【方法】 1.被験者 本研究の被験者は、変形性膝関節痛等を要しない

【方法】
1.被験者
本研究の被験者は、変形性膝関節痛等を要しない、健康な 50∼60 歳代
女性 60 名であった。これらの被験者には、事前に本研究の趣旨を十分に
説明し、理解と同意を得た。
2.測定項目および測定方法
1)身長および体重
身長および体重の測定は、タニタ社製の身長・体重・脂肪計(TFB−
202PNS)を用いた。
2)最大 2 歩幅
最大 2 歩幅として、バランスを崩さずに実施可能な最大 2 歩幅長を計測
した。測定は、両側つま先から最終位のつま先までの距離をメジャーを用
いて 1cm 単位で行った。練習を 1 回行った後、2 回の測定を実施した。2
回の測定のうち、高い方の値を身長で除して標準化した値を最大 2 歩幅身
長比として算出した。
3)Timed Up & Go テスト
Timed Up & Go テストとは、被験者がいすに座った状態から任意のタ
イミングで立ち上がり、3m 先のコーンをターンしていすに戻ってきて、
いすに座るまでに要した時間を測定するものである。練習を 1 回行った後、
2 回の測定を実施した。2 回の測定のうち、速い方のタイムを Timed Up &
Go テストの結果として採用した。
4)膝伸展筋力
膝伸展筋力は、オージー技研社製のマスキュレーターGT−30 を用い、
被験者の利き足について等尺性の筋力を測定した(膝伸展位 105°)。2 回
の測定を行い、2 回の測定のうち良い方の値を体重で除して標準化した値
を体重当たり膝伸展筋力として算出した。
5)バランス能力
バランス能力の指標として、閉眼片足立ちのタイムを用いた。被験者が
目をつぶり、両手を腰に当て片足を上げた時点から、片足が地面もしくは、
逆の足に着く、あるいは腰に当てている両手のいずれか、もしくは両方が
腰から離れてしまった時点までの時間をストップウォッチを用いて計測し
た。2 回の測定を行い、2 回の平均値を測定値として採用した。この際、
片足立ちの足は被験者に任意に選択させた。
6)柔軟性
柔軟性の指標として、長座体前屈を用いた。長座で腕を伸ばした状態か
ら膝が曲がらないで最大限両手で伸ばせるところまで前屈したときの値を
ヤガミ社製の長座体前屈測定器(WL−D50PNS)を用いて測定した。2 回
の測定を行い、良い方の値を採用した。測定値は、つま先を 0cm に設定し
ているため、指先がつま先を超えた場合、その値は「+」、超えなかった場
合は「−」で示した。
3.解析方法
各測定値間の関係は、ピアソンの相関係数を算出することにより検討し
た。その際、相関関係の有意性について検定し、有意水準が 5%未満の場
合、有意な相関があるとした。