第 4 2 5 号 平成 27 年 8 月 1 日 コーケン通信 目 1 【ニュースファイル 次 8月】 アオブダイで食中毒死 2 パリトキシン 【今月の特集】 子どもたちの運動疾患・障害について 3 【ピックアップ情報】 緩和ケア、患者に正しい知識を 4 【お知らせ】 夏期休業について 株式会社 コ ー ケ ン 〒105-0011 東京都港区芝公園 2 - 9 - 5 向陽ビル TEL. 0 3 - 3 4 3 4 - 7 6 8 1 URL http://www.ja-koken.co.jp/ コ ー ケ ン 通 信 【ニュースファイル 8月】 アオブダイで食中毒死 パリトキシン 宮崎県は、県内の70代女性がアオブダイの煮付けを食べ、肝臓に含まれる 有毒物質パリトキシンによる食中毒で死亡したと発表しました。 それによると、女性は夕食にアオブダイを煮付けにして1人で食べたところ、 午後9時ごろに体調が悪くなり病院に入院し、翌日の午後、亡くなったとのこ とです。 血液検査などで、パリトキシン中毒の症状である腎不全などを起こしていた ことが分かりました。アオブダイは生息海域により、体内にパリトキシンを含 む場合があります。パリトキシンは、アオブダイやハコフグなどの肝臓や筋肉 に含まれる物質で、激しい筋肉痛や呼吸困難といった症状が現れます。 【パリトキシン】 中毒症状 : 発症までの時間は、3~36時間。主症状は横紋筋融解症による筋肉痛、CPK、 GOT、GPT の上昇、尿の変色(茶褐色)、麻痺・痙攣など。重症の場合、呼吸困難、不整脈、 ショックや腎障害。人間の冠状動脈に対して極度の収縮作用があり、それが人に対する 致死原因になると考えられている 毒性 : フグ毒として有名なテトロドトキシンよりも強い。ハワイの先住民族では、矢毒 として用いられていた。 パリトキシンは加熱や塩蔵によっては分解されない。 【アオブダイ】 体色は青緑色で、歯は青く、鳥のくちばし状、頭部は大きく、大型魚ではコブがある。 老成魚では、体調80㎝、体重12kg程度。 東京から沖縄の岩礁やサンゴ礁に生息。 (1) (2) コ ー ケ ン 通 信 【今月の特集】 子どもたちの運動器疾患・障害について 成長期に起こりやすいスポーツのけがと言えば、野球ひじが知られており、 今、野球少年の故障の種を早期発見しようとする動きが全国的に広まっていま す。背景には、初期に痛みなどの自覚がない“時限爆弾”のような症例が認知 されてきたことがあるようです。そこで今回は、子どもに多い運動器に関係し たけがや故障などの運動器疾患・障害についてまとめました。 野球ひじの投球動作は、ひじに屈伸以外の引っ張る力などが加わりやすく、 それを繰り返す中で、まだ軟らかい子どもの骨に負担がかかって起こります。 傷める部位は、内側、外側、後方の3カ所であり、ひじ障害の部位別による発 症率は、内側で75%、外側23%、後方2%となり、軟骨や筋肉に炎症が起 こる内側障害が圧倒的に多い結果でした。ただ、内側障害は痛みが出ても治り やすいとされています。 深刻なのは、外側に起こる「離断性骨軟骨炎」の方で、発見されるのは受診 者の2~4%程度です。痛みを覚えた時には病状が進み、軟骨のかけらがはが れてしまい、関節の骨同士が壊れた歯車のようにかみ合わなくなり、ひじの屈 伸ができなくなることもあります。日常生活に支障が出る後遺症が残りかねな いのが現状です。 小学6年の男子は、昨夏、地元での検診で外側障害が初期段階で見つかりま した。小学2年から投手として1週間に2試合、7回を完投するペースで投げ てきたといいます。男子は、「ひじがおかしい、というのはなかった」と振り 返りますが、チームのコーチを務める父親は「痛みがなく現実感はないが、思 い返せば投げすぎていた。どの子もなる可能性がある」と怖さを語っています。 診察で「投げないでひじを安静にしていれば治る」と言われ、検診以降はバッ ティング練習と一塁手に専念させているようです。 男子を治療する昭和大藤が丘病院の医師らは、一昨年から横浜市で野球少年 のひじ検診をしています。早期発見とともに、投げ方の指導が必要と話してお り、「リハビリをしながら、理想的な体の回転ができる投げ方を指導する必要 性もある。手投げなど投げ方が未熟なままだと治っても再発する」としていま す。 野球のけがについては、大規模な調査も実施されました。全日本野球協会や 日本整形外科学会などが全国の小学生を対象にしたアンケート(539チーム 1万228人の選手)の結果によると、肩・ひじの痛みを訴えた選手は投手と捕 コ ー ケ ン 通 信 手の両方を経験した選手が56.4%と一番高いことが分かりました。調査にあ たった群馬大医学部は「投手と捕手の兼任はできるだけ避けてほしい」と話し ています。 また、投げ過ぎを避けるために、日本臨床スポーツ医学会では、全力投球数 に関して小学生では1日50球以内、試合を含めて週200球を超えないこと を提言しています。しかし、今年度の調査では50球以上を投げている投手が、 まだ34.6%もいたとのことです。 硬式野球5団体は、平成27年度から「1日7イニングとする。連続する2 日間で10イニングス以内とする。また、1日に複数試合に登板した投手およ び連続する2日間で合計5イニングスを超えた投手は、翌日は投手または捕手 として試合に出場することはできない。」とする中学野球の投球制限を設けま した。各団体から投球回数制限の具体的な推進計画が報告され、障害予防への 取り組みが理解されている現状が確認できました。 運動器の10年・日本協会が監修した「親子のための運動器相談サイト」が あります。これは、保護者の人がこのサイトで子どもの運動器に問題がないか チェックし、運動器疾患・障害の早期発見に役立ててもらえればと立ち上げた ものです。 骨・関節・筋肉・靭帯・腱・神経など、体を支えたり、動かしたりする器官 の総称である運動器の解説や、年齢、性別、運動部やスポーツクラブに入って いるか、見た目での肩や背骨の高さなど、保護者がセルフチェックを入れるこ とで、結果が表示されたり、子どもに多い運動器疾患が解説できるサイトです。 パソコンや携帯・スマートフォンから入ることができます。 是非一度、ご覧下さい。 ○親子のための運動器相談サイト http://www.bjd-jp.org/oyako/index.php ○運動器の10年 ホームページ http://www.bjd-jp.org/ (3) (4) コ ー ケ ン 通 信 【ピックアップ情報】 緩和ケア、患者に正しい知識を 日本人の死因の第一位は「がん」です。社会生活を維持するためには、がん と診断されたときから「緩和ケア」が重要となります。 がん医療における緩和ケアで痛みをコントロールするのに有効な「医療用麻 薬」について、内閣府が実施した「がん対策に関する世論調査」(20歳以上の 男女1799人)によると、がんのために痛みが生じ、医師から使用を提案され た場合、72.3%が「使いたい」と考えていました。 「使いたい」が7割にのぼる理由として、医療用麻薬に対する正しい認識を 持つ人が増えていることが推測できますが、どのような印象を持っているか(複 数回答)を尋ねた結果では、「正しく使用すればがんの痛みに効果的だと思う」 が55.7%、 「正しく使用すれば安全だと思う」が52.8%と、半数以上が正 確に理解していることが分かりました。 ただし、医療用麻薬に対しては、誤ったイメージを持つ人がいるのも確かで、 32.6%が「最後の手段だと思う」、 「いったん使用し始めたらやめられなくな る」、12.9%が「寿命を縮める」、10.0%が「精神がおかしくなる」と答 えています。中には、「麻薬という言葉が含まれていて怖い」(11.6%)と敬 遠する人もいるようです。 外来や在宅での療養が可能となり、今後も医療用麻薬を使用する患者は増え ると思いますので、まずは正しい認識を持っているかを確認してみることが必 要かもしれません。 【お知らせ】 夏期休業について 弊社が実施しておりました夏期(お盆)の休業は、数年前より廃止しておりま す。本年も通常通り(暦どおり)の営業を行いますので、お知らせ致します。 今後とも宜しくお願い申し上げます。
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