第4学年 算数科学習指導案

第4学年
算数科学習指導案
1
単元名
記録を見やすく整理しよう
2
目標
・資料を分類整理して表にまとめることのよさに気づき、生活に用いようとする。
(関心・意欲・態度)
・目的に応じて分類整理する観点を設け、表から資料の特徴や傾向についてとらえることができ
る。
(数学的な考え方)
・資料を落ちや重なりがないように調べ、2つの観点から分類整理して表に表したりその表から
資料の特徴を調べたりすることができる。
(技能)
・資料の分類整理の仕方やその結果をまとめた表の表し方、特徴の調べ方を理解する。
(知識・理解)
3 指導にあたって
(1)教材観
第3学年の「ぼうグラフと表」の単元において、簡単な観点から項目を選び、資料を落ちや重なり
がないように棒グラフや表に表したり、それらを読んだりすることを学習した。また、けがの種類を
月ごとにまとめるという簡単な二次元表の学習も行っている。
本単元では、資料から目的に応じて2つの分類項目を選び、二次元表に整理する活動を行うことに
なる。2つの観点を同時に見ることができるという二次元表の良さを味わわせたい。また、この単元
では、資料をもとに表をつくったり、読んだりすることだけではなく、目的に応じて資料を集め、そ
の資料を分類整理し、特徴や傾向をとらえる能力を伸ばすこともねらいとしている。
また、先週、図書室の本を利用したか、しなかったか、今週利用したか、しなかったかというよう
に、関連のある2つの観点から資料をそれぞれ「イエス」「ノー」と分類すると、4つの項目に分類整
理できることなども学習する。
3年
「⑰ぼうグラフと表」
4年
「⑨整理のしかた」
・簡単な観点から資料
を分類整理すること
・簡単な二次元表
・2つの事柄に関して
起こる場合について資
料を分類整理すること
・上記のことを二次元
表にまとめて特徴を調
べること
5年
「⑫百分率とグラフ」
・目的に応じて資料を
分類整理すること
・上記のことをまとめ
た円グラフ、帯グラフ
(2)児童観
全体的に活気があり、積極的に手を挙げる児童が多い。しかし、発言したいときに当てられないと、
機嫌や態度が悪くなってしまう場合もある。そのためか、ガイド学習などで児童に発言者を決めさせ
ると、時間がかかってしまうこともある。
課題や問題については、おおむね落ち着いて取り組むことができるが、すぐ「できない」「分からな
い」といって、考えることをやめてしまう児童もいる。また、「間違えることは恥ずかしいことじゃな
い」と日頃から指導しているものの、自分の考えに自信がないとなかなか発表できない児童もいる。
全体としては、授業はみんなでしっかりやらないといけない、という意識のある集団といえる。
本単元の学習にあたっては、特別な支援を必要とする児童はいないと思われるが、見慣れない表に
戸惑ってしまうことは充分予想されるので、一次元表の見方の確認や、2つの観点を同時に表す表を
考える時間などを充分確保したい。
4年-1
(3)指導観
二次元表をつくり、一次元表と二次元表を比べることで、二次元表の良さを味わわせたい。また、
児童自らが二次元表を作り上げていく過程を大切にすることで、資料を分析したり、傾向を知ったり
するなどの力を育てていきたい。そのために、分類整理の観点や項目や手順を児童自らが選び、決め
ていく活動の時間を保障したい。
分類にあたっては、まず、1つの観点についての項目を資料から正確に読みとれるようにし、それ
ぞれの事例の総数と各項目の度数の合計が一致することを確かめる。特に合計については、作成した
表が間違ってないか確かめる材料になるので、確認する習慣をつけさせたい。 また、後半で取り上
げている「本の貸し出し」の二次元表は、2つの観点AとBによって、
「A」と「Aでないもの」、「B」
と「Bでないもの」の4つの項目で分類を行うことを正確に理解させたい。
(4)校内研究とのかかわり
本校では、
『自ら考え、共に学び合う子の育成』という研究主題をもとに、①学習の進め方を身につ
け、自ら学習に取り組む子の育成、②少人数学級を生かした関わり合う授業(算数科)の工夫、とい
う2つの重点を定めている。
①については、なるべく授業の進め方をパターン化することで、児童がその時間の見通しを立てや
すいようにしてきた。また、単元の初めに、その単元で学習することやできるようになることを伝え
るなど、単元全体の見通しを持たせるようにしてきた。
②については、
「みんなで聴く」ことを強調してきた。関わり合って学習することにおいて、人の意
見をきちんと受け止めることが絶対に必要な条件であるが、現時点では、みんなでしっかり聴く力が
充分あるとは言い難い。誰かが話しているときは勝手にしゃべらない、話す人の方を向く、最後まで
聴く、ということを繰り返し指導しなければならない現状である。
また、少人数ということもあり、全員が考えを発表することも大切にしてきた。分かったことにつ
いて発表することはできるが、今後は「ここまでは分かったけどここが分からない」というような分
からないときの言い方もできるようにさせたい。
また、①と②を促進するためのものとしてガイド学習に取り組んでいる。先生に教えてもらう、の
ではなく、自分達で協力して課題を解決し、その学習内容を自ら学び取っていくという意識を育てて
いきたい。そのために、考えるべきところで教師が安易に教えてしまわないよう心掛けている。
4.単元計画(総時数5時間)
次
(
時
)
第
一
次
(
1
時
)
○指導と●評価
◆評価規準に達しない児童への手だて
学習活動と主な思考の流れ
〈正しく表を作って調べよう〉
けがの種類は何が多いか、またけがの多い
場所はどこか
・3年生のときにこんな表を作ったぞ
・気をつけることは何だったかな
落ちや重なりがないように表を作って調
べられた
○けがの経験を聞き、課題に対する意欲を高め
る
●資料から、落ちや重なりがないように一
次元表を作成している【技能】
[ワークシ
ート、観察]
◆資料に一つずつ印を入れさせながら表を作ら
せる
4年-2
(
2
時
)
本
時
・本当に「教室ですりきず」のけがが一番多い
のかな
〈どんなけがが、どこで多いか調べるには、ど
んな表にすればいいか〉
・今までの表だとうまくいかないな
・今までより大きな表になりそうだな
たてにけがの種類、横にけがの場所をかい
た表にすればいい。たてと横を見れば分か
る。
(
3
時
)
<目的に合った表を作れるようになろう>
○どこでどんなけがが一番多いか予想させ、今
までの表では分からないことに気付かせる
●表を見て、どんなけがが、どこで多いか
読み取り、説明している。
【数学的な考え
方】[ワークシート、発言]
◆二次元表に定規をあて、読み取りやすくする
やり方を教える
○目的と、それにあった2つの項目を自分で選
ばせる
●目的に応じて資料を分類整理し、作成し
た表から傾向や特徴をとらえることがで
きる。
【技能】[ワークシート、発言]
●自ら観点を設定しようとしている【関
心・意欲態度】
〔ワークシート・観察〕
・どっちを調べようかな
・多分二次元表を作ればいいんだな
・何と何の二次元表にすればいいのかな
目的に合った表を作れるようになった
◆表を作るための項目を1つ与える
(
4
時
)
〈先週と今週のようすを表すにはどんな表に
すればいいか〉
・多分二次元表を作ればいいんだな
・「~した」、「~しない」も今までと同じよう
に二次元表にできるのかな
先週と今週のようすを表すには、4つに分
けた二次元表にすればいい
(
5
時
)
〈学んだことをふり返ろう〉
・合計を見れば、いくつ足りないか分かるぞ
・この表の読み取り方はどんなだったかな
・二次元表を作ったり読み取ったりできるよう
になったぞ
二次元表の読み取り方がよく分かった
○先週も今週も借りた人は何人か、この表から
は分からないことを確認する
●2つの分類項目をもつ資料を、2つの観
点から分類整理して表に表している。
【技能】[ワークシート、観察]
◆ノートを見返させ、縦と横に広がるような表
を書いてみるよう勧める
○「しあげのもんだい」に取り組む
○単元をふり返っての感想などを聞く
●本単元での基本的な学習内容を身につ
けている。
【知識・理解】
[ノート、発言]
◆ノートを見返させ、同じような問題をどのよ
うに解けばよかったかを思い出させる。
4年-3
5.本時の学習(第一次中2時)
(1)題目
記録を見やすく整理しよう
(2)本時のねらい
資料を二次元表に整理することができる。
【技能】
(3)期待する関わり合いの姿
・自分の考えを、表や言葉を使ってわかりやすく説明しようとしている。
・友達の考えを聴き、自分の考え方と比べながら理解しようとしている。
(4)学習過程
学習活動と主な思考の流れ
時
○指導と●評価
◆評価規準に達しない児童への手だて
1 前時を振り返る
3
・落ちや重なりなく表を作ったぞ
・でもどんなけがが、どこで多いかは分からなかったぞ
2
本時の課題を確認する
3
○今までの表では分からないことを
確認し、新しい表の必要性を感じさせ
る
5
○ワークシートを配る
どんなけがが、どこで多いか調べるには、どんな
表にすればいいか
・どんな表にすればいいかな
3 表の枠を見て、どんな表になるか考える(全体)
・前回の表の言葉がそのまま入らないかな
・去年勉強した表はどうだったかな
4
みんなで考えた部分をもとに、残りの部分を自分で 15 ○ある程度みんなで表のかき方を考
やる(自力解決)
え、参考にさせる
・落ちや重なりがないように注意するぞ
●資料を二次元表に整理して
・全部表にかくのはたいへんだぞ
いる【技能】[ワークシート、
発言]
5
全員で表を作り、答え合わせをする
7
6
できた表からけがの傾向を読み取り、二次元表の良 4
さを味わう
・この表ならどんなけがが、どこで多いか一目でわかる
ぞ
・たてと横を見て読み取ればいいんだな
・
「○○で◇◇」のけがをした人が一番多い
・この表じゃないとわからないんだね
6
まとめる
5
○どんな言葉でまとめればよいかキ
ーワードを与えて考えさせる
3
○ノートに振り返りを書かせる
たてにけがの種類、横にけがの場所をかいた表に
すればいい。たてと横を見れば分かる
7 学習を振り返る
・自分で表を考えるのがおもしろかった
4年-4
◆途中までどのように表を作ったか
思い出させる
○空いているところ全てをみんなで
かかせる
○きちんと読み取れているか問題を
出して確認する
○その他、できた表から読み取れるこ
とをきく
板書計画
教科書p2
教科書
の資料
p3の表
(少し内容を
(けがの種類)
<どんなけがが、どこで多いか調べる
には、どんな表にすればいいか>
けがの種類とけがの場
所についての二次元表
変えたもの)
この表から分かること
・
・
・
教科書
p3の表
(けがの場所)
たてにけがの種類、横にけがの場所を書いた表に
すればいい。たてと横を見れば分かる。
4年-5