チーム一丸で取り組んだ 排便コントロール 業務見直しのきっかけにも

病院は、 床︵地域包括ケア病棟入
医療法人社団聖愛会ぎおん牛田
自院の理念と照らし
導入を決定する
医療法人社団聖愛会
ぎおん牛田病院
院料 が 床、療養病棟入院基本
料 が 床︶で、ポストアキュート
導入したところ、1カ月後には、
﹁下
痢が治まった﹂﹁便臭が弱まってき
た﹂といった声が看護師から挙がっ
てきた。効果の確認を目的にいった
ん使用を止め、元の液体流動食に戻
したところ、下剤の量の増加や便臭
の再発生が確認され、効果が改めて
実感された。この結果を受けて、今
年3月に院内全体で食物繊維による
排便コントロールに取り組むことが
決まり、原則的に同製品を経管栄
養管理している全患者に導入するこ
とになった。法人事務局の日浦肇主
任は、
﹁当院は
﹃家族のようなあたた
かさを、医療とともに。
﹄を理念とし
て掲げています。性能の良い製品を
採用することで、患者様の苦痛軽減
やご家族様の負担軽減、さらに院内
どんなに衛生状態に気を配っても院
により水様便状になることが多く、
多く下剤で対応していたが、反応便
L経管栄養患者は慢性的な便秘が
は1・5㎉/㎖の少量高エネルギー
グ﹂の製品説明会を開催した。これ
動食品﹁アイソカルサポート Ⓡバッ
水分解物︶を高含有している濃厚流
な食物繊維PHGG
︵グアーガム加
を中止することとした。
医師の指示のもと一部の患者の下剤
ものぼり、まずは患者の状態を考え
環境の改善につながると考え、導入
内に便臭が漂ってしまうのが悩みの
なのが特徴で、勉強会に参加した管
今回の対象者は全フロアで 人に
を決めました﹂
と話す。
種だった。誤嚥も多く、リスク面か
たいと思いました﹂
と話す。
出たうえ便の性状も変化。
﹁アイソ
当初の悩みであった便臭について
ションを保ちつつ取り組めたのだ。
者
︵下痢1人、便秘4人︶
に試験的に
CS
︵顧客満足度︶とES
︵従業員満
日浦主任は、
﹁病院経営においても、
ことで、経営面にも効果があった。
ある便が出るようになったという。
﹁排便コントロールの重要性﹂と題し
も介護士の四通ひとみ氏は、
﹁患者
足度︶
のバランスは重要です。CSの
導入後は形の
カルサポート Ⓡバッグ﹂
師を対象に勉強会を兼ねて高機能
様の便の状態が良くなったのに合わ
視点で言うと、こうした製品を使う
月から早速同製品を5人の患
吊り下げ式なので、衛生面も安心だ
せて、院内の臭いもなくなりました。
ことで衛生環境が保たれ、患者様や
め、経腸栄養剤の使用に加えて腸内
内の有用細菌の減少が考えられたた
者もいた。腸内環境の悪化による腸
1カ月あたりのおむつ代が5000
いたが、使用量が減り、結果として、
によって、おむつの使用量が増えて
された。別の患者ではこれまで下痢
患者の身体的負担と薬剤費が削減
3本を使用していたがゼロになり、
下剤︵ピコスルファートナトリウム︶
取り組みの結果、
ある患者の場合、
と話す。
いても製品効果を実感しています﹂
コストだけではなく労働力の面にお
につながります。経営面としては、
度が減ることにより業務負担の軽減
ルで呼ばれる件数やオムツ交換の頻
り、ESの視点で言うとナースコー
らも支持される病院づくりにつなが
ご家族様に喜んでいただけ、地域か
環境を整える必要があると推察し
∼1万円減るとともに、介護者の手
ロールに成功した患者様がいたら、
田真由美看護部長は、
﹁排便コント
れをどう乗り越えたのだろうか。上
効果の出にくい患者がいると、病
棟のモチベーションが下がるが、そ
づきました﹂
と振り返る。
腸内環境を悪化させていたのだと気
制的に出していたことで、患者様の
交換をすることで、介護士が担って
護と介護で話し合い、一緒にオムツ
態やオムツ交換の頻度に目を向け看
ルを行うにあたって、改めて便の状
熊谷看護師長は、﹁排便コントロー
理解と連携が進んだという。
て、職種の垣根を越え看護と介護の
回の排便コントロール導入を通じ
さらに、副次的な効果として、今
に業務の改善に力を入れていく。
同院では今回の経験を糧に、さら
た。そこで整腸剤や生菌製剤を処方
間をリハビリに振替えるなどの有効
その事例をほかのフロアにも伝え、
いる業務の大切さを改めて実感する
利用が可能になった。
共有することで、病院一丸となって
また排便コントロールに取り組む
ことができました﹂
と語る。
る。これにより、スタッフはモチベー
取り組めました﹂
と、成功の秘訣を語
熊谷旬子看護師長は、
﹁下剤で強
し、徐々に効果が現れたという。
ので効果的でした﹂
と話す。
水様便の臭いはどうしても肌に残る
して地域で大きな役割を果たしてい
効果は早速現れ、同製品を使用し
た患者はほとんどの場合、下剤を止
http://www.smile-seiaikai.com/
理栄養士の松浦奈緒氏は﹁担当者の
■施設 DATA
医療法人社団聖愛会
ぎおん牛田病院
広島県広島市安佐南区
西原 8 - 29 - 24
TEL:082 - 850 - 3116
らも対応する必要性を感じていた。
(撮影:廣段 武)
るなど、さまざまな効果を生み出した。
めたにもかかわらず、便がきちんと
下剤の使用を減らすとともに、院内の便臭の問題を解決す
方から製品の説明を聞き、使ってみ
を導入し、チームで排便コントロールに取り組み、
ト® バッグ」)
そこで昨年9月に栄養科主催で
能な食物繊維を高含有している流動食(「アイソカルサポー
た院内勉強会を実施。翌月には医
とサブアキュートを担う医療機関と
は、看護師、介護士、管理栄養士がネスレ株式会社の高機
る。患者はADLが低い高齢者が多
く、半数以上が経管栄養だ。低AD
その理由を管理栄養士の松浦氏
は、﹁それまで使っていたものに比べ、
﹃アイソカルサポート Ⓡバッグ﹄は食
物繊維の絶対量が少ないのに効果が
出ている場合があります。配合され
ているPHGGのおかげではないか﹂
と話す。
PHGG
︵グアーガム加水分解物︶
は、インド・パキスタン地方で栽培
されている﹁グアー豆﹂を精製分解し
てできる食物繊維で、同製品には
・ g配合されている。
アドバイスをもとに
腸内環境にも目を向ける
16
■商品問い合わせ先
ネスレ日本株式会社ネスレヘルスサイエンスカンパニー
東京都品川区東品川 2 - 2 - 20 天王洲郵船ビル 20 F
TEL:03 - 5769 - 6229 http://nestlehealthscience.jp/
チーム一丸で取り組んだ
排便コントロール
業務見直しのきっかけにも
30 90
とはいえ、すぐに効果が出ない患
アイソカルサポート ® バッグ
医療法人社団聖愛会ぎおん牛田病院(広島市安佐南区)
で
左から法人事務局の日浦肇主任、介護士の四通ひとみ氏、上田真由
美看護部長、熊谷旬子 2 階看護師長、管理栄養士の松浦奈緒氏
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バッグ
60
5
抜き刷り
[事例]
成功する排泄ケア
®
[紹介商品]アイソカルサポート
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2015.8 月号
入居者の QOLを改善
特集