2015年11月

しもの診療所だより
11月号
みなさんこんにちは。今月号は咳喘息のお話です。咳喘息は、喘息で聞
かれるゼーゼー、ヒューヒューといった苦しさがなく、慢性に咳だけが続
く病気で、喘息の前の段階と考えられています。咳喘息の約 3 割の人が喘
息に移行すると言われています。
症状は、夜中から明け方に激しい咳が出たり、寒暖の差や喫煙で咳が出
やすくなるのが特徴です。のどにイガイガ感を伴うこともあり、長話をし
た際、のどが渇いたり枯れたりもします。咳の発作が激しい場合は、胸の
痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることもあります。
感冒を契機に発症したり、室内外の温度差や、たばこの煙を吸う受動喫
煙、運動、飲酒、ストレスなどのほか、ホコリやダニなどのいわゆるハウ
スダストが発作の要因になるといわれており、患者数は年々増加していま
す。また、この病気は、特にアレルギーのある人に多いとされています。
アレルギー反応によって、気道が炎症を起こしてしまうためです
かぜ薬や抗生物質、咳止めを用いても、咳喘息の場合はほとんど効果が
ありません。治療には、気管支拡張薬(気管支を拡張させて空気の通り道
を広げる薬)や吸入・経口のステロイド薬を使います。
しもの診療所
院長
川井
祐輔