが人気 携帯電話は、1人1台は当たり前の時代。ベトナムでもス マートフォンが人気だが、iPhoneは800万ドン以上するなど、 大卒の給料1~2ヵ月分と、高価なため、中古品を利用する などして手に入れる若者が多い。FacebookなどのSNSの利 用も盛んで、ベトナム人は、家族や友達の写真を撮って見 せ合うのが大好きだそう。 ファッションは、ベトナミーズブランドが流行 近年は、若者の間でベトナミーズブランド(ベト ナム産のファッション)が人気。以前は中国産が主 流だったが、中国産よりも品質が良く、ベトナム人 の好みに合っており、都会のおしゃれっ子から注 目を受けている。ファッションへの月の出費は、衣 服中心(100万ドン未満が大半)で、化粧品はまだ 購入しない人が半数程度だ。ただ、女性は美白意 識が強いなど、美への憧れも感じさせられる。 (注)本ページは、JETRO発行の「ハノイスタイル(2013年12月)」を基にまとめています。 4 ⒸCaN International Group Ⅱ諸制度ハイライト ■ⅰ) インドネシア、国内でルピア決済義務化 インドネシア中央銀行は、2015年7月1日からインドネシア国内決済におけるルピア決済の使用 を原則として義務化した。ルピアの下落に歯止めをかけることが目的であり、ドルの需要を抑え ることで、ルピアの押し上げ効果を狙う。 外資企業は、本社から派遣された駐在員の給与はドルで支払うことが出来るが、現地法人で 採用した全ての従業員の給与をルピアで支払わなければならない。国内取引では決済もルピア 建てが原則とされる。以前は現金取引だけがルピア決済の対象だったが、電子決済や銀行振り 込みも対象となった。高級ホテル、航空券、旅行商品等ではドル建ての価格表示や決済も多かっ たが、今後の決済はルピア建てが義務付けられる。 インドネシア中央銀行は、今回のルピア建て決済の義務化の措置により、年間60億ドル近い取 引の決済をドル建てからルピア建てにかえ、ルピア需要を高めることができると試算している。 ■ⅱ) タイ投資奨励案件に使用できる機械 2015年1月から実施している新投資奨励政策における投資奨励案件に使用できる機械につい て、2015年4月23日に公表された更新内容を踏まえて、最新の状況について解説する。下記は 2015年4月2日より有効である。 原則 : 新品機械 (Clause 6.1.3., Announcement of the Board of Investment No.2/2557) 例外 : 輸入中古機械 (Clause 6.1.3., Announcement of the Board of Investment No.2/2557、 及びAnnouncement of the Board of Investment No.6/2558) ➢一般的なケース 使用開始から輸入ま での期間 投資額が法人税の免除 限度額に算入できるか※ 輸入関税が免除されるか 機械性能証明書の 提出が必要か 5年以下 Yes No Yes 5年超10年以下 No No Yes 使用開始から輸入ま での期間 投資額が法人税の免除 限度額に算入できるか※ 輸入関税が免除されるか 機械性能証明書の 提出が必要か 5年以下 Yes No Yes 5年超10年以下 Yes (但し、50%まで) No Yes 10年超 No No Yes ➢工場移転のケース ※) 投資奨励事業において一定の限度額まで法人税の免除を受けられる場合で、当該中古機械に対する投資額が法人税の免除限 度額に算入可能な場合にYes、不可能な場合にNoとしている。 ➢海運輸送・空運輸送事業及び金型事業で使用する機械 適切と認められれば10年超の機械でも投資奨励案件に使用できる。また、投資額は法人税の 免除限度に算入可、輸入関税の免税可。 5 ⒸCaN International Group Ⅲ CaN からのお知らせ ■ⅰ)CaN International Groupベトナム拠点社名変更、「CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd.」に 2015日6月15日、CaN International Groupのベトナム拠点である「ANN ADVISORS CO.,LTD.」 は、社名を「CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd.」に変更しました。CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd.は、今回の社名変更と併せて、以下のご挨拶をリリースしています。 「日本を含むグループ各拠点との更なる連携により、一層皆様のご期待に沿うよう社員一同 全力を挙げて社業に努める所存でございますので今後とも一層のご愛顧を賜りますよう、宜 しくお願い申し上げます。」 ■ⅱ)GMOペイメントゲートウェイ、GVA 、CaN Groupの3 社共催セミナー、好評のうち に終了しました 2015年7月2日(木)に東証一部上場企業であ るGMOペイメントゲートウェイ株式会社、GVA 法 律事務所との3社共催にて、「グローバルEC戦略 セミナー」を開催しました。 GMOペイメントゲートウェイは アジアのEC事情 と海外展開成功のポイントの解説を行い、GVA はグローバルEC法務戦略を、CaN International はアジアにおけるEC事業における税務実務の解 説をそれぞれ行いました。 ご参加頂いた方からは、実際に越境ECビジネ 当日の状況はGMOペイメントゲートウェイのセ スを始める際に欠かせない情報を得ることが出 ミナーレポートでも紹介されています。 来たとご好評頂きました。ご参加頂いた皆さま、 ありがとうございました。 https://www.gmo-pg.com/seminar_report/140702/ ■ⅲ)弊社のコンサルタント、太郎が2歳の誕生日を迎えました! 2015年8月2日に、弊社の看板コンサルタント犬、太郎が2歳の誕生日を迎えることができまし た。ちょっと寂しがり屋で甘えん坊なところもありますが、みなさまに支えられながら、男らしく、 頼もしく(?)成長中です!これからもどうぞ宜しくお願い致します。 [名前] 太郎 [誕生日] 2013年8月2日(満2歳) [特技] ふせ [好きな食べ物] ドッグフード [苦手なモノ] お風呂 [太郎から一言] みんなオフィスに遊びにきてワン! 6 ⒸCaN International Group CaN International Group Contact ◆Tokyo / Singapore(山岡) 03-6280-3660 [email protected] ◆China(星野) hoshino @caninternational.co ◆Hong Kong(湊) [email protected] ◆Thailand(小田) [email protected] ◆Vietnam(安藤) [email protected] Our Services 1.海外進出コンサルティング 4.地域統括拠点コンサルティング クロスボーダーに係るコンサルティング業務 2.クロスボーダーM&Aコンサルティング 5.海外コンプライアンス業務 3.国際税務コンサルティング 6.各種国内税務業務(CaN International 税理士法人) 大久保 昭平 CaN International Group代表 公認会計士。立命館大学卒業、早稲田大学大学院修士課程修了(ファイナンス)。2003年、新日本監査法人入所。監査業務、コンサル ティング業務経験の後、2010年、SCS Global(シンガポール)に参画し、2011年、SCS Global Financial Advisory Pte. Ltd.設立、代表取締役 就任。2012年、日本に帰国しCaN International Group設立、代表に就任。 清水 厚 CaN Accounting Advisory(株) 代表取締役 公認会計士。一橋大学商学部経営学科卒業。監査法人トーマツ、Deloitte & Touche LLP トロント事務所駐在を経て、 CaN Accounting Advisory(株)を設立、代表取締役に就任。2013年5月CaN Internationalに参画、パートナーに就任。 星野 海 CaN International China代表 公認会計士。東京大学文学部歴史文化学科卒業。三井物産、KPMG、シンガポールでの資産運用会社設立を経て、 2013年CaN Internationalに参画、中国を中心に星海財務コンサルティングを設立し、執行董事・総経理に就任。 安藤 崇 CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltd 代表取締役 南山大学法学部卒業。一般事業会社、NAC国際会計Groupなどを経て、日系企業のベトナム進出プロジェクトにて現地法人の設立及 び立ち上げ業務を経験。2014年、CaN Internationalに参画し、CaN International Advisory Vietnam Co.,Ltdの代表取締役。 湊 崇宏 CaN International Advisory (HK) Limited 代表取締役 公認会計士。東京都立大学経済学部卒業。あずさ監査法人、(株)コーポレート・アドバイザーズ、SCS globalを経て、 2015年CaN Internationalに参画し、CaN International Advisory (HK) Limited の代表取締役。 7 ⒸCaN International Group
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