腸炎ビブリオ感染患者血清中のthermostable direct hemolysinに対する

46
感 染 症学 雑 誌
第50巻
第2号
腸 炎 ビ ブ リオ 感 染 患 者 血 清 中 のthermostable
direct hemolysinに
対 す る抗 体 価
大阪大学微生物病研究所細菌血清学部
三 輪谷 俊夫
桜 井
純
竹田
美文
大阪市立桃山病院
杉
山
茂
彦
Key words: Anti-hemolysin
緒
立
利
幸
titer, Vibrio parahaemolyticus
リ ウ ム,5g;ブ
言
食 中毒 に つ い て の厚 生 省 の年 次 統 計 に よ る と,
そ の30%近
足
くが 原 因物 質 が 不 明 で あ り1)2),食 中
ドウ 糖,5g;蒸
ml;pH7.6-7.8)を
培 養 し,遠
上 清100ml当
る.わ が 国 の細 菌 性食 中 毒 に お け る腸 炎 ビ ブ リオ
遠 心 に よ つ て 沈 澱 を 集 め る.少
の 重 要 性3)4)に鑑 み,し
緩 衝 液(pH7.0)に
炎 ビ ブ リオ食 中
沈 澱 を 溶 解 し,透
こ され る事 実5)か ら,神
燐 酸 緩 衝 液 で 平 衡 化 したDEAE-セ
奈 川 現 象 の原 因物 質 で あ
対す る 患者
ム(2.2×50cm)に
ウ ム を 添 加 した0.01M燐
ブ リオ感 染 症 の血 清 学 的 診 断 法 と して適 用 で き る
よ く洗 う.そ
リ ウ ム 添 加0.01M燐
され た 抗 溶 血 毒 因 子 の測 定 法 に 改 良 を 加 え,50%
てlinear
溶 血 法 に よつ て,よ
毒 素 は,塩
り鋭 敏 な 抗溶 血 毒 因子 の定 量
的 測 定法 を 考 案 した.こ
の50%溶 血 法 を用 い,疑
似 赤 痢 の疑 い で 大 阪 市 立桃 山病 院 に 入院 した腸 炎
ビ ブ リオ患 者 の うち,ペ
ア ー血 清 が採 取 で きた51
ル ロー ス カ ラ
酸 緩 衝 液500mlず
gradient elutionを 行 な う.大
化 ナ ト リ ウ ム0.35-0.5Mの
溶 出 して く る.溶
化 ナ トリ
よ び1.0M塩
化ナ ト
つ を 用 い
部 分 の溶 血
と ころ に
血 毒 活 性 画 分 を 集 め て 濃 縮 し,
塩 化 ナ ト リ ウ ム を 終 末0.9%に
る.本
析 して硫
酸 緩 衝 液 約1,000mlで
の 後,0.2Mお
か ど うか を検 討 した.先 に 加藤 ら6)に よつ て 報 告
酸
の 粗 溶 血 毒 を0.01M
吸 着 さ せ,0…2M塩
血 清 中 の抗 体 価(抗 溶 血 毒 因 子)の 測 定 が,腸 炎 ビ
加 え,
量 の0.01M燐
酸 ア ン モ ニ ウ ム を 除 く.こ
direct hemolysinに
集 め る.
り硫 酸 ア ン モ ニ ウ ム35.19を
毒 の ほ とん どが 神 奈 川 現 象陽 性 株 に よつ て 引 き起
るthermostable
間振 盪
心 上 清(8,000rpm,30分)を
毒 事 件 にお け る原 因 物 質 追 求 の 困 難 さが うか が え
か も,腸
留 水,1,000
用 い,37℃,18時
な る よ うに調 製 す
溶 血 毒 素 の 高 純 度 精 製 法 を,わ
れわ れ はす
例(昭 和44年 一49年),及 び対 照 と して阪 大 微 生 物
で に 報 告 し て い る9)10)が,予
病 研 究 会 検 査 部 に提 出 さ れた 健 康 人201検
純 度 精 製 標 品 と部 分 的 精 製 標 品 を 用 い て 行 な つ た
月101検 体,2月100検
体(6
体)に つ い て,抗 溶 血 毒
因 子 の定 量 を行 なつ た 結 果 につ い て 報 告 す る.
材 料 お よ び方 法
1.Thermostable
direct hemolysin(以
た の で,本
下溶 血
研 究 では 部 分 的 精 製 標 品 を 溶 血 毒 原 液
2.希
釈液
す べ て0.9%塩
溶 血 毒 の 分離 と精製 は,す で に報 告 した方 法7)8)
炎 ビブ リオWP-1株(神
酸 第2ナ
衝 液(pH7.0)を
3.50%溶
奈 川 現 象 陽 性 株)を 溶 血 毒 産 生 培 地(塩 化 ナ トリ
ウム,309;Bacto-pepton,10g;燐
明 な差 異 を 認 め な か つ
と し て 用 い た.
毒 と略 称)の 部分 的 精製
に準 じて 行 な つ た.腸
抗 溶 血 毒 因 子 測 定 値 に,著
備 実 験 に お い て,高
ト
(i)50%溶
化 ナ ト リ ウ ム添 加0.01M燐
酸緩
用 い た.
血 法 に よる抗 溶 血 毒 因 子 の測 定 法
血 単 位 の測 定
溶 血 毒 原 液0.5mlの
倍 々 希 釈 系 列 を 作 る.各
47
昭 和51年2月20日
希 釈 系 列 に0.1mlず
%ヒ
ト0型
0.5mlず
つ 希 釈 液 を 加 え,さ
槽 中 で2時
間反応
水 槽 中 に て30分 間 放 置 す る.
清 の
お け る吸光 度 を コ ール マ ン ジ ュ ニ ァ ー
ml)0.5mlを
間 遠 心 後,上
7)再
型 光 電 比 色 計 に て 測 定 す る.
図1に
5)37℃
6)1.2%ヒ
さ せ た 後,3,000rpm血,10分
溶 血 毒 原 液 の 溶 血 活 性 を 測 定 した1例
示 す.図1の
場 合,50%溶
定 直 前 に調 整 した 溶 血 毒 を0.5mlず
つ 各 々の管 に加 え て よ く混 和 す る.
新 鮮 洗 源 血 球 液(1×108コ/ml)を
つ 添 加 す る.370C水
540nmに
整 す る.測
ら に1.2
を
血 を示 す値 は厳 密 に言
2-3回
トO型 新鮮 洗源 血球 液(1×108コ/
各 管 に加 え て混 和 す る.
び37℃ 水 槽 中 に て2時 間 放 置 す る.途 中
手 で よ く振 盪 す る.
8)3,000rpm,10分
間 遠 心 し,上 清 の540nm
に お け る吸 光 度 を コ ール マ ンジ ュニ ア型 光 電 比 色
Fig.
1.
of the
Determination
crude
of
hemolysin
the
used
hemolytic
in the
activity
計 を 用 い て測 定 す る.
study.
9)判
C2(溶
定:対 照 と してC1(血
球 浮 遊 液 の み),
血 毒2単 位 と血 球 液)を 測 定 ご とに必 ず
お き,C1お
よびC2の
遠 心 上 清 のA540の 和 の
1/2以下 のA540を 示 す も のを ,溶 血 阻 止(+)と
判 定 し,溶 血 阻 止(+)を
示 した血 清 の最 大 希 釈
倍 数 を もつ て 溶 血 阻 止 単 位 とす る.
実 験 成績
1.健
康 人対 照群 に お け る抗溶 血 毒 因子 の測 定
健 康 人 対 照 群 と して は,梅
えば128倍-256倍
に,昭 和47年2月
の希 釈 の中 間 で あ るが,128
と同年6月
毒血清検査 の た め
に提 出 され た 同一 会
倍 希 釈 を1溶 血 単 位 と決 め る.患 者 血 清 中 の抗 溶
社 勤 務 者 集 団 の 凍 結 保 存(-25℃)血
血 毒 因 子 測 定 には,反 応 液 中 に2溶 血 単 位 を 入 れ
測 定 した.
る.こ の た め,図1の
希 釈 液0.5ml中
場 合 に は溶 血 毒 原 液 の64倍
に2溶 血 単 位 の 溶 血 毒 が 含 ま れ
2月 に 提 出 され た もの100例
希 釈 陽 性 者3例,20倍
に つ い て は,10倍
希 釈 陽 性者1例
月 に 提 出 され た もの101例
て い る こ とにな り,ほ ぼ 完全 溶 血 を お こす.
清 について
で あ り,6
に つ い て は,10倍 希 釈
陽 性 者1例 の み で,他 は すべ て陰 性 で あつ た.こ
(ii)患 者 血 清 中 の抗 溶 血 毒 因 子 測定 法
健 康 人 対 照 群 に お い て は,実 験 結 果 の項 に示 す
の よ うに健 康 対 照 群 で は,い ず れ も20倍 希 釈 以 上
が
の 希 釈 で 陽 性 者 が い な か つ た た め,腸 炎 ビ ブ リオ
20倍 希 釈 で 陽 性 を 示 した に す ぎな か つ た.従 つ
感 染 患 者 に つ い て は,血 清 の 最 少希 釈倍 数 を20倍
て,腸 炎 ビブ リオ患 者 血 清 に つ い て は,最 少血 清
と して測 定 した.
ご と く,201例
中4例 が10倍 希 釈 で陽 性,1例
希 釈 倍 数 を10倍(終
末20倍)と
して測定 した.測
集 反 応 用 小 試 験 管 を 被 検 血 清 ご とに6本
目の管 には,非 働 化 した 被 検 血 清0.2
mlと 希 釈 液1.8mlを
2)2本
用 いて 被
倍 々希 釈 す る.
項 に記 した 要 領 に て力 価 を 測 定 した溶 血
毒 原 液 を,0.5ml中
され た 患 者 の うち,ペ
の うち,第5病
入 れ る.
目以 下 は,希 釈 液1.0mlを
検 血 清1.0mlを
4)前
疑 似 赤 痢 の疑 い で大 阪 市 立桃 山病 院 に 入院 し,
細 菌培 養 検 査 に よつ て腸 炎 ビ ブ リオ 感 染症 と診 断
並 べ る.
2)1本
炎 ビ ブ リオ患 者 血 清 中 の抗 溶 血 毒 因子 の
測定
定 方 法 の概 略 は次 の通 りで あ る.
1)凝
2.腸
に2溶 血 単 位 含 む よ うに 調
ア ー血 清 が 採取 で きた51例
日(入 院 後 の 日数)ま
清 中 の抗 溶 血 毒 因 子 は,1例
で の 採取 血
の例外を除いてすべ
て20倍 希 釈 で 陰 性 で あ つ た.抗 溶 血 清 因 子 の値 が
上 昇 を 示 さな か つ た 症 例,お
認 め た 症 例 を1例 ず つ,図2お
よび 明 らか に上 昇 を
よ び 図3に
示 し
48
感 染 症学 雑 誌 第50巻
Fig.
2.
Changes
patient
Symbols
1st
show
day; •¢,
day;•›,
sed
of
during
by
the
of
after
Values
titer
the
the
day; •›,
day.
reciprocal
anti-hemolysin
course
day
5th
22nd
the
the
a
Fig.
admission:•œ
10th
in
in
disease(1).
are
14th
of
during
the
1st
expres-
show
day; •¢,
day; •›,
values.
sed
た.
第6病
Changes
Symbols
day;•¢,
abscissa
3.
patient
25th
by
reciprocal
the
anti-hemolysin
course
the
day
6th
day; •›,
day.
of
after
Values
in
第2号
titer
the
in
a
disease(2).
the
admission:•œ,
11th
day; •£,
abscissa
are
17th
expres-
values.
れ なか っ た.
日以 後 まで 血 清 を 採取 で きた33例 の うち
17例 で は,明
らか に 抗溶 血 毒 因子 の 力価 上 昇 が 観
察 で きた.図4に
第2病
日か ら,す で に抗 溶 血 毒 因 子 の値 が80倍
希 釈 に ま で上 昇 して い た例 外 の1症 例(図6)で
は,他 の症 例 に先 が け て第27病 日 目です でに20倍
全 症 例 の 力価 の分 布 を,図5に
力価 の上 昇 を示 した 代 表 例11例 の力 価 の変 動 を 示
希 釈 以 下 に ま で下 降 してい る点 か ら,詳 細 な検 討
した.し か し,抗 溶 血 毒 因 子 の力 価 の上 昇 と,検
は な され て い な い が,入 院 以前 か ら腸 炎 ビ ブ リオ
出 され た 腸 炎 ビブ リオ の 抗 原 型 や症 状 の 強 弱(細
に よ る腸 管 感 染 が成 立 して い た の で は な い か と推
菌 性 赤 痢 の病 状 の 強 弱 判定 法 に準 じ,ス コア ー点
察 され る.
数 に よつ て判 定)と
Fig. 4.
の間 には,相 関 関 係 は認 め ら
Distribution
of anti-hemolysin
due to V. parahaemolyticus.
titers
患 者 血 清 中 の抗 溶 血 毒 因 子 が 抗 体 で あ るか ど う
in the sera
of patients
with
food
poisoning
49
昭 和51年2月20日
Fig. 5.
Changes
of anti-hemolysin
titers
in
the
serum
during food
poisoning
par ahaemolyticus. Eleven typical cases which showed increase of anti-hemolysin
shown. A total of 33 cases were examined
and 16 cases showed no increase
hemolysin titer.
Fig.
6.
Changes
patient
Symbols
2nd
show
day;
day; •›,
sed
of
during
by
the
6th
27th
reciprocal
the
the
day.
anti-hemolysin
course
day
of
after
the
day; •›,
11th
Values
in
titer
the
in
a
due to V.
titer are
of anti-
現 象 陽 性 株 に よつ て惹 起 され る5)11).神 奈 川 現 象
起 因物 質 と して耐 熱 性 溶 血 毒 が 報 告 され12),本 物
disease(3).
admission:•œ,
day; •£,
abscissa
are
18th
expres-
values.
質 が神 奈 川 現 象 陽 性 株 に は存 在 す るが,神 奈 川 現
象 陰 性 株 に は存 在 しな い こ とが 明 らか にな り13),
本 物質 が腸 炎 ビ ブ リオ に よ る胃腸 炎 と密 接 な関 連
が あ る と推論 され て い る.
腸 炎 ビ ブ リオ患 者 血 清 中 に本 溶 血 毒 に対 す る抗
体 が存 在 す るか ど うか に つ い て は,す
でに 加藤
ら6)が報 告 して い るが,本 論 文 で は,さ らに鋭 敏 な
方 法 に よ り腸 炎 ビ ブ リオ患 者 血 清 中 の抗 体 価 の推
移 を調 べ る と共 に,健 康 人 対 照 群 の抗 体 価 を201
例 につ い て調 べ た.そ
の結 果,健 康 人 対 照 群 の血
清 中抗 体 価 は極 め て低 い こ とがわ か っ た.腸 炎 ビ
か は,量 的 な 制 約 の た め,す べ て の陽 性 血 清 につ
い て 調 べ る こ とが で きな か つ た が,160倍
性 患 者 血 清 の うち2検 体,お
希釈陽
よび ウサ ギ免 疫 血 清
を 用 い て,硫 酸 ア ンモ ニ ウ ムに よ る血 清 の分 画 を
ブ リオ患 者 に お い て も,必 ず し も血 清 中 抗 体 価 が
上 昇 す る とは限 らず,ま
た抗 体 価 が上 昇 して い る
場 合 に も,病 日の経 過 と共 に低 下 す る傾 向が うか
が え た.
溶 血 毒 は分 子 量 約4万
の単 純 蛋 白質 で あ る こ と
試 み た結 果,溶 血毒 阻 止 活 性 は,い ず れ も γ一グ
ロ ブ リン 分 画 に 一 致 して 存 在 す る こ とがわ か つ
が わ か っ て い る14)15).腸管 内 で産 生 され た溶 血 毒
た.
が,腸 管 粘 膜 上 皮 に作 用 して,粘 血 便 と共 に速 や か
考
察
腸 炎 ビブ リオ 感染 症 は,そ のほ とん どが 神 奈 川
に排 泄 され る こ と,そ の た め体 内 へ の移 行 が 低 い
こ とに よ る こ とが,抗 溶 血 毒 因 子 の上 昇例 が半 数
50
感 染 症学 雑 誌
に しか 達 し な い こ と の 一 つ の 理 由 で あ る と推 論 で
き る.し
か し こ の 事 実 は,生
体 の 防 禦 反 応 の 一つ
と し て 宿 主 側 に は 好 都 合 で あ る と考 え ら れ よ う.
最 近,わ
れ わ れ は,本
溶 血 毒 が マ ウ ス,ラ
な ど に 対 し て 強 力 な 致 死 活 性 を 有 し,微
ス1匹
当 り1∼1.5μg)の
ッ ト
量(マ
ウ
静 脈 内 注 射 に よ りマ ウ
ス を 短 時 間(1∼
数 分 以 内)で
弊 死 せ しめ る こ と
を 見 出 した15).さ
らにそ の致 死 活 性 が 特 異 的 な 心
臓 毒 性 に よ る も の で あ る こ と も 明 ら か に した 鋤.
腸 炎 ビ ブ リオ 患 者 が,し
れ る よ う な 感)じ"を
ば しぼ)"谷 底 に 吸 い 込 ま
訴 え る 事 実 は,溶
血毒が心臓
毒 性 を有 して い る こ とに よつ て説 明で き る と考 え
られ る.腸
炎 ビ ブ リオ 感 染 症 の 致 死 率 が 比 較 的 低
い の は,溶
血 毒 が 速 や か に体 外 へ 排 出 され る こ と
も 一 因 で あ る と い え よ う.
文
献
1) 厚 生 省 環 境 衛生 局 食 品 衛 生 課:
毒 発 生 状 況.
食 品衛 生 研 究,
昭 和47年 食 中
23:
昭48(1973).
2) 厚 生 省 環 境 衛 生 局 食 品 衛 生 課:
毒 発 生 状 況,
昭49(1974).
食 品衛 生 研 究,
906-919,
昭 和48年 食 中
24:
708-721,
3) Okabe, S.: Statistical review of food poisoning in Japan-especially
that by Vibrio
parahaemolyticus. T. Fujino, G. Sakaguchi, R.
Sakazaki and Y. Takeda(ed.),
International
Symposium on Vibrio parahaemolyticus, Saikon
Publishing Co., Tokyo, 1974, p.5-8.
4)
竹 田 美 文,
三 輪 谷 俊 夫:
世 界各 国 に お け る腸
炎 ビ ブ リ オ 食 中 毒 発 生 の 現 況,
91:
594-598,
医 学 の あ ゆ み,
昭49(1974).
5) Sakazaki, R., Tamura, K., Kato, T., Obara,
Y., Yamai, S. & Hobo, K.: Studies on the
enteropathogenic, facultatively halophilic
bacteria, Vibrio parahaemolyticus. III. Enteropathogenicity. Jap. J. Med. Sci. Biol., 21:
325-331, 1968.
6)
加 藤 貞 治,
研 究 会 編,
小 原
寧:
溶 血 毒 抗 体,
感 染 モ デ ル の 組 み 方,
腸管感染
近 代 出 版, 昭
48(1973), p.257-266.
7) Fujino, T., Miwatani, T., Takeda, Y. &
Tomaru, T.: A thermolabile direct hemolysin of Vibrio parahaemolyticus. Biken J., 12:
145-148, 1969.
8) Miwatani, T., Sakurai, J., Yoshihara, A. &
第50巻
第2号
Takeda, Y.: Isolation and partial purification
of thermolablie direct hemolysin of Vibrio
parahaemolyticus. Biken J., 15: 61-66,
1972.
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Purification and characterization of thermostable direct hemolysin of Vibrioparahaemolyticus.
Infect. Immunity., 8: 775-780,
1973.
10) Miwatani, T., Takeda, Y., Sakurai, J., Honda,
T. & Takeda, T.: Biochemical and biological
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produced by Vibrioparahaemolyticus.Proc. 10th
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1974, p.238-247.
11) Miyamoto, T., Kato, T., Obara, Y., Akiyama,
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hemolytic characteristic of Vibrioparahaemolyticus: its close correlation with human pathogenicity. J. Bacteriol., 100: 1147-1149,
1969.
12) Nikkawa, T., Obara, Y., Yamai, S. & Miyamoto, Y.: Pufification of a hemolysin from
Vibrio parahaemolyticus. Jap. J. Med. Sci.
Biol., 25: 197-200, 1972.
13) Sakurai, J., Matsuzaki, A., Takeda, Y. &
Miwatani, T.: Existence of two distinct
hemolysins in Vibrio parahaemolyticus. Infect.
Immunity, 9: 777-780, 1974.
14) Zen-Yoji, H., Kudoh, Y., Igarashi, H., Ohta,
K. & Fukai, K.: Purification and identification on enteropathogenic toxins"a"
and
"a" produced by Vibrio parahaemolyticus and
their biological and pathological activities.
T. Fujino, G. Sakaguchi, R. Sakazaki and
Y. Takeda(ed.),
International
Symposium
on Vibrio parahaemolyticus, Saikon Publishing
Co., Tokyo, 1974, p.237-244.
15) Honda, T., Taga, S., Takeda, T., Hasibuan,
M. A., Takeda, Y. & Miwatani, T.: Identification of lethal toxin with thermostable
direct hemolysin produced by Vibrio parehaemolyticus and some physicochemical properties of the purified toxin. Infect. Immunity, 13: in the press 1976.
16) Honda, T., Goshima, K., Takeda, Y., Sugino,
Y. & Miwatani, T.: Demonstration of the
cardiotoxicity of thermostable direct hemolysin(lethal
toxin) produced by Vibrio parahemolyticus.Infect. Immunity, 13: in the press.
1976.
51
昭 和51年2月20日
Antibody titers against the thermostable direct hemolysin in sera of patients suffering
from gastroenteritis due to Vibrioparahaemolyticus
Toshio MIWATANI, Jun SAKURAI and Yoshifumi TAKEDA
Department of Bacteriologyand Serology,Research Institute for Microbial Diseases,Osaka University
Shigehiko SUGIYAMA and Toshiyuki ADACHI
Osaka Munincipal Momoyama Hospital
Antibody titers against the thermostable direct hemolysin produced by Kanagawa-phenomenon
postitive strains of Vibrioparahaemolyticus(anti-hemolysin titers) in sera of patients suffering from gastroenteritis due to V. parahaemolyticuswere determined. A sensitive method to determine anti-hemolysin
titer in serum was developed and this method was applied to 201 control samples and to sera of 51 patients
admitted to Osaka Munincipal Momoyama Hospital.
It was found that the anti-hemolysin titers in
sera of patients increased about 5-10 days after the admission.
lysin titer was observed in 11 cases out of 33 cases examined.
Apparent
increase of anti-hemo-
No relation between the increase of anti-
hemolysin titer and the severity of gastroenteritis was observed.