白庭病院 2015 年 8 月 !!食中毒にご用心!! 6 月~9 月にかけては、細菌による食中毒が増える季節です。 ・高温多湿で、細菌が増殖しやすい ・夏バテなどで抵抗力が落ちる などが原因です。 ●原因菌 食中毒の原因となる主な菌と特徴を示します。 潜伏期間とは、食品を食べてから症状が出るまでの期間です。 菌名 潜伏期間 含まれる食品 症状など 腹痛、下痢、発熱、倦怠感など。 カンピロバクター 2~7 日 鶏肉、レバー、 潜伏期間が長めであるため、感染時期を 卵 特定しにくい。 サルモネラ 病原性大腸菌 (腸管出血性大腸菌 O-157 など) 0.5~2 日 1~3 日 卵、肉、魚 家畜などの糞に汚 発熱、激しい下痢、嘔吐 激しい腹痛、下痢、鮮血便。 染された食肉、水 発熱、激しい下痢、嘔吐 腸炎ビブリオ 0.5~1 日 魚介類 8~16 時間 カレー、スー 熱に強い芽胞を形成するため、菌を殺し プ、シチュー にくい。加熱調理後は放置せずすぐに冷 など 水道水(真水)では増殖できない。 腹痛、下痢。熱はほとんど出ない。 ウェルシュ菌 やすこと。 吐き気、嘔吐、下痢。 黄色ブドウ球菌 1~5 時間 弁当、パンな 食品中で熱に強い毒素を産生し、それを 食べることで発症。冷蔵庫で保管すると ど 毒素は産生されない。 ●治療 食中毒を治す薬はほとんどありません。脱水に気をつけて水分を取ることが大事です。 下痢があっても、安易に下痢止めの薬を服用しないでください。菌が体外に出て行かず、治る のが遅れることがあります。ひどいようなら、整腸剤を処方してもらいましょう。 ●対策 食中毒予防の原則は、菌を「付けない」「増やさない」「やっつける」こと! ①菌を付けない ・手やまな板などに付いている細菌を食品に付けないよう、調理前に石鹸でよく洗う。 ・生の肉、魚、卵を触ったあとの手、包丁、まな板も、その都度石鹸で洗う。 ・肉などを焼くとき、生の肉をはさむ箸と焼けた肉をはさむ箸は別のものにする。 ・肉や魚の汁が他の食品に付かないようにする(ビニール袋に分けて入れるなど)。 ・ふきんやタオルは頻繁に清潔なものと交換する。 ②菌を増やさない ・細菌は、低温では増殖しにくくなるため、買ってきた食材はすぐに冷蔵庫で保管する。 ・ただし、低温でも増える細菌もあるため、長期間の保管はしないように。 ・冷蔵庫は中がいっぱいになると冷気の循環が悪くなり、食品が冷えなくなるため、 あまり詰め込みすぎないようにする。 ③菌をやっつける ・ほとんどの細菌は、熱によって死滅するため、加熱して食べる。 (目安として、75 度で 1 分以上の加熱) ・一度冷蔵庫で冷やした食品も、再加熱して食べる。 ・食品の中心部まで熱が伝わっていないといけないので、カレーやシチューなどを加熱 するときは、よくかき混ぜること。 ・ふきんやまな板、包丁などの調理器具は、熱湯消毒が有効。 ●手を洗いましょう! 食中毒予防のいちばんの基本は、正しく手を洗い清潔に保つことです。 菌の運び屋にならないよう、食べ物や調理器具を触る前・触った後は、必ず手を洗いましょう。
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