鳥獣被害防止電気さく 一斉調査について 北杜市産業観光部農政課 平成28年8月 平成27年7月に発生した電気柵による感電死亡事故について 電気事業法に基づく電気設備について、技術基準を定める省令では、「電気さく(屋外において裸電線を固 定したさくであって、その裸電線に充電して使用するものをいう。)は、施設してはならない。ただし、田畑、 牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設する場合であって、 絶縁性がないことを考慮し、感電又は火災の恐れがないよう施設するときには、この限りでない」と規定され ています。 判りづらい表現ですが、要約しますと「田畑等で電気さくを設置する場合は、感電防止のため適切な処置を しなければならない。」とされています。 今回の感電死亡事故については、適切な処置が講じられていなかった可能性があります。 適切な処置とは? 1.電気さくを設置した場所には人が見やすいよう適当な間隔を開け「危険表示」すること。 2.電気さくは、次のいずれかの電気柵用電源装置から電気の供給を受けること。(感電により人に危険を 及ぼすことがない出力電力が制限される、電気柵用電源から電気の供給を受けること。) ①電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置 ②蓄電池、太陽電池その他これらに類する直流の電源 3.電気柵用電源装置(直流電源装置を介して電気の供給を受ける場合は、直流電源装置)が使用電圧30V 以上の電源から電気の供給を受ける場合、人が容易に立ち入れる場所の場合は、電気柵の電路に次に適合 する漏電遮断機を設置すること。 ①電流動作型であること。 ②定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下であること。 4.電気柵に電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を設置すること。 北杜市内の電気さくの設置状況 北杜市では、電気さく感電死亡事故をうけ、電気事業法に基づく技術基準で遵守すべき事項につき市内の 電気さくの設置状況を調査しました。その結果につきましては、下記のとおりです。 ① 電気さくを施設する場合は、周囲の人が容易に視認できる位置や間隔、見やすい文字で危険表示を行う こと。 ・調査箇所 221箇所 不適合箇所 23箇所 ② 電気さくの電気を30V以上の電源(コンセント用の100V等)を供給する時は、電気用品安全法の適用 を受ける電源装置を使用すること。 ・調査箇所 76箇所 不適合箇所 0箇所 ③ 電気さくを公道沿いなどの人が容易に立ち入る場所に施設する場合で、30V以上の電源から電気を供給 するときは、危険防止のために、15mA以上の漏電が起こったときに、0.1秒以内に電気を遮断する漏電 遮断器を設置すること。 ・調査箇所 76箇所 不適合箇所 0箇所 ④ 電気を供給する電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器(スイッチ)を設置すること。 ・調査箇所 76箇所 不適合箇所 0箇所 危険表示について、不適合箇所がありました。経年劣化により破損したままになっていた事例が見受けら れましたので、改善指導を行いました。 電気さくそのものの不適合箇所はありませんでした。
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