歴代会長有志アピール -「安全保障」関連法案に反対

千葉県弁護士会
歴代会長有志アピール
―「安 全 保 障 」 関 連 法 案 に 反 対 し そ の 廃 案 を 求 め る―
主権者である国民の皆さん
1.今日本は、あの大戦の加害と被害の痛切な反省から生まれた憲法9条を守るのか、
それとも戦争する国になるのかの歴史的な岐路に立たされています。大幅な会期延
長を行い、「安全保障」関連法案を強行する動きが強まっているからです。
私たちは、基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする弁護士とし
て、立場の違いを超えて、平和を愛する多くの国民や団体と協力して、戦争する国
づくりに反対する声を上げる歴史的な責任があると考え、このアピールを公表しま
す。
2.昨年7月1日の集団的自衛権行使容認の閣議決定は、専守防衛の国是を投げ捨て
て、日本が武力攻撃を受けていないのに、外国と一緒になって武力行使することに
道を開くものです。しかも最高法規である憲法の根幹となる基本原則を解釈で変更
するという手法は、立憲主義を著しく侵し、憲法99条の憲法尊重擁護義務にも反
するものです。
また、
現在国会で審議中の「国際平和支援法」と10本の法案を一括法案とした「平
和安全法制整備法」では、「重要影響事態」、「存立危機事態」、「国際平和共同対処事
態」などとさまざまな事態を乱立させ、「切れ目のない安全保障法制」を整備する
として、自衛隊がいつでもどこでも「後方支援」などの名目で外国で武力行使し、
外国の戦争に参加するものとなっています。
3.政府は、自民党が推薦する憲法学者を含めて3名の憲法学者による憲法に違反す
るという国会での意見表明に反論しようとして、1972年の集団的自衛権行使を
否定した閣議決定と集団的自衛権行使に道を開く閣議決定とは整合性があると弁明
したり、集団的自衛権が何ら争点になってもいない砂川事件最高裁判決の傍論部分
を集団的自衛権行使容認の根拠にするなど、その弁明は論理的に破綻しています。
アメリカとの約束を先行させ、また、法律専門家や学者、元法制局長官、そして
主権者である国民の圧倒的多数が、これに反対したり少なくとも今国会での成立に
反対しているのに、これに全く耳を傾けずに強行しようとする姿勢は、国民主権の
憲法原則から見ても許されないものです。
4.主権者である国民の皆さん
私たちは、憲法の平和主義を投げ捨てる解釈・立法・明文のあらゆる動きに強く
反対して、「安全保障」関連法案廃案を求めるとともに、平和を愛する多くの国民
の皆さんや団体が、戦争する国づくりに対して反対の声を上げていただくよう心か
ら呼びかけます。
2015年7月1日
千葉県弁護士会歴代会長有志30名一同
賛
同
者
名
簿
(合計30名。但、立場上氏名を公表できない2名を含む)
浜
名
儀
一
大
塚
喜
一
高
橋
勲
鶴
岡
誠
澤
田
和
夫
最
首
和
雄
桜
井
渡
辺
日
暮
覚
菅
野
泰
瑞 慶 山
茂
鈴
木
守
河
本
和
子
竹
澤
京
平
守
川
幸
男
藤
野
善
夫
松
本
新 太 郎
大
槻
厚
志
廣
瀬
理
夫
島
﨑
克
美
山
下
洋 一 郎
小
倉
純
夫
佐
野
善
房
市
川
清
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