定例記者会見資料 「結城市新工業団地事業構想」について

平成 27 年 2 月 24 日
定例記者会見資料
「結城市新工業団地事業構想」について
~(仮称)結城第一工業団地上山川北部地区~
1.構想策定の主旨
第 5 次結城市総合計画に掲げられた工業分野の基本施策「ものづくりと創造の力を育
む工業の振興」では,産業基盤の整備と雇用の場を確保し,地区活力の創造を図ること
を目的に,結城第一工業団地矢畑地区の企業誘致促進と併せ,さらなる産業拠点の形成
や雇用の確保について検討する必要があるとの課題が提起されてい る。
結城市の産業拠点(工業集積地)は,結城第一工業団地(A~D地区),才光寺農工団
地,西繁昌塚工業団地に加え,平成 20 年度から造成事業を開始した結城第一工業団地矢
畑地区の順調な企業進出により,全ての地区において企業が立地し,市や土地開発公社
が所有する分譲地(余剰地)は無い状況である。
近隣自治体では,茨城県古河市に進出した日野自動車(株)本社工場の機能移転をに
らみ,新規の工業団地造成計画を進めている自治体が複数見受けられ, 本市においても
茨城県や市議会などから更なる産業拠点(工業用地)検討を行うべきとの意見が出され
ており,新たな産業拠点の形成に関し期待が高まっている。
こうした状況を鑑み,市では平成 24 年度から「工業用地検討調査事業」として,新た
な産業拠点の可能性について検討を開始し,平成 25 年度は 5 箇所の候補地区を対象に,
開発条件や土地利用計画の実現性,事業性等,多角的な視点から比較検討を行い,望ま
しい候補地として 2 地区に絞り込みを行った。
さらに,平成 26 年度は候補地 2 地区のうち,市内部の検討によって選定した 1 地区を
対象に,計画の具体化に必要となる土地所有者等の基礎情報を整理するとともに,関係
機関への排水条件等の確認及び過年度の事業フレームの精査等を行 い,本構想を策定し
たものである。
2.新たな工業団地の必要性
(1) 工業用地の需要増加
近年における新たな工業用地の需要ニーズは高まりを見せており,結城第一工業団地
矢畑地区の状況をみても平成 24 年度以降,次々と進出企業が決定し,交渉中の企業を合
わせると分譲用地は完売の状況にある。
また,県西地域エリアでも日野自動車㈱関連企業が既に 4 社進出しており,平成 28
年度に日野自動車㈱本社工場の全面稼働が開始されると,現状以上の需要ニーズが見込
まれると,茨城県や近隣自治体では想定している。
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結城市の地理的状況(交通アクセス,地勢など)を考慮すると,販売価格が安価であ
れば,充分な需要ニーズが見込まれるものと考えられる。
(2) 就業・雇用の場の確保(定住化促進施策の一環)
本市の人口は平成 7 年をピークに横ばい・減少傾向に転じ,土地区画整理事業等によ
り定住人口の確保を図っているが,依然として人口減少や少子高齢化への対応が求めら
れている状況にある。
新たな工業団地整備・企業誘致は,雇用創出と連動した定住促進の面からも必要性が
高く,市全体の発展に向けて「産業が盛んで就労の場が多い活気あふれるまち」を望む
議会や市民の意見を踏まえ,市のまちづくりの課題を解消するための一つの方策として
期待されるものである。
(3)市財政基盤の強化
工業基盤の強化は,市の財政基盤強化を図るうえで有効な方策の一つであり, 農地利
用されていた土地が工業用地に転換された場合,土地の税収増加に加え,建物(償却資
産含む)の固定資産税や市街化区域編入に伴う都市計画税分の増収が見込まれ,税財源
の増収が図られる。
これにより,安定した歳入の確保が見込まれることから,市の財政基盤が強化され,
強い自治体づくりが期待できるため,多くの自治体では,大きな効果を生む事業として
捉えている。
3.事業構想適地の検討及び決定方法
新たな工業団地の開発適地については,現行の農業及び都市計画制度に基づき選定す
るため,「市街化区域内における用地確保の可能性」,「市街化調整区域における用地確
保の可能性」の順で可能性の検討を行った。
本市の市街化区域には,新たに開発できる用地が無く,市街化調整区域については,
全域が農業振興地域であり,そのうち約 7 割が農振農用地となっている。残りの約 3 割
が農振白地であるものの,優良農地や住宅等が分布していることから,開発を行うため
のまとまった土地が確保できない状況である。
従って,新たな工業用地整備のためのまとまった用地を確保するためには ,止むを得
ず農振農用地を含める必要がある。
「都市計画と農林漁業との調整措置(農林水産省)」や「都市計画運用指針(国土交通
省)」に基づく各種条件,上位計画の位置づけを考慮して,農振農用地を含む全ての市街
化調整区域において用地確保の可能性がある 5 箇所を抽出し,その中で様々な視点から
検討を行い,既存市街化区域及び工業団地に隣接しているとともに,県及び市が目指す
産業拠点形成の方針に合致しており,計画的な開発を行う上で望ましい地区として「(仮
称)結城第一工業団地上山川北部地区」を選定したものである。
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4.事業構想の概要
選定した地区の整備計画(案)は以下のとおりである。
(1) 構想地区(候補地区)の名称及び位置
●名称
(仮称)結城第一工業団地 上山川北部地区
●位置
結城市大字上山川字石堂及び字大久保並びに谷迎の一部
【候補地区】
(仮称)結城第一工業団地上山川北部地区
(A=31.6ha)
(2) 事業構想面積
●構想地区総面積
約 31.6ha
(うち分譲面積
●地権者数
約 100 人(官公庁含む)
約 26.5ha)
(3) 事業費(支出ベース)
●約 23 億円以上[工事費(道路築造,調整池,上下水,造成)・移転補償費・
調査設計費等の概略事業費] ※ただし,用地買収費は除く。
(4) 事業主体及び整備手法
●検討継続中
「市土地開発公社による全面買収方式の工業団地造成事業」
または
「土地区画整理組合施行(地権者が組合を設立)による土地区画整理事業」
のいずれかによる。
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