維新の党・無所属神奈川県議会議員団の、古賀てるきでございます。私は、会派を代表いたしまして、本定例会に提案された諸議案に対し、所管常任委員会の審査結果も踏まえ、賛成の立場で討論を行います。初めに、「企業庁が所管している水道事業について」です。現在、県企業庁は、神奈川県以外の国内自治体、のみならず、諸外国に対し、これまで本県が培った水道事業のノウハウを提供し、ビジネスチャンスの創設・公衆衛生の向上を図っていく、いわゆる「かながわ方式による水ビジネス」を推進しているところであります。この水ビジネスを推進するにあたっては、単なる技術支援にとどまらず、現地に職員を赴任させることなどにより、人材交流・人材育成をも含めた重層的・継続的なビジネス展開となるように努力していただくことを求めます。また、空き家対策特別措置法が、本年５月から完全施行されたことに伴い、県としても今後、市町村が行う空き家対策を支援していくことになると思います。その際、個人情報や財産権保護の観点から、取扱いに充分留意することは当然ではありますが、企業庁が有する水道の閉栓情報を提供することなどにより、各市町村の空き家対策を推し進めていただきますよう求めます。次に、「神奈川県内の河川の治水対策について」です。台風１８号による記録的豪雨のため、関東・東北地方で大規模な浸水被害が発生したのは記憶に新しいところです。被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げますとともに、１日も早い復興をお祈り申し上げます。さて、神奈川県内には、恩田川・鶴見川といったかつての暴れ川をはじめ、境川といった複数の都道府県にまたがる河川が流れております。昨今の異常気象を受けて、治水対策が注目され、特に工事の品質管理の重要性が増してきております。そんな中、現在、治水対策工事においては、工事完成時における検査はもとより、工事途中における中間技術検査・抜き打ち検査、完成後の維持管理の巡回を行っていることは承知しておりますが、かかる監督・検査の徹底を図るべく、写真やビデオへの記録を残すこと、加えて、他の自治体との連携を図り治水対策に万全を期すことを求めます。次に、「神奈川県中小企業活性化推進計画について」です。現在、神奈川県中小企業活性化推進計画の改定素案が作成され、近く、計画案が提出されると承知しております。神奈川県においては、その事業所数、および、従業員数から、介護・福祉分野が、本県における一大産業であることが明らかになりました。この介護・福祉分野は、女性従業員の割合が全産業の中で最も高いだけでなく、高齢者や外国籍の方々も働く「多様な人材に働き場を提供する業種」であるとともに、わが国が抱える少子高齢化の問題の最前列に位置し、日々の改善・刷新が求められる分野であるといえます。しかし、このことは、裏を返せば、この介護・福祉分野が、本県およびわが国が今後世界をリードし、より一層の発展を担うことができる業種であるともいえるわけであります。以上より、今後提出される神奈川県中小企業活性化推進計画においては介護・福祉分野の支援をより明確にするとともに、文言において同分野を明記していくことを求めます。次に、「神奈川県ポリ塩化ビフェニル（いわゆるＰＣＢ）廃棄物処理計画について」です。本県のＰＣＢ廃棄物処理計画においては、県および政令市の役割について「保管の届け出がされているＰＣＢについては、処理施設で円滑な処理を推進するため、未処理事業者が処分期間内に処理できるよう必要な調整、指導を行う」とされています。しかし、現状は、県有施設のＰＣＢ保管量を適切に把握していないというのが実際であり、ＰＣＢ保有業者へ「必要な調整、指導」を行わなければならない立場としては適切に欠けると言わざるをえません。まず、本県の県有施設のＰＣＢ保管量を正確に把握し、現在も県有施設で使用されているＰＣＢ量の調査、そして、それらに対する処理期間まで記した処理計画を示していただきますことを求めます。最後に、「米軍基地にかかる地元への情報提供について」です。今年で戦後７０年が経ちました。しかし、現在においても、米軍からの的確な情報提供がなされているとは言いがたい状況であり、これは米軍基地が多数存在する神奈川県においては非常にゆゆしき問題といえます。先の国会では安全保障に関する法律が成立いたしました。わが党は、参議院において、領域警護法など８法案を提出いたしましたが、採決の手続きすら取られなかったことは、極めて残念でなりません。国際情勢の変化に対応した安保法制の整備が重要であることは認識しておりますが、それらは自国防衛のために行う「必要最小限度の武力行使」にかなうことはもちろん、適正手続にのっとったものでなければならないことはいうまでもありません。今後も日米同盟を堅持する意味において、両国間の情報の共有は重要な課題であり、神奈川県においても、国に対し、両国間の情報共有および地元への情報の提供を充実させるべく積極的に働きかけることを強く求めます。以上、指摘・提案すべき点を申し上げ討論を終了いたします。ご清聴、ありがとうございました。