学習教材・物理学 東海学院大学入学前教育 物理学(基礎編) 学習教材(7) 東海学院大学 健康福祉学部 総合福祉学科 臨床工学技士専攻 注 意 1. 次の頁からの問題を解いたあと解答・解説を見て学習してください. 2. 本教材では,大学入試センター試験問題を利用しています. — 1 — 学習教材・物理学 I 問題 断面積 S ,質量 M のなめらかに動くピストンが取りつけられたシリンダー(円筒容器 )があり,中に気体が閉じ込められている.最初,シリンダーは図1のように立てられ ていた.シリンダーは熱をよく伝え,閉じ込められた気体の温度は常に外部の空気の温 度と同じであるとする.シリンダー外部の温度は T0 ,圧力は P0 である. — 2 — 学習教材・物理学 問 1 シリンダーを図 2 のように上下逆さにしたところ,ピストンは移動して静止し た.このとき,閉じ込められた気体の圧力 P1 として正しいものを,下の 1 ∼ 6 のうち から 1 つ選べ.ただし,重力加速度の大きさを g とする.P1 = 1 P0 − Mg S 2 P0 + 4 P0 − M g Mg S 3 Mg − P0 S 6 M g − P0 5 P0 + M g 問 2 次にシリンダーを図 3 のように水平にしたところ,ピストンは移動して静止し た.このとき,閉じ込められた気体の体積は図 2 の場合の何倍になったか.正しいもの を,下の 1 ∼ 7 のうちから 1 つ選べ. 倍 1 P0 P1 2 P1 P0 3 5 P0 P1 + P1 6 P1 P0 + P1 7 1 — 3 — P0 + P1 P0 4 P0 + P1 P1 学習教材・物理学 解答・解説 答え:【問 1】1 【問 2】2 解説: 【問 1】 ピストンに働く力のつりあいを考える. P1 S + M g = P0 S より, Mg P1 = P0 − が得られる. S 【問 2】 ピストンが移動する前のシリンダー内の体積を V1 ,ピストンが移動したあとの体積 を V2 とする.ピストンが移動したあとの圧力は大気圧 P0 に等しくなるから, ボイルの法則より P0 V1 = P1 V2 よって, V2 P = 1 V1 P0 【ポイント】 力のつりあい,ボイルの法則 — 4 — 学習教材・物理学 II 問題 ある気体(理想気体)が,ピストンでシリンダー内に閉じ込められている.図 3 は,こ の気体の圧力と体積の変化を表す図である.初め状態Aにあった気体を,状態B,状態 C,状態Dの順に変化させた後,再び状態Aにもどした.ただし,過程A→Bは断熱変 化,過程B→Cは定圧(等圧)変化,過程C→Dは定積(等積)変化,過程D→Aは等 温変化である. 問 6 状態A,B,Cの温度をそれぞれ TA , TB , TC としたとき,それらの関係を表す不 等式として正しいものを,下の 1 ∼ 6 のうちから 1 つ選べ. 1 TA < TB < TC 4 TB < TC < TA 2 TA < TC < TB 5 TC < TA < TB — 5 — 3 TB < TA < TC 6 TC < TB < TA 学習教材・物理学 解答・解説 答え:4 解説: C → D は体積が一定で圧力が増加しているので, での温度は A での温度と等しいから,TC < TA p = 一定より,温度は上昇する.D T B → C を考えると,圧力が一定で体積が増加しているので, V = 一定より,温度は上 T 昇する.よって,TB < TC 以上より,TB < TC < TA A → B は断熱圧縮だから,TB < TA 【ポイント】 理想気体の状態変化 — 6 —
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