包括的共同作業計画 JOINT COMPREHENSIVE PLAN

包括的共同作業計画
JOINT COMPREHENSIVE PLAN OF ACTION (JCPOA)
第29回原子力委員会
資料第1号
概要
 7月14日、EU3+3(英仏独米中露)とイランが、イランの核問題に関する最終合
意文書としての「包括的共同作業計画( JCPOA)」を公表。
 JCPOAは、イランの原子力活動に制約をかけつつ、それが平和的であることを確
保し、また、これまでに課された制裁を解除していく手順を詳細に明記したもの。
国際不拡散体制の強化、中東地域の安定に資するもの。着実な履行が重要。
 イスラエルなど一部はこの合意に対して批判的・慎重な態度。また共和党主導の
米議会の一部も批判的。
イラン側の措置
EU3+3側の措置
原子力活動への制約
制裁解除
●濃縮ウランの貯蔵量・遠心分離機の
数の削減
●安保理決議に基づく制裁解除
●兵器級プルトニウム製造の禁止
●研究開発への制約
●査察の受け入れ・透明性強化
●米EU等による核関連の独自制裁
約10年間,核兵器1つを作るのに必
の適用停止・解除
要な核物質を獲得するのに要する時
間を1年以上に。
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今後の段取り
2015年
7月14日
●合意妥結の日(Finalization Day) 2015年7月14日
【JCPOAに関する交渉が終了した日】

JCPOAを承認する新しい安保理決議を速やかに提出。(2015年7月20日採択)
注:米国では,議会がJCPOAを60日間レビュー(7/20-9/17)。議会が不承認する場合、12日間延
長。そして大統領が拒否権を発動すると、さらに10日間延長。最大82日間の審査(10/9)。
●合意採択の日(Adoption Day)
【新安保理決議採択後90日(2015年10月18日)、又はJCPOA参加者間が同意した日の早い方】
2015年10月
2016年前半?



JCPOA参加者は、JCPOA履行のために必要な準備を開始。
イランは、「合意履行の日」に追加議定書の暫定適用を行うことをIAEAに通告。
米国とEUは、核関連の独自制裁を停止/終了するための準備を開始。
●合意履行の日(Implementation Day)
【IAEAがイランによる主要な措置の履行を検認した日】
 IAEAの検認と同時に、米国は核関連制裁を停止し、EUは一部制裁を終了。
 新安保理決議に基づき、過去の安保理決議によって課された条項が終了。
●移行の日(Transition Day)
2023年10月
2025年10月
【「合意採択の日」から8年後(2023年10月18日)、又はIAEAが「イランの全ての核
物質が平和的活動に使われている」ことを結論(拡大結論)付けた日の早い方】
 米国は核関連の独自制裁を終了し、EUは一部の制裁を終了。
 イランはIAEA追加議定書の批准を追求。
2015年12月15日までに,
IAEA 事 務 局 長 は 過 去 の
核兵器開発の可能性に
関する最終報告書をIAEA
理事会に提出する。
武器禁輸は合意採択の
日から5年間、ミサイル開
発関連取引は8年間、安
保理による許可制となる。
●安保理決議終了の日(UNSCR Termination Day)
 JCPOAを承認する新しい安保理決議の期限(「合意採択の日」から10年)(2025年10月18日)
 この日以降、安保理は今回のイランの核問題を取り上げない。
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【参考】原子力分野における主な制約
【履行の日】
5年
稼働遠心分離機を5,060機に限定
ウ
ラ
ン
濃
縮
関
連
再ア
処ラ
理ク
重
水
炉
・
査
察
・
透
明
性
10年
15年
20年
25年
(合意前は19,000機を設置)
ウラン濃縮の上限は3.67%,貯蔵濃縮ウランは300kgに限定
(合意前は10トンを貯蔵)
ウラン濃縮関連研究・開発活動はナタンズにおいてのみ実施
(濃縮ウランを蓄積せず,遠心分離機の種類/態様/総数に制限)
フォルド(地下施設)ではR/Dを含めウラン濃縮を行わず,核物理
等用研究施設に転換
アラク重水炉は,兵器級プルトニウムを製造しないよう再設計・改修し,使用済核燃料は国外へ搬出
新たな重水炉は建設しない
R/Dを含め再処理は行わず,再処理施設も建設しない
監視活動の効率性向上のため,イランはIAEAが先進技術を用
いることを許可する(15年以上)
IAEAはウラン鉱山へのアクセスやウラン精鉱への監視を行う
IAEAは、未申告の物質・活動等を検証するため、イランにアクセスを要求可。アクセスが実現しない場合、合同委員会(JCPOA
により紛争解決メカニズムとして設立が決定)が多数決で勧告を決定。
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