2.11 運動量 (p61) 2.11 運動量 (p61) 運動している物体を止めるのに大きい力が必要なの は(激しい運動) 運動の激しさ(勢い)を表す 衝突 気体分子・飛び降り・車の衝突・彗星の衝突・ 銀河・放射線と原子 分裂 投擲・大砲・ロケット • 速く動く物体 • 重い物体 • 急に止める (速度) (質量) (時間) 運動量=質量×速度 → p mv 大きさ:mv, 向き:速度と同じ 単位: kg・m/s 2.11.1 運動量の変化と力積 質量 m の物体に一定の力 F を加えて t 秒間加速したときの運動量変化を考える Δt 秒間の速度変化 at at2 at1 v 2 v1 F a m F t v 2 v 1 m 2.11.1 運動量の変化と力積 t 2 t1 運動の法則 p2 mv 2 v1 F v2 t1 F 力×作用した時間 =力の作用後の運動量-力の作用前の運動量 =運動量の変化 Ft mv 2 mv1 p 2 p1 p1 mv1 Ft mv 2 mv1 p 2 p1 p t2 問 2-38 Ft :力×作用した時間 = 力積〔N・s〕 運動量の変化は力積に等しい F t p 補充問題 速度20m/sで走る質量1500kgの車が壁に衝突し、衝突 運動量は物体の 質量 × 速度 で表されるベクトル量 後の速度が-4.0m/sになった.この衝突が0.20秒間続 である.物体に力がはたらいたときの運動量変化は いたとすると、衝突による力積は 3.6 10 4 kg・m/s 力積 に等しい。ここで, 力積= 物体に加えられた力 × 力の作用した時間 で ある. であり、車に作用する平均の力は 1.8 10 5 Nである. 衝突前の運動量: p1 1500 20 3.0 10 4 衝突後の運動量: p2 1500 4.0 0.60 104 力積 I は運動量変化に等しいから I p p2 p1 0.60 10 4 3.0 10 4 3.6 10 4 車に作用する平均の力: F p t 3.6 10 4 1.8 10 5 0.20 1 問 2-40 吹き矢の実験 10 m/s で走る 1000kg の車の持つ運動量は 10000(1.0×104) 〔kg・m/s〕である.この車に後ろ向 きに 400 N の力を 10 秒間はたらかせたとき,速度は 6.0 〔m/s〕である.車を静止させるにはさらに 15 吹き矢の筒の長さと飛行距離の関係 筒が長い → 矢が力を受ける時間が長い → 受ける力積が大きい 秒間 この力を加え続けなければならない. ヒント: mv 運動量小 速度小 F t m v mv Ft 1000 v 1000 10 400 10 1000 v 10000 4000 6000 v 6.0 m/s F t 1000 0 1000 6.0 400 t 400t 6000 t 15 s mv 運動量大 速度大 問 2-41 物体に加わる力 ボールを受け止める • 力を弱くしたい → 力をはたらかせる時間を長く する • 力がはたらく時間が短い → 力が大きい 床に物を落としたとき(エアバッグ) 物体の運動量の変化と物体の受ける力積の関 係は F t mv mv 0である.一定の大きさの 力積を受けるとき,足を曲げることで足が地面 に付いてから止まるまでの時間Δt を長くでき るため,同じ力積を及ぼすために足にかかる力 F は,膝を曲げないで着地するときより小さい. • 固い床:力がはたらく時間は短い→力は大→破壊 野球やゴルフのボールを遠くへ飛ばす • 大きい速度(大きい運動量)→ 大きい力積 → 大きい力を長時間加える • ボールとバットの接触時間を長くする 2.11.2 運動量の保存 (p64) 互いの物体には同じ大きさで反対向きの力がは たらく(作用反作用の法則) → 同じ大きさで反対向きの力積がはたらく 互いの運動量変化は同じ大きさで反対向き → 両物体の運動量の和は変わらない 体の運動量 足が受ける力積 -mv0 FΔt 2.11.2 運動量の保存 (p64) 衝突前の速度を 衝突後の速度を v1 , v 2 v1 , v 2 m1v1 m1v1 Ft m 2v 2 m 2v 2 Ft 力積の部分を消去して 衝突 Ft 力積 運動量減る Ft 同じ大きさで互いに反 対向きの力積 m1 v1 m 2 v 2 Ft m1v1 m 2v 2 m1v1 m 2v 2 Ft v1 v 2 衝突の前後で運動量の和が変化しない 運動量増す → 運動量が保存される 2 2.11.3 反発係数 弾性衝突での運動量の保存 反発係数 e(跳ね返りの仕方を表わす係数) 衝突後の速度差 v v1 e 2 (0≦e≦1) 衝突前の速度差 v 2 v1 v1 v1 v2 v 2 mv1 m 0 mv1 mv 2 v1 2 v 2 v1 2 • 運動量保存の式(上向きの速度を正にとる) 3mv mv 3mv1 mv 2 • 反発係数の式 m 2式から 反発係数や質量が違っても衝突において運動量は 必ず保存される 実験(分裂での運動量の保存) 質量の同じ2台の台車を並べておき,バネで他方を 押したとき,2つの台車の速度はどうなるか? v 2 m v 2 v を求めると, v v 2 2v m v1 3m 実験(分裂での運動量の保存) 片方の台車におもりを載せ,重さを2倍にしたら, 速度はどうなるか? v1 2v 2 v1 v 2 v1 v 2 v 2 v1 v v m 0 2m 0 mv1 2mv 2 m 0 m 0 mv1 mv 2 m v2' m 1 v2' m v 2 v1 すっ飛びボール(衝突後の速度の方が速い) 衝突後合体させると,衝突後の速度はどうなるか? v1 v1 0 m 完全非弾性衝突での運動量の保存 v1 v 2 v1 0 v1 v1 • 反発係数=0(完全非弾性衝突) 衝突後の速度差=0 衝突後合体,跳ね返らない v 2 v1 0 v1 mv1 m 0 mv1 mv 2 1 • 反発係数=1(弾性衝突) 衝突後の速度差=衝突前の速度差 壁に当たったと同じ速さで跳ね返る 0 片方の台車を止めておき,片方を衝突させる.衝突 はバネを介して行われるとすると,衝突後の速度は それぞれどうなるか? v1 v 2 m 2m 3 問 2-42 物体の衝突において,運動量保存の法則が成り立つから, m Av A m Bv B m Av A m Bv B 反発係数から, e (1) v B v A vB vA (2) 数値を代入して, 500 10 1000 10 500 v A 1000 v B (3) v v A 0 B (4) 10 10 (4)式から, v A v B (5) V v A v B (5)式を(3)式に代入して, 5000 3.3 1500 両車とも3.3 m/sで動く 2.12.1 角運動量 (p66) 角運動量 L :運動量のモーメント 半径 r の円を速度 v で回転する質量 m の 物体の角運動量 L rmv 角運動量は一定(大きさも向きも変わらない) ジャイロ(ロケットの姿勢制御) 原子核の周りの電子 フィギュアスケート 腕を縮めると回転が速くなる 角運動量一定→回転半径を縮める→回転速度大きくなる 力F 運動量変化と力積の関係 r mv mv 0 Ft mv の両辺に r を掛けて rmv rmv 0 rFt L L 0 rF t 力のモーメント (力のモーメント)×(作用した時間)だけ角運 動量の向きや大きさが変化 角運動量の保存 惑星や月の運動 L rmv 問 2-44 角運動量は回転運動している物体の 回転半径 × 運動量 で表される. 物体に 力のモーメント が加わると角運 動量の大きさや向きが変化する.地球の 自転の角運動量の向きは, 自転軸の方向で北向き である. アメリカンフットボールのパス ボールに回転を与えて投げる→回転軸の向き一定 4
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