東京YWCA財団広報紙 『Newsletter』 vol10

公益財団法人
Newsletter
Woman
2015 October
vol.10
Newsletterは、東京YWCAの事業活動を皆様にお伝えするための広報紙です。毎回特集で取り上げる事業を中心に、東京YWCAの今をお届けします。
東京YWCAは安全保障法制に反対しています。
特集
公益的な活動をするNGO・NPOからの依頼を受け、英日・日英の翻訳・通訳を無償で
語学
ボランティア
提供する国際語学ボランティアズ(International Language Volunteers :ILV/
いるぶ)。発足から25年の今も、さまざまな社会問題への取り組みを支援しています。
社会貢献 英語力で広がる可能性
「小児がんなどの子どもの、
心のケアを
う 子 ど も た ち を 支 え る た め に、ビ ー
師による講演・研修の通訳、
ビーズの
するプログラムのセミナーで、通訳を
ズ・オ ブ・カ レ ッ ジ ® プ ロ グ ラ ム や
頼みたい」
― ILV宛てに、
認定NPO法人
ファシリティドッグによる動物介在療
要でした。
シ ャ イ ン・オ ン・キ ッ ズ か ら 一 通 の
法を提供しています。ビーズ・オブ・
目指すのは、
無償でも質の高い
期待に応える 翻訳・通訳
説明書や研修テキストの翻訳等が必
メールが舞い込んだのは、2014年秋。
カレッジ ® では、子どもが治療の過程
近年、
海外の情報を取り入れたい、
また
で色とりどりのビーズを受け取り、繋
は情報を世界に発信したいと、語学力
いでいきます。
ファシリティドッグは、
ILVに よ る セ ミ ナ ー 通 訳 は、シ ャ イ
を必要とする団体からILVに次々と依
検査や手術に同伴し、ふれ合いを通し
ン・オン・キッズからの
「重要なセミ
頼が入ります。引き受けるのが難しい
て子どもに勇気を与えます。いずれも
ナーで、
通訳不在の局面を救ってくだ
ケースもある中で、シャイン・オン・
長期の入院生活において、受け身にな
さいました。
的確な通訳によってセミ
キッズの通訳依頼は公益性も高く、
ILV
り、
気力を失いがちになる子どもが、
自
ナーでは 濃い 情報発信ができ、おか
で協力することが決定されました。
尊心を持ち、病気に意味を見出して治
げさまでいまだに反響が絶えません。
」
療に前向きになれるようにすることが
という感謝と評価に繋がりました。
信
目的です。アメリカで考案されたプロ
頼を得て、
さらに翻訳3件と通訳2件を
グラムを導入したため、アメリカ人講
行い、
その活動に協力し続けています。
病気の子どもの支援のために
シャイン・オン・キッズは、病気と闘
ICU
ICU
Lumbar puncture
Hairloss
Chemotherapy
Isolation
Radiation
Pokes
Surgery
Transfusions
写真提供:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ
特集
ILVというボランティアの実際
語学
ボランティア
翻訳・通訳で問われる言葉力 + 背景の理解力
英語ができる 以上の力が、ILVでは求められます。発信者が言わんとして
いることを、別の言語で他者に伝えるには、読解力と表現力が必要です。
ま
た、言葉には背景があります。さまざまな社会問題とそれらに取り組む団
体(依頼元)の姿勢を理解しなければ、伝わる翻訳・通訳はできません。そ
のためILVでは研修会を開いたり、翻訳を分担したメンバーで仕上げの検
討会を行ったりします。言葉で社会の力になる ―その思いで、質の高い
翻訳・通訳を心掛け、
NGO・NPOの活動を後押ししています。
ファシリティドッグ ハンドラー研修で通訳を担当
写真提供:認定NPO法人シャイン・オン・キッズ
ILVのメンバーだから得られるもの
現在、登録ボランティアは55人。多くのメンバーが、
英語力を磨く目的で参加したが、多様な団体から依頼
を受けるILVでは、扱う文書が普段知る機会のない分
野のものであることも多く、知識が広がるのが面白い
と言います。また「自分のスキルが社会貢献に繋がり
嬉しい」
「仕事と違う達成感がある」
「チームで分担し
た翻訳の検討会で、言葉の意味や使い方を吟味しなが
楽しく、でも協議は真剣に!メン
バーによる委員会がILVを運営
ら訳を完成させ、皆の言語感覚の鋭さに感動した」等、
それぞれにやりがいを見いだしています。
変化していく社会のニーズに応える
情報を取り入れる時代から
情報を発信する時代へ
東日本大震災の後に必要とされた
被災者支援・震災の理解促進に関する翻訳
ILV発足(1990年)当初、多かったのは「海外の
福島県新地町の中学生が書いた震災体験の作文を英訳し、
広く震災のことを
英語文書を日本語に訳してほしい」
という依頼
知ってもらうための活動を支援しました。
災害時の緊急援助を行う団体のマ
でした。最近は国際的なネットワークを築いて
ンスリーレポートの英訳は、
報告等
NGO・NPOから「ホームページを英語にした
巻市の女性たちが作る手芸品に添
活動したり、海外からの寄付を募ったりする
に用いられました。
また、
宮城県石
い」
「ニュースレターや報告書の英語版を発行
えられたメッセージの英訳は、
海外
す。
日本の社会貢献活動がよりグローバルな視
うな依頼を受け、
ILVでは勉強のた
なったことが感じられます。
等を行いました。
したい」といった英訳の依頼が急増していま
点を持ち、積極的に世界へ働きかけるように
ILVメンバーになるには
ILVの活動に参加したい方のために、3月 ∼ 9月
に説明会と面談を行っています。
(要予約)
説明会参加者には課題文の翻訳をお持ちいただ
きます。詳細はホームページをご覧ください。 特
集
からの支援に繋がりました。
このよ
めに被災地支援団体の話を聞く会
被災地で作る「ちいさなちい
さな幸せの豆」のメッセージ
が世界に伝わるように
この取り組みに関するお問い合わせ先
国際語学ボランティアズILV ☎ 03-3293-5424
[email protected]
http://www.tokyo.ywca.or.jp/peace/ilv/
Topics 東京YWCAの最新の活動の中から、注目の話題をお伝えします。
DVを経験した人と協働するための支援者トレーニング
レクチャーと体験ワークを通じて
日頃の支援を振り返り、学び直した2日間
7月24、
25日に企業寄付や地元4団体の協力を得て青森で研修を主
催し、
公的機関や民間団体から相談員等の支援者20名が参加しまし
た。今回は被害者を女性に限定せず、
ゲイカップルのDVケースなど
性的少数者も含む内容で実施し、
多様な相談に対応できるように学
びを深めました。
「少し気持ちが軽くなり、パワーを得られた」
など、
相談員自身のケアにもつながり、
研修機会が少ない地方で行う意義
を感じさせられました。
11月にはフォローアップ研修も行います。
幼 稚 園や保育園の先 生と
共に学ぶ∼統合保育研修会
困った子を変えるのではない。
子どもに伝わるように大人が変わる!
発達に障がいもしくは遅れや偏りのある子どものため
の療育機関である東京YWCAキッズガーデンが大切に
している考え方の一つ、ABA(応用行動分析)
を用いて、
建設的で具体的な子どもへの対応を学ぶため実施して
います。新人ベテラン問わず保育・療育の専門職が、連
携の重要性を実感できる機会でもあります。
レインボーフラッグはオール
ジェンダーの象徴
ホームページリニューアル
「知る」
「 参加する」の入口に
さらなる情報発信に力を入れていきます
2015年春に東京YWCAでは、
ホームページの全面リニュー
アルを行いました。さわやか
なデザインと、
トップページの
メニューの見直しにより実現
した 、情 報 の 探しやすさが
好評です。ぜひ一度ご覧くだ
さい。
スマホ対応でらくらく閲覧
子どもの療育からはじまって
障がい者の「働く」
と
「暮らす」を支援
板橋地域で成人の障がい者を支援するNPO法人東京
YWCA福 祉 会 が 設 立 さ れ まし た。公 益 財 団 法 人 東 京
その子にとって最適なことは何か∼事例検討で熱い議論が続く
YWCAは、
その事業を支援します。
第5回東日本大震災支援バザー開催
リフレッシュステイの親子も福島から参加
子どもの健康をテーマに、
母親学習や子どもたちの保養を日常的な活動とする子
ども会
「YWCA福島キッズクラブ」
を、
東京YWCAのリフレッシュステイの参加者
が3月8日に福島で発足させました。7月4日の第5回東京YWCA東日本大震災支
援バザーに役員3人を招待し、バザー見学、
売り子の体験、
ボランティアとの交流
を行いました。
来場者は約600人。
互いに元気をもらった1日でした。
企業寄付でたくさんのものをいただきました