原油価格値下りでも進捗する中国のプロジェクト

原油価格値下りでも進捗する中国のプロジェクト
2 月 2-3 日、シンガポールで Argus 主催によるセミナーが開催された。
テーマは”A Feedstock
Revolution”ということで、原油価格下落を踏まえた今後の石化の動向を中心とした、初め
てのセミナーである。3 月末には米国で恒例の石化会議(AFPM)が開催される予定である
が、その前週には IHS による石化セミナーが開催される。当然のことながら、新たな原油
価格に対して、今後石化業界がどのように展開していくのか、ということが主な主題にな
るであろうと思われる。今回の Argus のセミナーはそれに先駆け、石化の Feedstock の大
きな変動の影響をテーマに開催されたものである。特に中心的テーマとなったのは、中国
の石炭化学への影響であるが、結論的には石炭系プロジェクトは競争力を維持することが
可能で、引き続き推進していく見方である。特にプロピレンについては、CTO は競争力と
しては優位性を維持できるものの、MTO についても OCP(Olefin Cracking Process)と
の併用で副生する C4-C6 留分を分解することにより、エチレン、プロピレンの回収率を上
げることが可能であり、また必要に応じブテン、ブタジエンの回収も可能ということであ
る。原油価格が$50/BBL になっても競争力を維持できるとのことである。これは、既に UOP
と Wison が共同技術で昨年 MTO を稼働しており、実績をベースにした説明であった。
Wison の見方では 2015-16 年にかけて、MTO は 540 万トンが稼働すると見ている。
CTO プラントにおいては、既に建設中のプラントは 600 万トン近くに及んでおり、2015-17
年に稼働する予定である。その他進行中、申請中等準備段階のプロジェクトも依然多く、
現在でも 650 万トン程度に及んでいる。
一方石油系プロジェクトについては、見直しが必要となるであろうとの見解であるが、新
たなプロジェクトは原料の多様化、環境問題対策、効率化が前提となっていることから、
既存プラントの新増設については、見直しが必要となるであろう。米国、中東のプロジェ
クトについは、原料の優位性については基本的に変わらないものの、建設費の高騰、人材
確保等原料以外の問題により、時期的な見直しはあるが、基本的には進捗するとの見方で
あった。従って今後も米国、中東、中国の 3 拠点による新増設の構図は変わらないとのこ
とである。また、PDH プロジェクトについても、LPG の先安感から米国、中国で進行する
見込みであり、特に中国では 2020 年末で、プロピレンの自給率は 94%に達すると見ている。
ナフサ価格の値下りにより、軽質原料との競争力格差は縮小するが、2018 年にかけて誘導
品の競争が激化することが予想され、ナフサ系プラントも一層軽質化を図り、コスト削減
する方向になるであろう。