プール学院のミッションは「キリスト教の精神を根底とする霊的人格教育

2015年10月3日
プール学院中学校・高等学校
校長 内海 伸晃
2014年度 プール学院中学校・高等学校 学校評価
1 めざす学校像
プール学院のミッションは「キリスト教の精神を根底とする霊的人格教育」をもって、社会に奉仕することである。ミッションステートメントに
基づき、今年度の目指す人間像を「グローバルな視野に立ち、他者を愛し、社会貢献できる女性」とする。
2 中間目標
1. グローバルな視野を持つために基礎学力の充実と進路指導を強化する
・生徒達に自主的な学習への取り組みを促す
・キャリア教育において各学年具体的な企画を考える
・進路指導における具体的な強化スケジュールを作成する
・新たな国際プログラムを企画し、グローバルな意識を持たせる
2. 他者のために何ができるかを考える
・日々の礼拝を充実したものにする
・地域貢献とボランティア活動の参加を促す
・いじめ防止基本方針を策定し人権意識を高める
3. 豊かな感性や行動力、協調性を養う
・日常生活でのマナー指導を重点的に行う
・生徒にとって感動できる行事を企画し経験させる
・行動力・協調性・自主性を養うためクラブ活動の支援
【自己評価アンケートの結果と分析・学校評価委員からの意見】
自己評価アンケートの結果と分析(2014年11月実施)
学校評価委員会からの意見
○ 生徒
・中高ともプール学院の生徒であることに誇りを持っている割合は75%
以上である。「学校が楽しい」、「施設についての満足度」も高い割合で
ある。一方、中学生において教員に対する信頼度や「先生はいろんな相
談に応じてくれる」(46%)「わからないことを先生に質問、相談する」
(45%)と低い。教員に対しての信頼度を上げる工夫が必要である。
生徒、保護者、教職員共にベースであるプール学院を大切な場としてとら
え、地に足を固めている姿が結果から伺える。教育の場であり、一日の大半
を過ごす学校を自分たちの生活の基本部分においていることは、学校の向
かうべき方向に対して共感していることである。その上で、課題としては以下
の3点を挙げる。
○ 保護者
・ほとんどの質問に対して肯定的であった。特に「楽しく学校に通ってい
る」(90%)「誇りを持っている」(90%)「設備や施設に満足している」
(90%)一方、先生に質問や相談には行きにくいと思っていたり、スクー
ルカウンセラーの取り組みには理解がされていない面もある。生徒一人
ひとりに対してもっときめの細かい指導と保護者に対し情報を的確に発
信することが課題である。
○ 教職員
・教職員はすべての項目において生徒に対し誠実に向き合い、日々努
力をしている結果が出ている。当然のことではあるが、生徒・保護者がど
う感じているかを真摯に受け止めることが大切である。「授業計画」や「募
集広報活動」「災害時の役割分担」との項目で課題が見える。
1.先生と生徒の信頼関係の構築に重きをおき、信頼度をあげる工夫の
必要性。
2.教員研修の科目間格差の解消。
3.グローバル化教育の拡がりと定着
1については、昨年度の課題であった学力格差の解消について、下位層
に対する教員の取り組みが功を奏しつつあると考えられるが、生徒達のコー
ス別意識の格差が教員との信頼度に影を落としているという声もある。自分
は大切にされていて学ぶ機会を保障されている実感が大切である。
2については、生徒の教科間理解度に差がある原因になっていると考えら
れる。次年度の評価の際は、教員アンケートに担当教科ごとの結果を載せて
ほしい、というのが評価委員からの意見である。
3については、世界に自信をもって送り出せる生徒として育て上げて社会
に送り出したいとの学校の姿勢が伺える。実際にプログラムに参加できる生
徒は全体の一部にすぎない。それをどのように全体に浸透させていくのかが
課題である。そして、グローバル化が、学習意欲の向上、進路先への意欲、
自らが学ぶ姿勢へと繋がっていくことを期待したい。
○ 分析
・昨年に比べほとんどの項目に関して肯定的な%は上向いている。学校
の方向性は間違っていないと思われる。よりきめの細かい、生徒に寄り
添った教育が望まれている。より信頼される教員になれるように、わたし 最後にプール学院の最大のミッションであるキリスト教の精神を根底とする
たち教職員が日々研修・研鑽し、生徒・保護者並びに受験生に選ばれ 霊的人格教育の推進のため、もう一度スクールミニマムの徹底と具体的な
る学校にならなければならない。
ミッションステートメントを明らかにし、日々の教育を行って頂きたい。
3 本年度取組内容及び自己評価
中
間
的
目
標
今年度の重点目標
具体的な取組計画・内容
評価指標
自己評価
(1)自主的な学習への取り組み
ア、意欲のもてる授業
ア、①各教科の研修の実施
②授業アンケートの実施(11月)
ー
グ
ロ イ、英検の取り組み強化
バ
ル
な
視
野
を
持
つ
た
め
に
基
礎
学
力
の
充
実
と
進
路
指
導
を
強
化
す
る
ウ、自主的な学習の取り組み
(2)キャリア教育と進路指導
ア、各学年におけるキャリア教育の充実
イ、進路指導における具体的な強化
スケジュールの作成
①社会科、数学、理科はそれぞれ教 ①毎年継続的に教員研修を行っている教科とそうで
員研修を実施し、教員のスキルアップ ない教科があるが、授業への工夫が生徒達にとって
を図った。
魅力的な授業になり、意欲がもてる。すべての教科が
研修に取り組んでほしい。
②5教科のアンケート結果では、高校
の理解度は国語69%、社会67%、英語
62%、数学50%、理科54%。中学で国語
83%、社会69%、英語64%、数学75%、理
科51%であった。
②昨年度と比較すると、今年度の方が理解度が高
い。学校全体が落ち着いて学習に取り組んでいる。学
校が楽しい生徒は80%近く、誇りを持っている生徒も
75%と高い割合である。
イ、①年3回の英検は中学では必修
高校にも積極的な参加を進める
①中学生において特に顕著な成果が ①中学生で2級、準2級も数名合格している。高校で
出始めている。
の取り組みも必修にしたい。
ウ、①自習マラソンの企画
参加者数5月45名 8月12名
②勉強合宿
参加者数 中 36名 高1 80名
高2 37名
③S文理コース居残り補習
①②③ 「学校で行われる補習や講習
は大学受験の対策 とし て、 ため にな
る。」の質問に対し、肯定的な意見は
56%だった。 保護者も同じ質問に対
し、66%の肯定的な意見だった。「勉強
合宿、自習マラソン、自学補習、取り出
し 補 習 ( 中 学) の取 り組 み」 に関 して
は、80%の肯定的な回答を得ている。
①自習マラソンで生徒が1日10時間の勉強を体験し
たことは、今後に活かせる。リピーターも多い。
②一貫特進が3学年揃い、Sアドも2学年にわたり人数
も多くなっている。教員は準備も大変であるが、成果も
期待できる。
③集中して自分で学習する習慣のきっかけになれば
成功といえる。
ア、①中1 キッザニア
クリーン運動
②中2 実習生に聞く、
バルナバ病院見学、保育園訪問
③中3 適性検査実施、
卒業生(キャビンアテンダント)
から話を聞く、施設訪問
④高1 夢ナビ見学、適性検査
⑤高2 夢ナビ見学、大学模擬授業
⑥高3 大学説明会
①②③ 中学生で60%以上が「進路関
係の行事、体験学習が将来の職業な
どを考える機会となっている」に肯定的
である。
①②③ 中学生においては学年に応じて事前、事後
の細かい指導ができているので、効果も出てきてい
る。今年度より保育園訪問、施設訪問を実施し、社会
とのつながり、地域とのつながりも体験できた。
④⑤⑥ 高校生では56%と同じ質問に
対して肯定的な回答が低かったが、
「進路説明会は、自分の進路を考える
ために役立っている」の質問に対して
は、63%の肯定的な回答を得た。
④⑤⑥ 高校生も具体的で、かつ直接体で感じて考
える機会が必要かもしれない。話を聞くだけではなか
なかモチベーションは上がらない。大学に直接結び
つく説明会については切実な問題であるので、当然
関心は高いが、それに伴う学力の方が気になるようで
ある。
イ、①中学学力推移調査
①「先生は試験の成績や進路につい ①中学生の学力推移調査は年々対策も強化されて、
て個別に指導してくれる」の質問に対し 偏差値も上がっている。しかし、他校に比べて弱い教
ては63%の肯定的な回答を得た。
科があり対策が必要である。
②高校模擬テスト、スタディサポート
ウ、新たな国際プログラムの企画
(1)宗教教育と社会貢献
ア、日々の礼拝の充実
他
者
の
た
め
に イ、地域貢献とボランティア活動
何
が
で
き
る
か
を
考
え ウ、いじめ防止基本方針と人権意識
る
②同じ質問に関しては、68%の肯定的 ②年間のスケジュールは細かく立てているが、対策は
な回答を得ている。「進路指導におい 不十分といえる。テスト終了後の分析も大切であるが
て、生徒のニーズに合致した情報を得 事前の対策を立てることが必要である。
るよう努力している」の質問では、86%の
肯定的な回答を教員から得ている。
ウ、①高校生対象に
グローバルチャレンジプログラム
ニュージーランド3ヶ月留学、
イギリス1ヶ月留学、
カナダ1年留学
①「学校は、カナダ・オーストラリア研修 ①以前から国際教育の理解はあったので、より積極
やイギリス、韓国の姉妹校との交流を 的な企画を提案し、学校全体のグローバル化につな
通して、国際教育を推進している」の質 げたい。何名の参加者が出るのか興味深い。
問に対して、89%の肯定的な回答を得
ている。
ア、①生徒の主体的な礼拝と
教員の礼拝参加
①「礼拝は大切な時間だと思う」の質問 ①本校は創立以来、毎日礼拝を行っている。ここ数年
に対して、中高全体で、70%の肯定的 生徒達による礼拝が充実している。ボランティア経験
な回答を得ている。
の発表や音楽による賛美礼拝は生徒達に身近なもの
として心に響くところが大きい。又、一般教員による礼
拝も新鮮である。
イ、①保育ボランティアと施設訪問の実施
①中高全体で「礼拝や宗教行事が
日々の生活や、周りの人たちとの関わ
りを考える機会になっている」の質問に
56%の肯定的な回答を得ている。
①本校で最も大切な行事であるクリスマスは生徒たち
にとっても楽しみな行事である。卒業しても必ず、そこ
で歌われた聖歌や合唱は生涯忘れることはない。数
字には表せない有意義な行事である。
②タイボランティア・スタディーツアーと
プール・相馬つながるプロジェクト
②全体で「宗教行事を通して、ボラン
ティア活動を身近に感じるようになっ
た」の質問に対して、58%が肯定的な回
答である。
①「人権HRの取り組みを通して、いろ
いろな人の立場を知り、違いを認め合
うことができるようになった」の質問に対
して、65%の肯定的な回答を得ている。
②タイの行事は情勢不安定で実施されなかったが、
相馬との関係やボランティア全体の関心は年々高
まっている。
ア、①いじめ防止基本方針の策定
①今年度いじめ防止基本方針の策定が法律で義務
付けられ、4月に施行した。本校は基本的にキリスト教
の教えの中で人権意識を日々教育しているといえる。
(1)生徒指導と自治会活動
ア、①挨拶の徹底
②生活面のマナー指導
協
調
性
を ウ、クラブ活動の充実
養
う
①全体で90%が「登下校時には先生や ①②とも今年度の重点目標であったが、かなり徹底し
友人に挨拶をする」と回答している。
て教員全体で指導した成果が表れた。今後も引き続
②「登下校のマナーに気を付けてい き指導を継続していかなければならない。
る」の質問に80%以上が肯定的な回答
をしている。
イ、①生徒自身が積極的に関わり、
達成感や充実感のある行事の実施
①「校外活動の内容は充実している」
の質問に対し、中学は77%、高校は67%
が肯定的な回答であった。「体育祭、
文化祭、合唱コンクールなどの自治会
行事」に対しては、中学で85%、高校で
74%が肯定的であった。
ウ、①クラブ活動を通して行動力や
協調性の滋養
①全体で76%以上がクラブ活動は活発 ①クラブ活動の中でも音楽系のクラブは熱心で部員も
に行われている、と感じている。
多いが、今年度はソフトボールやバスケットなども熱心
に活動した。中学は在籍が少なく、どのクラブも部員
確保が困難である。
、
豊 ア、日常生活でのマナー指導
か
な
感
性
や
イ、感動できる行事の企画
行
動
力
①今年度特に、高等学校の体育祭が充実したものに
なった。体育科が中心になって、行進や集団行動は
充実した内容だった。合唱コンクールも中高共に達成
感をもった行事であった。また、135周年クリスマス礼
拝をフェスティバルホールで実施したのは素晴らしい
経験であった。