歯周病とクレイテラピー

歯周病とクレイテラピー
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國吉里絵
はじめに
私はクレイについて興味と持ったきっかけは、以前に働務していたアロマサロンで、アルジレツのクレ
イに出会ってからです。
これまでにも、日本産のモンモリオナイトなど、数種類のクレイ仕事場や自分自身に使ってきましたが、
アルジレツのクレイほどの効果は感じませんでした。
ひとことで『クレイ』と言っても、クレイの種類や品質によって、効果や使い心地が全然違うことを実
感したのもこの頃です。
アルジレツのクレイはアロマサロンで使い、自分自身での使ううちに、クレイについてだんだんと興味
がわいてきました。
そして、もっと詳しい、正しい知識を学んだ上で、サロンでのテラピーに使えるようになりたい、と思
うようになりました。
でも、クレイ専門の本日本では余り手に入らなかったので、インターネットで、クレイについての情報
を集めては試していました。
そのうちに、アロマフランスの HP でクレイテラピーの講座があること知り、受講させていただくことに
なりました。
それから1年と少し、月に一度授業を受けてクレイについて学ばせていただきながら、自分なりクレイ
を使ってみた過程を今回のレポートにまとめてみました。
実際に使いながら学ぶので、とてもクレイが身近に感じられて楽しく学ぶことができました。
クレイは使えば使うほど、新たな疑問が湧いてきたり、発見があったりと、とても興味深いです。引き
続き、クレイについて学んでいきたいです。
これからも、自分自身や家族、そしてお仕事で、クレイを大切に、使わせていただきたいと思います。
●歯周病とクレイテラピー
△
歯科検診
2005年の11月半ば、約1年ぶりに歯の定期健診へ行ってきました。
特に、歯が痛いとか、自覚症状は何もなかったので、虫歯もないし、いい状態かなと思っていました。
風邪が長引いていて、少し寝不足だったのでちょっと歯茎が腫れてるなと思っていましたが・・・。
歯科衛生士さんに丁寧にみていただいた結果、8本の歯の歯茎が歯肉炎、1本の奥歯が歯周炎になって
いると言われ、びっくりしました。
1年前の検診では、歯茎の健康状態はとても良かったからです。
ここ1年で、どうして歯周炎になってしまったのかな・・・?
その日は、改めてブラッシングの指導、そして歯間ブラシの使用法を指導してもらいました。歯間ブラ
シを、歯の隙間に通してもらうと、歯茎から大量の出血があってびっくり。相当、歯茎がむくんでいる
というか、腫れて炎症しているのがわかりました。でも、磨き方は合格で、歯石も歯垢も殆ど付いてい
ないとのこと。
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歯周炎になっているという右下あごの奥歯、歯と歯茎の隙間(歯周ポケットと呼ぶそう)が、6 ミリもあ
るとのこと。放っておいたら、症状が進行してしまうそうです。まだ、歯はぐらついていないようです。
治癒法としては、歯と歯茎の隙間に薬を入れて殺菌したりするそうです。
そして、その歯周炎の奥歯の歯茎に、直径 3 ミリほどのイボのようなものが出来ていることを指摘され
ました。やはり、痛くもなんとも無かったので、その存在にも今まで気がつきませんでした。
衛生士さんに、
『気になるようでしたら、麻酔をして、レーザーで切り取る事もできますよ』と言われま
したが、ちょっと考えさせてもらうことにしました。どうやら、歯茎の膿がたまる袋がイボのような形
で出来ているそうです。
2 週間後に再検査してもらうことになり、その日の検診は終わりました。
△ 歯周病とは?
家に帰ってから、さっそくネットで歯周病について調べました。
どのような原因で起こるのか、他にどんな治癒法があるか・・・
そして、症状が進んでしまうと、具体的にどのようになるのかが詳しく知りたかったからです。
ばくぜんと、歯槽膿漏・・・歯周病、という言葉は知っており、それなりに意味もわかっているつもり
でしたが、今までは、自分がなるとは思っていませんでした。
でも、調べてみたら、35 歳から 44 歳の人ではおよそ 81 パーセントの人がかかっているそうです。
歯周病とは、歯を支える周りの組織に起きる病気で、組織が殺菌に感染して起こります。歯の周りだけ
でなく、全身的な要因、病気が牽引になることもあるそうです。
歯周病の進行状態は、歯の付き根の表面に歯垢がたまり、歯の周囲や、歯と歯の間の歯肉に炎症が起こ
ります。この状態を、『歯肉炎』といいます。(図1)
歯垢が歯石になり、歯石が大きくなり、歯根膜が溶け、歯肉溝の中にも広がってきます。歯肉溝はだん
だん深くなり、歯肉の弾力性がなくなって、歯周ポケットと呼ばれる空間ができます。炎症も進み、放
って置くと歯槽骨の破懐も始まります。この状態は、『歯周病』といいます。(図2)
症状が進むと、歯周ポケットが更に深くなり、歯槽骨がほとんど破懐され、歯がぐらつき歯の根も見え
てきます。出血や口臭も強くなり、常時膿が出るようになります。
その状態を『重度歯周病』一般に歯槽膿漏と言います。(図3)
△ 歯周病とクレイ
私の状態は、8 本が歯肉炎、1 本が歯周炎でしたので、早めに見てもらってよかったと思いました。歯周
炎になっている奥歯さえ、今まで違和感や痛みが全く無かったのです。気がつかないうちに、症状が進
んでいたのでしょう。
自分で改善できることはして、できるだけ自然療法で直したいと思いました。まずは、専門の歯ブラシ
で、今まで以上に丁寧にブラッシングすることにしました。痛いような気がして敬遠していた歯間ブラ
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シも、1 日に 1 回必ず使います。
そして、クレイテラピーの授業で、歯磨きにクレイパウダーを使ったり、歯茎の腫れにクレイボールで
パックすることを教えていただいたことを思い出しました。
歯周病の改善の為に、クレイを使ってみることにしました。
●食後のブラッシングに、歯磨き粉ではなくグリーンイライトを使う。
●マウスウォッシュとしてコップ1杯のクレイ水にディーツリーを一滴入れたものを使う。
●奥歯の腫れや膿の袋のある部分にグリーンイライトのクレイボールでパックする。
などのことを、早速始めてみました。
最初は時間を多めにかけて丁寧にみがくと、かなり歯茎からの出血があり、怖いくらいでした。歯間ブ
ラシを使うときにもです。
クレイボールのパックは、直径5∼6ミリ程の大きさのものを手でこねて作りました。半乾きくらいに
なっところで、下の奥歯の歯茎の部分にパックします。
最初はなかなか上手く出来ませんでしたが、何回かするうちにコツをつかめるようになりました。
1日に1∼2回、40分から1時間、パックしました。休日は3回した日もありましたが、仕事のある
日は1回しかできないこともありました。回数にばらつきがあっても、続けることは大事かもと思い、
最初は2週間、続けました。
歯茎にパックをすると、ちょっと口の中が変な感じがします。常にクレイの味がします・・・少しずつ、
クレイが唾液に溶けていきますので、少しの量ですが、内服していることにもなるんだなと思いました。
変化はパックを始めてから、3日目くれいで起きました。
朝起きて、なんだか口の中に違和感を感じて鏡を見てみると、奥歯の歯茎の膿の袋が、プクーツ大きく
膨らんでいます。
直径6ミリほどの大きさになっていて、内部に黄色い膿が透けて見えていました。今まで、こんなに腫
れたのを見たことが無いので驚きました。クレイボールのパックで、歯茎内部の膿が吸収され、表に出
てきたようです。
翌朝、鏡を確認してみて、また驚きました。
昨日、あんなにふくらんでいた袋が、ぺちゃんこになっていて。直径3ミリほどの大きさに戻っていま
す。膿は完全に無くなっていました。袋が破れた感じも無いので、そのままクレイに膿が吸収されたの
でしょうか??
その後も、3∼4日ごとに、膿の袋が膨らんで、しぼむを繰り返しました。そのたびに、出てくる膿の
量が少なくなっていきました。
周囲の歯茎の腫れも引いてきて、歯磨きの時にも余り出血しなくなってきました。
歯肉炎、と診断されたほかの歯の歯茎も、どんどん腫れが引いて引き締まっていくのがわかりました。
歯間ブラシを通しても、全く出血しなくなったのです。
△ 2度目の検診
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2週間後、2度目の検診を受けに歯医者へ行きました。
結果は、8本あった歯肉炎は、ほとんど正常な歯茎になっているということで、先生にほめられたので
嬉しかったです。ただ、奥歯の歯周炎の方は、歯茎の腫れは良くなっているけど、歯周ポケットの深さ
に変化がないと言うことで、歯の骨の状態を調べるためにレントゲンを撮りました。
そして、歯と歯茎の隙間に、殺菌の為ということで薬を入れられました。
(本当は、断りたかったですが、
ちょっと言い出せなかったです。)今度は3週間後にチェックするので来てくださいと言われました。
その後も、クレイパウダーの歯磨き、パック、うがいなどをほぼ毎日続けていましたが。最初の2週間
の時のように、膿が出てくることはありませんでした。ただ、膿の袋が徐々に小さくなっていくのがわ
かりました。3ミリほどあったのが半分くらいの大きさまでに縮小してきました。
途中でふと、クレイが金属を腐食する作用があることを思い出しました。私は10代の頃かならのチョ
コレート中毒で、そしてもともと虫歯になりやすい歯でもあったために、上下の奥歯は全て、してその
ほかの歯も多くの金属をかぶせたり、金属の詰め物がされています。
クレイボールで患部にパックすると、微量ではありますが徐々に唾液で溶けて口中にクレイを含んだ唾
液が広がります・・・
そうすると、毎日パックすることで、口中の金属が溶けて、腐食しやすい状態になる可能性もあるので
しょうか?
ちょっと不安になってきて、また患部がよくなってきていたこともあり、しばらくパックを中止して、
様子を見てみることにしました。クレイパウダーを使った歯磨きやうがいは続けました。
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3度目の検診
3度目の検視の日が来ました。前に撮ったレントゲンは、歯の骨の異常は無かったそうです。ただ、薬
を入れても歯周ポケットの深さに大きな変化が見られなかったです。イボのような膿袋をレーザーで切
除しましょうと、今度は院長先生に言われました。
『切ったら、良くなりますよ』と善意で言ってくださ
っているので、とても断りづらかったのですが・・・
膿の袋も、炎症があるため、意味があってできたものだと思うので、ただ、切除してしまうのはとても
不自然なことのように感じました。膿を外へ出す為の、大切の役割をしてくれているように思えたので
す。
なので、詳しい理由を伝えませんでしたが、切除しるのはお断りさせていただきました。時間はかかる
かもしれないけど、ゆっくり直していきたいと思いました。
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現在の状態
ちょうど、旅行と時期が重なっていたこともあり、しばらくその後もパックをお休みしていましたが、
ドミニック先生に歯の金属とクレイの反応について、質問させていただきました。
先生に金属の腐食の可能性も考えるとパックの回数を多くするよりも、置く時間を長くした方が良いと
アドバイスいただきました。同じことを、何ヶ月をするのはやめた方がいいということでした。
そして、1ヶ月間、1日2回(30分)歯茎のパックをして、寝る前にクレイパウダーを歯茎に塗って
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そのまま寝る。翌朝はうがいをする。
次は1ヶ月は1日1回のパック(40分)にして、寝る前にクレイパウダーに歯茎に塗り、そのまま寝
て翌朝うがいするといい、と教えてくださいました。
クレイパウダーを、患部に塗布する、おいう考えは浮かびませんでしたので、なるほど∼と思いました。
パックよりもだいぶ穏やかだとはおもいますが、続けることで余分炎症などにも効果がありそうです。
現在は、腫れも引いていて膿もでなくなっていますので、1日1回、40分のパックをしています。ま
だ、寝る前にクレイパウダーを患部に塗っています。
1ヶ月たったら、また状態を見てからクレイの使い方を考えていこうと思っています。クレイパウダー
を使った歯磨きは、歯垢がちきにっくなる効果や、炎症のある歯茎を炎症を鎮め、引き締める効果も感
じました。
半年後に、また検診がありますので、そのときまでには良くなるように、クレイでのケアを根気良く続
けていこうと思います。
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歯周病にクレイを使用してみて
今回、自分自身の歯周炎、歯肉炎にクレイを使ってみて、とても効果を感じました。特に、パックをし
て、膿が出てきたのには驚きました。
まさにグリーンイライトの吸収力の強さを実感しました。
歯肉炎はすでによくなりましたが、歯周炎が完治までは、まだ時間がかかりそうです。
様子を見ながら、クレイや、ハーブも使ってみたいです。
歯周病の予防に、特にクレイは効果的だと思います。
症状が悪化する前に、歯や歯茎の健康の為のセルフケアとして、クレイが使われるようになればいいな
と思いました。
また、全身の健康状態は、そのまま歯の健康に影響しますし、その逆もあります。
毎日の食生活や、運動、良質の睡眠などで免疫力を上げて、全体的に健康に気をつけて行きたいと思い
ます。
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参考文献『歯周病は怖くない』株式会社アイ・メディカル発行
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