関係機関の取り組み紹介 広島市、被爆7 0 周年の取組 ~まちづくりの新たな一歩を踏み出す年に~ 広島市経済観光局経済企画課 主査 森脇 渉 新年、明けましておめでとうございます。 本年が皆様にとってよい年になりますようお祈り申し上げます。 さて、今年の干支は未(ひつじ)です。干支の由来を調べてみると、群れをなす羊は 家族の安泰を示し、いつまでも平和に暮らすことを意味しているそうです。そんな今年 2015年、広島市は被爆70周年という節目の年を迎えます。 広島市は、世界に誇れる「まち」の実現に向けて、「活力とにぎわい」、「ワーク・ラ イフ・バランス」、 「平和への思いの共有」という三つの要素の展開によるまちづくりを 進めています。 その中で、被爆70周年である本年は、原爆死没者の慰霊と被爆者の援護、被爆体験 の継承という被爆都市ヒロシマの役割を再確認し、決意を新たに「平和への思いの共有」 を体現する年とするとともに、これまでのまちづくりの成果を踏まえ、まちづくりの新 たな一歩を踏み出す年と位置付け、広島の将来に向けた取組を行うこととしています。 具体的には、 「被爆70周年記念事業」と「まちづくり先導事業」 、二つのことに取り 組む計画となっていますので、その一端をご紹介します。 旬レポ中国地域 2015 年 1 月号 1 被爆70周年記念事業 「平和都市としての求心力の向上」を目的に、被爆70周年を記念するにふさわしい事 業を次の四つのテーマに沿って実施します。 平和の発信力の強化 被爆者援護と次世代への平和への思いの継承 文化・芸術による平和の体現 復興したまちの魅力の再発見と更なる発展 記念事業の内容については、市民等から応募していただいたアイデアも参考にして検 討し、35事業を計画しています。 そのうち主な事業は以下の通りです。 ●平和記念式典の充実 実際に被爆地を訪れてもらい、被爆の実相を伝える「迎え る平和」をより一層推進するため、国内外からの来賓の充実 や被爆者の高齢化等に配慮した全参列席へのテントの設置 などを行います。 ●平和記念公園レストハウスの改修 平和記念公園内では被爆前の面影を残す唯一の建物である レストハウスについて、文化庁と協議しつつ、耐震補強や地 下部の保存、休憩・案内機能の拡充を図り、平和記念公園の 魅力をさらに高めます。 ●広島交響楽団特別事業「摂氏4000度からの未来」 プロジェクトの実施 原爆投下時に摂氏4000度にも達した広島のまちの現在 と未来に向けてエールを送る新作「摂氏4000度からの未 来」の作曲の委嘱などを行います。 ●猿猴橋復元事業の実施 被爆橋の一つとして広島の復興を見届けてきた猿猴橋につ いて、これまでの地元住民主体の取組と連携して、大正15 年の架橋当時の姿への復元を目指します。 広島市公文書館提供 ◆被爆70周年記念事業 35事業の概要はこちら http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1391401794931/inde x.html 旬レポ中国地域 2015 年 1 月号 2 まちづくり先導事業 被爆70周年を契機に、被爆100周年を見据えて目指すべきまちの姿の骨格を示し、 その実現に資する事業を「まちづくり先導事業」として位置付け、まちづくりの新たな 一歩を踏み出します。 本事業では、広島の都市構造を踏まえ、「デルタ市街 地」と、それを取り囲むように開発された「デルタ周辺 部」、さらにその外側にある「中山間地・島しょ部」の 三つのエリアを設定しています。 このエリアごとの特色や魅力を一層引き立てるとと もに、市民の誰もが容易にそれらを享受できるようにす ることが重要となります。 エリアごとの具体的な取組例としては、以下のようなものがあります。 ●デルタ市街地 高次な都市機能が集積し、活発な経済活動が展開されるエリア ・「水の都ひろしま」にふさわしい美しい川づくり ・比治山公園の再整備 ●デルタ周辺部 居住の場として市民の生活を支えるエリア ・住宅団地の活性化に向けた総合的な対策 ・「協同労働」の推進 ●中山間地・島しょ部 市民が日常的に触れ合える豊かな自然が広がるエリア ・似島の活性化 北から臨む比治山 似島 ◆まちづくり先導事業の概要はこちら http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1391579014385/inde x.html 「被爆70周年の取組」は、今年度中に最終とりまとめを行い、詳しい内容を公表す る予定となっていますので、是非ご注目ください。 経済産業省 中国経済産業局 広報誌 旬レポ中国地域 2015 年 1 月号 Copyright 2015 Chugoku Bureau of Economy , Trade and Industry. 3
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