なるほどよくわかる 病気あれこれ ぜいじゃくせい [第 27 回] 脆 弱 性 骨折について 当院整形外科外来受診の患者さま、その多くは中∼高年の方々です。その中でちょ っと転んだだけ、あるいは全く転倒や打撲がないにもかかわらず、背中や腰や胸や股 のつけ根などに急でかつ強い痛みを訴え来院される患者さまを診ることがあります。 脆弱性骨折の疑いがありX線、場合によってはMRI検査が必要です。何らかの原因で骨がも ろく弱くなった状態であり、そのためごく軽度の外力や日常の生活動作程度でおこる骨折です。 骨脆弱の原因は、加齢による骨粗鬆症が最も多く、その他、関節リウマチ、ステロイド服用、 甲状腺機能異常などの内分泌障害などがあります。骨折をおこしやすい部位は脊椎(背骨)、肋骨、 骨盤、大腿骨近位(股のつけ根)、橈骨遠位(手首)などです。 その対策ですが、まず原因疾患の治療が必要ですが、その他一般的には骨粗鬆症に対する予防、 治療として運動、栄養、薬物があります。もちろん、おこった骨折に対する各々の治療も必要で す。ご自分では特に何もしていないのに、又はちょっと転んだだけでも骨折することがあります。 運動・栄養等に関するパンフレットは整形外科外来にございますので、お問い合わせ下さい。 ちなみに疲労骨折との違いは何でしょう。疲労骨折は 正常な骨に、繰り返し加わる引っぱりやねじれなどのス トレスでおこり、スポーツなどでもよくみられます。 ※ 脆弱…身体、器物組織などが、 もろく弱いこと。(広辞苑) 整形外科 黒川 紘二 ● ● ● 家庭での簡単リハビリ ● ● ● 〔第 23 回〕あなたの肩は大丈夫?∼肩関節周囲炎について∼ 肩関節周囲炎という言葉を耳にしたことはありますか? 肩関節周囲炎とは使い過ぎや加齢による老化現象を基盤に、運動による刺激や 血行障害が加わって肩関節周囲の筋や腱などの組織に炎症が起こることで痛み や腕が上がらなくなる病気です。俗に『五十肩』とも呼ばれています。今回は道 具を使わず、座ってできる運動を紹介しますので、参考にしてみてください。 指組み肘寄せ運動 4 1、2、3 ①指を組み、手のひらを合わせて両肘をつけるよう に力を入れます。 ②1、2、3、で力を入れ、4 で肘の力を抜きます。 指組み腕上げ胸反らす運動 ① ② ①両手を組んで背筋を伸ばします。両腕を頭の上にあげ、 十分に伸ばします。 ②手を頭の後ろに回して、肘を開き、胸を反らします。 両肩を抱いて体をひねる運動 ① ② ①片手の手で反対側の肩を抱き、もう片方の手で 反対側の肩を抱くようにして組みます。 ②左右に体をゆっくりひねります。 作業療法士 蛯名 春花
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