研究紹介ポスター

農林生産学科・農業生産学教育コース
植物調節学分野
大田 勝巳
園芸植物の成長・発育およびその調節のメカニズムを生理学的視点から
解明します。高品質、高収量および品種育成など作物を生産するための
基礎的知見やその応用について研究しています。
非心止まり型品種
温室・ハウス栽培
(主に生食用)
露地栽培
心止まり型品種
(主に加工・調理用)
○トマトにおける分枝(形態)形成に関する研究
[目的]
植物において、腋芽が成長して側枝を形成することを分枝といいます。分枝数やそのパターンは、作
物の生産性(収量や品質)、作業の効率化、園芸植物の観賞価値などと関連する重要な形質です。
トマトでは基本的に茎頂部が頂花芽として分化し花序(第1花房)が形成された後、その茎は伸長停
止しますので、本来、有限成長する「心止まり」性です。
・非心止まり型:花房直下の本葉の腋芽が伸びて、1本の主枝(仮軸分枝)が伸長するように見えます。
・心止まり型:頂芽が着生しないために成長できず、側枝がよく発達します。
分枝(形態)形成の特性を生理学的側面から解明し、実際栽培への応用を試みます。
[研究手法]
トマトの分枝(形態)形成について、腋芽
発生とその伸長と栽培・環境条件との関係
あるいは植物体内における植物ホルモン、
植物栄養、光合成などとの関連性について
研究しています。
○栽植密度を変えた場合の分枝形成と収量性
○摘心処理した場合の分枝形成と収量性
○茎の誘引方向を変えた場合の分枝形成
[期待される効果]
この研究は、トマトにおける側枝の発生制御
や収量性の向上、品種改良あるいは花芽形成・
分枝形成などが関係する園芸植物の栽培の
諸問題を解決するために役立つと考えられます。
非心止まり型
心止まり型