物理学とイデア 古典物理学 電磁気学 量子力学 1.古典物理学 回転

物理学とイデア
古典物理学
電磁気学
量子力学
1.古典物理学
回転という視点から古典物理学を捉え直す。
膨張と収縮
「円」というイデアと対峙すると、2つの意識の方向性が生まれる。一つは円が収縮する方
向性。その場合、円は物体(モノ)として認識される。もう一つは、円が膨張する方向性で
ある。その場合、円は空間として認識される。この2つの方向性は裏と表の関係である。
物理量と次元
一つの物理量に対して一つの「次元」が対応する。
名称 略称(記号)[単位]
時空: 時間 t[s]、位置(変位)x[m]
電磁場: 電場 E[V/m=N/C]、磁場 B[T]
物体: 質量 m[kg]、エネルギーE[J]、運動量 p[kg・m/s]、角運動量 L[kg・m2/s]
正四面体との対応
物体の運動
電磁場
等速円運動と単振動
複素数平面上の半径 r[m]の円周上を等速円運動する物体を考える。
角速度をω[t], 時刻を t[s]とすると、位置 x(t)[m]、速度 v(t)[m/s]、加速度 a(t)[m2/s]はそれ
ぞれ
𝑥(𝑡) = 𝑟𝑒 𝑖𝜔𝑡
𝑣(𝑡) = 𝑖𝜔𝑟𝑒 𝑖𝜔𝑡
𝑎(𝑡) = −𝑟𝜔2 𝑟𝑒 𝑖𝜔𝑡
と表される。x(t)は円が膨張する意識、v(t)は円周を象る(「認識する」
)意識、a(t)は円が収
縮する意識を表す。この運動を実軸上に投影したものが単振動である。
双対円モデル
円の中心点と円周を円心と呼ぶ。円心の関係が反転した2つの円を互いに「双対」であると
呼ぶことにする。例えば、円 A(中心点 a、円周 b)と円 B(中心点 d、円周 c)という二つ
の円が双対であるとき、a は c に含まれ、d は b に含まれている。
A と B が直交している場合が、電磁場であり、A と B がそれぞれ電場と磁場を表す。力学
の場合、直交している必要はないので平面において考える。
力
円 A をモノ(収縮)m に対応させると、B は反転しているので、空間(膨張)r となる。
ここで、空間を 2 回時間で微分して収縮に変えると、両方の円が収縮となるため、2つの円
は分離しているという意識が発生する。その両者を再び統合する意識が、
「力」である。
𝑣2
二つの円がモノと空間の場合、この力は等速円運動における遠心力(向心力)F = m とな
𝑟
る。一方、両方の円が空間の場合が、電磁気力F = k
𝑞1 𝑞2
𝑟2
または万有引力F = G
𝑚1 𝑚2
𝑟2
となる。
ミクロとマクロ
水素原子の電子の運動を、中心を原子核(陽子)とする古典的な円運動と仮定する。向心力
𝑣2
𝑞1 𝑞2
𝑟
𝑟2
F = m と陽子と電子の間の電磁気力F = k
=k
𝑒2
𝑟2
=
∝
𝑟2
(𝑞1 = 𝑞2 = 𝑒, 𝑘𝑒 2 =∝(微細構造定
数)とする)、およびボーアの量子条件𝑚𝑟𝑣 = ℏ(=1 の単位系を用いる)から v を消去する
と、v =∝, r =
1
が得られる。この r をボーア半径といい、水素原子の半径をあらわす。
𝑚∝
2𝜋 2
一方、太陽を中心とする惑星の運動を円軌道と仮定する。向心力𝐹 = 𝑚𝑟𝜔2 = 𝑚𝑟 ( ) と
𝑇
万有引力𝐹 = 𝐺
𝑀𝑚
𝑟3
𝑟2
𝑇2
からケプラーの第三法則
=
𝐺𝑀
4𝜋2
(=一定)が得られる。ただし、m は惑
星の質量、T は惑星の公転周期、G は万有引力定数、M は太陽の質量である。
質量、運動量、エネルギー
半径mの円環を観察する観察者 A と、円環上の一点 B から円の中心方向を観察する観察者
B の存在を仮定する。円の半径をm、B から円に引いた接線の方向を運動量p、円の中心か
ら A の方向(A の観察方向と逆向き)をエネルギーE とする。
B にとって、円環は切り開かれて直線となり、直交座標を形成する(三次元直交座標)。こ
のとき、縦軸がエネルギー(時間)起源、横軸が運動量(位置)起源となる。この違いは、
地上における等加速度(落下)運動と、等速運動の違いとなってあらわれる。
円の回転角をvとすると、vが小さいとき、p~mvとなる。v はBの奥行きの幅への変換
の割合をあらわす。
A が観察する平面を複素数平面とみて、円𝑚𝑒 𝑖𝑣 をテイラー展開すると、𝑚𝑒 𝑖𝑣 ~m + imv −
1
2
𝑚𝑣 2となり、第二項が運動量、第三項が運動エネルギーをあらわしている。
90 度回転は光速度cであらわされる。観察者 A が観察する回転と B が観察する回転(90
度回転のみ)が同一化したのが、E=mc2である。
cは複素数平面の虚数単位 i に相当する。E とmは方向性が反転していることをあらわす。
2x2モデル
正四面体の4つの頂点にエネルギーE、運動量 p、空間的位置 x、時間 t を対応させる。辺
Ep および xt が物体の速度vに対応する。辺 Ex と pt に虚数単位 i を対応させると、運動
方程式-∇U=dp/dt が得られる。
(全エネルギーEは運動エネルギーTと位置エネルギーU
の和とする。E=T+U。
)
波動関数はこの2x2を等化する意識のあらわれである。U(1)群の元 e^iθの位相θと
して、(Et-pt)ℏをとる。
電磁場
正四面体の四つの頂点をそれぞれ電場E、磁場B、位置x、時間tとする。EBとxtを光
速度cとする。EBを外面、xtを内面と呼ぶ。外面から内面への観察(微分で表される)
がマクスウェル方程式として表される。
E から x, B から t への観察 → ファラデーの電磁誘導の法則
∇×E=−
𝜕𝐵
𝜕𝑡
B から t、E から t への観察→ アンペール・マクスウェルの法則
∇ × B = 𝜇0 𝑗 +
1 𝜕𝐸
𝑐 2 𝜕𝑡
電流項𝜇0 𝑗は2x2の対称性の破れをあらわす。(3+1への移行)