「教育」を(PDF)

展望
JAの進むべき道
今こそ原点を見つめる「教育」を
一般的な企業で、
「教育」そのも
合員(正組合員も准組合員も)の皆
のがその企業の「事業」になってい
さんには、JAは自らの参加と運営
ることはほとんどないが、われわれ
によって成立している組織であると
農業協同組合中央会は、農協法の
確信し、積極的に参画していただく
「組合に関する教育及び情報の提供」
ために、JAグループの役職員は「化
によって、明確に「事業」として位
学変化」を起こさなければならない。
置づけられている。
「人」を変えることは難しいけれど、
しかしながら、
「協同組合は組合
員が自ら参加し自主的に運営してい
加賀尚彦
(JA全中常務理事)
「自分」を変えるのは自分にしかで
きないだろう。
くことを原則としている」ことについて、わ
また、
「過去」を変えることはできないけれ
れわれはずいぶん長い間、内外に発信するこ
ど、
「未来」は私たちの手にかかっているので
とを怠ってきたのではないだろうか。まさに、
はないだろうか。
事業の根幹のひとつでありながら、時代の変
「人」を動かすためには、まず「人の心」を
化に対応しきれず「教育」も「情報」も置き
動かさなくてはいけない。私たち役職員の「化
去りにしてしまったように感じる。
学変化」に人の心を動かす情熱があれば、そ
私たちJAグループは、自ら「自己改革」
れは不可能も可能となるような大きな力となっ
に取り組んでいかなければならないが、それ
てくるのではないだろうか。
はJAだけのことではなく、連合会も中央会
今、われわれが喫緊で求められているのは、
も同様である。そして何より大事なのは、組
「化学変化」を起こし、不可能を可能にする
織を改革するためにはまず「自分自身」をど
まで継続し続ける実行力と、それを内外に発
う変えていくかではないだろうか。
信することのできる情報提供能力を身に付け
「変化」や「変革」は、
「器」や「名称」を
ることである。
いじっただけでは起こらない。
「自分自身」
イチロー曰く「逆風は嫌いではなく、あり
の「化学変化」がなければ、それは「形」だ
がたい。どんなことも、逆風がなければ次の
けの変革となってしまうのではないだろうか。
ステップには行けないのだから」
国民の皆さんに、地域の皆さんに、JAは
私たちも、これを契機に、私たち自身が協
身近なものであってその地域になくてはなら
同組合の理念を再確認する取り組みから始め
ないと声を出していただくために、そして組
るべきではないだろうか。
2015/07
月刊 JA
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