ニペソツ山 正月山行 日時 2014年12月30日~2015年1月2日 メンバー L 秋元、栗山 ルート 幌加林道~ニペソツ山南陵~ピーク 今年の正月はどこへ行こうかと思案していたところ、栗山氏よりニペソツに行かない かと誘われ決行に至った。これまで、このチームで行動し天候に恵まれなかったり、目 出帽忘れて凍傷になったり、寝坊して行動時間少なくなったりと、予定通りに事が運ん だためしがない。まぁ、楽しければそれでよいというスタンスなのであまり気にしては いないが。 12 月 30 日、前日に仕事納めをして早朝 4 時に集合し、札幌を出発する。非常に眠た いが相変わらず、車内でしゃべり続けて現着は予定通り 9 時。ここで問題が発生する。 予定では幌加ダムから開始する予定であったが、ダムまでの道は雪で閉ざされており、 1.5km 手前からの国道分岐出発。長い幌加林道をひた歩く。 本来であれば軽いラッセルでどんどんと距離を稼ぎたいところだが、今年の雪は名づ けて“小麦粉雪”。踏んでも踏んでもムニュムニュとした雪質で歩きずらいのなんのって。 そういえば先日の山行でも同様の雪質で、歩いて悪し、滑って悪しのやっかいものだ。 結局、林道沿い C1004 峰についたのが 15 時。決して歩が遅いわけではないのです。 しかし、今日の予定では南陵の取りつきまで行く予定であるが予定の半分しか進みませ ん。 幌加橋についたところで 15 時 30 分。行程の中で最もルートファインディングが必要 な幌加川三股をどう超えるかが核心ともいえる。 この山域は、雑木がきわめて濃く、地図を読んで最短距離で進むことは困難であり、 林業で使用した入り組んだ迷路のような道?が常に行く手を惑わせる。まず、幌加川右 岸沿いに道があり 30 分ほど誘われるがままに歩く。川は雪が少なく渡渉ポイントは限ら れているのは確認済みだ。歩いていると途中でぱったりと道が途切れる。諦めて渡渉を 繰り返しながら沢中を詰めていくが、スノーブリッジが崩れたり何なりで、暗くなり諦 めて C1000 あたりを本日の C1 とした。 12 月 31 日、6 時 30 分に C1 を出発し、予定ではピークを目指す!!・・・が、両岸 が迫ってきており、朝一から左岸の崖登りスタート。これって、正規ルートなの?と思 いながらも歩を進める。一旦左岸の台地にあがり、C1050 あたりで沢を渡渉しようかと 思っていると、またしても作業路に吸い込まれていく。 三股あたりは非常に切り立った深い沢で対岸に進むには勇気がいる。川の流れはゴウ ゴウとうねっており、まずは右股を渡渉。はい、ザブン。右足の板を川に付けてしまい、 濡れたシールはたちまち凍って、雪が団子になってついた高下駄状態で歩く羽目に。次 は真ん中の沢。ハイボルダーサイズの岩群に道を阻まれ右往左往。登っては下り、右へ 渡り、左へ戻り。これは厄介。でもちょっと楽しい。山を歩く醍醐味だなぁとしみじみ 感じつつ。最後の左股は最も水量が少なく、スノーブリッジの形成も良好。C2 予定地の 南陵から派生する東稜 C1274 基部についたのが 9 時 15 分。ここまでで 3 時間も要して しまい、上空は冷たい風とガスの世界。この展開・・・だめじゃん。でも行きましょう。 トレースつけるだけでも違うからと言い聞かせ何とか C1500 まで上がる。途中、顔をみ せるニペソツ山は荘厳な山容で美しい。が、とてつもなく遠くはないですか?暴風とウ ィンドクラストの危険な雪質を確認し 12 時には下山開始する。常時雑木で込み合う山域 の中、沢沿いに唯一の疎林を発見しチョイト楽しむ。C2 に戻ったのが 14 時であった。 その夜は、とても冷え込みストーブを炊いても炊いても暖まらない夜で、微かに受診 しているラジオからは紅白歌合戦で、アナと雪の女王が何度も繰り返される。Smap が歌 い始めて白けたところで就寝。外は満点の星空であった。 1 月 1 日は天候不良との予報から、緩めの 8 時出発。歩き始めて 5 歩で大転倒をかまし てしまい、運悪く雪に埋没した木に太ももを強打ししばし悶絶からこの日ははじまった。 昨日のトレースに沿って高度を上げる。9 時に C1355 二股を通過し快晴のなか 10 時 50 分にスキーを履いたまま C1736 南陵に上がる。悪天を告げた天気予報に反して熱いく らいの快晴は続く。石狩地方が大雪だから、十勝型の天候はある意味わかりやすい。C1750 までシール登行し、ここからはアイゼン装着。北大命名の竜の背と呼ばれるのは南陵な のか、東稜なのか、報告からははっきりしないが、南陵はアルピニズムあふれる稜線で、 慣れないアイゼンワークに緊張させられる。息を切らしながらついに 13 時にニペソツ山 ピーク到着。なんと登ってしまったよ。正月から 2000m 越えは運が良すぎます。 記念写真をしっかり撮って下山。南陵 に戻ったころにはついにガスが出始め、 スキーを履くころにはほんのりホワイト アウト。疲労困憊でボーゲンもままなら ない子供スキー、はたまたおばさんスキ ーで 16 時 30 分に C2 に戻った。 1 月 2 日は帰路にあてる。昨日のピー クに立ったことで山の全容を把握しそう な気がするが、本当の全貌を知るのはこ の日であった。7 時 30 分に出発し、来た 時のトレースをたどるが、ふと周りに目をやるとすぐに作業道を発見する。もちろん沢 の渡渉は必要なのだが、作業道を追うように歩いていくと幌加川左岸に縦横無尽に作業 道が走っていることを発見する。比較的幅員の広い作業道をたどると C950 くらいまで続 いており、初日にたどった作業道を対 岸に発見する。川は、雪で確認しづら いが壊れた丸太の橋脚があり、重機が 本流を渡っていたことを予想させる。 結局、9 時 30 分には幌加川橋に着き、 13 時には車に戻った。 振り返ると、来るときに 10 時間を要 した道のりは作業道を使用することで 6 時間にまで短縮されたのであった。 正月から 2000m はいいのだが、 そんな わかりやすい道があるなら誰か教えてよ!ってゆうか、気づけよ俺たち!! 帰路のトラック (文責 秋元 健太郎)
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