特 集 「はたらき」を化学する パフォーマンス・ケミカルスができるまで ニーズに応え社会に貢献する… パフォーマンス・ケミカルス (機能化学品) は、社会が必要とするもの (ニーズ) を化学品の機能に翻訳し提供するものです。 我々が直面する問題を解決し、社会の持続可能性 (サステナビリティ) を高めるために求められること、 すなわち 「もっと快適に」 「もっと安全に」 「もっと地球にやさしく」 等々、パフォーマンス・ケミカルスは この 「もっと…」 を実現することができる化学品です。 当社は、長年培った技術に新たな技術を融合させて、従来にない機能を有する独創的なパフォーマンス・ケミカルスという形で お客さまの多様なニーズにお応えし、みなさまの暮らしを支えるさまざまな分野でお役に立っています。 今後さらに、省エネルギー・省資源をキーワードに環境に貢献する製品を開発し、地球環境保全と循環型社会構築に 貢献していきます。 ニーシーズ指向とは… 既存シーズa 「ニーシーズ指向」 とは、ニーズ指向とシーズ指向を合成した 分野A ニーズA 当社独自の用語です。あるニーズに対応して開発した技術に 製品A 既存シーズb 別の技術を融合させ、これをシーズ(種) にしてさらに新しい別 のニーズに対応する製品を開発する。 特集﹁はたらき﹂ を化学する 13 新規シーズa’ 分野B ニーズB これを連鎖反応的に行っていくことで、異分野の技術を融合 製品B 既存シーズc し、オリジナリティーの高い新ジャンルの製品群を開発してい 新規シーズb’ ・a’ 分野C ニーズC くものです。 製品C 当社はこうした「ニーシーズ指向」の研究開発で技術の多様 新規シーズc’ ・b’ ・a’ 化を図り多彩な製品を生み出しています。 新ジャンル 技術融合 製品設計にあたって… 「もっと…」 (=ユーザーニーズ) を実現するためには、「どんな ケアして化学組成を設計していかなければなりません。これら、 にブレイクダウンし、「機能・性能」を物理的、化学的な「物性」に て「化学組成」に翻訳することが当社研究員に求められるところ を設計することが必要です。 を確保するための指針や内規を定めており、市場に出るまでに はたらきが必要とされるのか」すなわち求められる 「機能・性能」 翻訳し、 この「物性」を発揮させることができるように「化学組成」 加えて、製品を上市するためには、環境面、安全面で当然具備 されるべきニーズ、すなわち「環境ニーズ」や「安全ニーズ」にも 容器審査 化学組成 生産設備審査 経 日 変 化 チェック 開発段階 安全と法規制審査 環境保安審査 SDS審査 新原料審査 製品安全性確認内規 製品化 新規化学物質審査 顧客環境要求 設計段階 特許審査 物 性 LCAチェックリスト 機能・性能 RC審査 ニーズ さまざままな角度からの審査やチェックを行っています。 PL審査 化学物質管理指針 です。組成設計から開発、試作、製品化の各段階で、環境・安全 組成審査 [研究開発から製品化までの流れ] 「ユーザーニーズ」「環境ニーズ」「安全ニーズ」をすべて満たし Corporate Social Responsibility Report 2015 [ 設計指針(「化学物質管理指針」より抜粋)] ● ❶製品設計にあたり、必要性能を満足しつつ、地球、ヒト、生態系に及 ぼす有害性をできるだけ低減した化学構造となるよう設計する。 ❹製品中の不要な有害物 ● (副反応物など) の含有量をできるだけ低減する。 ● ❷設計した化学構造を得る上で、より安全で有害性の少ない原材料を 選択できるように化学反応形態を選択する。 ● ❺製造時、またはユーザーでの使用時に反応・分解等で使用禁止物質 や使用削減物質を生成することのないよう、化学構造と製造プロセ スを設計する。 ● ❸製造時の化学物質の環境への排出・移動量ができるだけ少なくなる ように製造プロセスを設計する。 ● ❻環境中で生分解などにより使用禁止物質や使用削減物質を生成す ることのないよう、化学構造を設計する。 製品の環境アセスメント [ LCAチェックリスト] [ CO 2 削減貢献量算定 ] 新製品の商品化に際し、設 当社の製品が果たしているCO 2 排出削減への貢献を見える 計∼開発∼原料調達∼製造 化するべく 「製品CO 2 削減貢献量算定基準」 を策定し、運用して のライフサイクル各ステー 当社製品の省エネ、省資源性能等によって使用・廃棄段階で排 ∼ 流 通 ∼ 使 用 ∼ 消 費・廃 棄 います。これは、市場で広く使用されている製品 (従来品) に比べ、 ジで、 どのような環境配慮が 出されるCO2がどれくらい削減できるかを数値化するものです。 なされているかを、チェック ただし、製品すべてについて貢献量を算定できるわけではな シート方式でポイント化して く、当社製品の寄与が明らかであり数値化できるもののみを対 います。 象としています。 製 品 コンセ プト、再 生 可 2 0 1 2 年 度 から運 用を開 始し、C O 2 削 製 造 プロセス、製 品 使 用 時 の環境貢献、廃棄の際の環 境 配 慮につ い て 評 価し、一 減 貢 献 量は2 0 1 4 年 LCAチェックリスト 度で29.2万トンと算 出しています。製品の 定ポイント以上の製品を 「エコ製品」 と定義し、 「 エコ製品比率」 ライフサ イクル を考 2014年度のエコ製品比率は売上高ベースで18.8%でした。 年度の累計では127 の向上を経営指標に取り入ています。 製品開発戦略 当社の研究開発は「独創的技術による新規製品群の創製」、 慮した2012∼2014 万トンとなります。 また、研 究テーマ受け入れを増やすとともにゲート審 議で 「技術革新による既存製品群の高機能化」を両輪とし、全従業 テーマ見極めを迅速化し、良質テーマの選択と集中を図る三 (京都市東山区)での研究開発に加え、 「 桂イノベーションパー ト審議には営業も参加し、的確な市場や顧客のニーズの確認 員の30%近くを研究開発活動に配置しています。本社研究所 ク」 ( 京都市西京区) にある桂研究所が起点となり、ベンチャー 企業を含めた産官学との交流・連携を密に行うことで、開発ス ピードのさらなる加速、先端技術の獲得にも取り組んでいます。 桂研究所 洋版ステージゲートシステムの本格運用を開始しました。ゲー とともに、テーマごとに価値を評価し戦略的に戦力を投入して います。 14 特集﹁はたらき﹂ を化学する 能 原 料 の 使 用 、組 成 設 計 、
© Copyright 2024 ExpyDoc