分かる! 解ける! 英文法

分かる! 解ける! 英文法!
◆--------------------------------------------------------------------◇
分かる! 解ける! 英文法!
第41号 疑問文 形容詞の質問、howの使い方
発行者:鈴木 拓 http://www.thebelltree.com/
◇--------------------------------------------------------------------◆
こんにちは! 鈴木です!
「分かる! 解ける! 英文法!」をご利用くださりありがとうございます。
※:「テキスト配信が届かない」「数日前の質問の回答が来ない」という場合は
迷惑メールフィルターのエラーの可能性が非常に高いので、ご注意ください
→< http://www.grammar51.com/spam.html >
※:等幅フォント設定しても図が正しく表示されない場合は↓をご覧下さい。
→< http://www.grammar51.com/41/41.html >
今号も引き続き、「疑問文」をテーマにお送りいたします。
前回は、疑問詞を単独で使った疑問文でしたが、
今回は、疑問詞がほかのものとセットになって使う用法です。
具体的には、「形容詞の質問」と「howの使い方」です。
まずは、形容詞の質問から説明いたします。
■8W1H疑問文(形容詞の質問その1 Sについている形容詞を質問)
前回で、副詞、名詞の質問の説明をしましたが、
形容詞の質問もできます。
疑問詞は、
which(どっちの ?)
whose(誰の ?)
what(どの ?)
の3つを使います。
作り方は、名詞の質問と同様、
・Sについている形容詞を質問する場合
・O、C、前置詞の後ろの名詞についている形容詞を質問する場合
と2つに分けられます。
まずは、簡単な「Sについている形容詞を質問する場合」から説明します。
作り方は、
「Sに疑問詞をつけて、普通に文を作り、後ろをクエスチョンマークにする」
これで完成です。
例えば、
「どっちの家が大きいの?」という場合、
Sである、houseに、疑問詞whichをつけて、
328
分かる! 解ける! 英文法!
Which house is bigger?
. S V C
│Which house │is│bigger│
└──────┴┬┴───┘
. SP2
で完成です。
ちなみに、「形容詞の質問」と言っていますが、
厳密に言うと、「形容詞or限定詞の質問」になります。
というのも、上記の質問。答えは、
This house is bigger.
というように、答えの部分は、this、と限定詞。
このように、限定詞が答えのこともあるのです。
もちろん、
A: Which color is better?
「どっちの色がいいかな?」
B: Blue is better.
「青の方がいい」
の「blue」のように、形容詞が答えになることもあるのですが、
厳密に言うと、「形容詞or限定詞の質問」です。
そして、限定詞というのは、1つの名詞に1つしかつけられません。
例えば、「my the dog」とは言いません。
「my dog」か「the dog」のどっちかにする必要があります。
そのため、この「形容詞の質問」において、たとえ、答えが形容詞の場合でも、
疑問詞をつけた名詞にはほかに限定詞をつけることができません。
例えば、
Which house is bigger?
は、
Which a house is bigger?
A which house is bigger?
Which the house is bigger?
The which house is bigger?
のようにはできないのです。
ただ、形容詞も限定詞も、「名詞を修飾する」という点では同じです。
従って、ここでは、わかりやすく「形容詞の質問」としております。
■8W1H疑問文(形容詞の質問その2 S以外の名詞についている形容詞を質問)
続いては、S以外の名詞、つまり、O、C、前置詞の後ろの名詞についている形容
詞を質問する場合です。
この場合、
329
分かる! 解ける! 英文法!
「O、C、前置詞の後ろの名詞のいずれかに、疑問詞をつけてYes/No疑問文を作
り、疑問詞と、それが修飾している名詞をセットで先頭に出す」
これで完成です。
例えば、「あなたはどの色が好きですか?」という場合、
まず、これを肯定文にすると、
You like what color.
Oのcolorに、whatという形容詞の疑問詞をつけています。
これをYes/No疑問文にすると、
. V' S V O
│Do│you │like│what color│
└─┴──┴┬─┴─────┘
. SP3
そして、最後に、疑問詞+名詞を前に出して、
What color do you like?
. O V' S V
│What color│do│you │like│
└─────┴─┴──┴┬─┘
. SP3
これで完成です。
名詞を質問する疑問文の場合、
「Sを質問するのなら、語順は肯定文のまま。
それ以外の名詞を質問するのなら、疑問詞を先頭に出して、Yes/No疑問文の
語順」
となっていましたが、形容詞の質問も同じで、
「Sについている形容詞を質問するのなら、語順は肯定文のまま。
それ以外の名詞についている形容詞を質問するなら、疑問詞+名詞を先頭に
出して、Yes/No疑問文の語順」
となります。
なので、疑問詞+名詞をセットで前に持ってくる以外は、
基本的に、名詞の質問と同じになります。
上記は、Oに疑問詞がついている例でしたが、Cの例、前置詞の後ろの名詞の例
も見ておきましょう。
「これは誰の車ですか?」という場合、
肯定文だと、
This is whose car.
Yes/No疑問文にすると、
. V S C
│Is│this│whose car │
└┬┴──┴─────┘
. SP2
そして、疑問詞+名詞を前に出すと、
330
分かる! 解ける! 英文法!
Whose car is this?
. C V S
│Whose car │is│this│
└─────┴┬┴──┘
. SP2
となり、完成です。
最後は、前置詞の後ろの名詞の例。
「彼女はどっちの駅に行ったんですか?」という場合、
肯定文だと、
She went to which station.
Yes/No疑問文にすると、
. V' S V O
│Did │she │go to │which station │
└──┴──┴─┬─┴───────┘
. SP3
そして、最後に、疑問詞+名詞を前に出して、
Which station did she go to?
. O V' S V
│Which station │did │she │go to │
└───────┴──┴──┴─┬─┘
. SP3
これで完成です。
前置詞の後ろだけが残るのは名詞の質問と同様ですね。
■whichとwhatの違い
whichとwhatはどちらも、名詞、形容詞の疑問詞、両方で使えます。
(ただ、実質、whichは形容詞専用で、名詞としてはあまり使われません)
そして、意味も似ています。
そのため、どっちを使えばいいのかわかりづらいことがありますが、
基本的には、
what「特に候補が決まっていない」
which「すでに候補が絞り込まれている」
という状況で使います。
例えば、ただ単に好きな色を聞く場合、
色というのは一杯あり、それまでの話で、色を絞っていないのなら、
What color do you like?
「どの色が好き?」
と聞きます。
しかし、すでに候補が絞り込まれているとき。
例えば、テーブルを買う際に、形は決めたんだけど、色が茶色、白、黒の3種類
がある。
331
分かる! 解ける! 英文法!
こういった状況でしたら、
Which color do you like?
「どっちの色が好き?」
と聞きます。
今回、日本語訳には、whatは「どの」、whichは「どっち」としましたが、
英文法において、あまり日本語で判断するのは良い方法ではありません。
現に、上記のwhichの例は、「どの色が好き」でもおかしくありません。
そうではなく、
what「特に候補が決まっていない」
which「すでに候補が絞り込まれている」
という、状況で決まるということを押さえておいてください。
形容詞を質問する疑問文については以上になります。
■8W1H疑問文(howの質問その2 Cの形容詞を質問)
39号で、howの使い方として、文全体を修飾する副詞の質問で使い、
「どう ?」という使い方を説明しました。
. V' S V O
│(How) did │you │learn │English │
└─────┴──┴─┬─┴────┘
. SP3
「どうやって、英語を学んだの?」
というような使い方ですね。
しかし、howには全部で3つの使い方があり、この用法はそのうちの1つ。
しかも、一番簡単な使い方に過ぎません。
今回は、残りの2つの使い方を解説します。
この2つのうち、1つはむずかしいのですが、1つは簡単です。
まずは簡単な方から解説しますね。
「文全体を修飾する副詞の質問」に続く、howの2つ目の使い方は、
「第2文型のCの形容詞の質問」
です。
意味は、1つ目の使い方と同様、「どう
?」です。
第2文型のCは、名詞か形容詞が使えます。
そのため、Cには名詞の質問で使う、who、what、which、whoseも使えます。
それは39号で説明した通りですね。
例えば、
332
分かる! 解ける! 英文法!
. C V S
│Who │is│he│
└──┴┬┴─┘
. SP2
「彼は誰ですか?」
がその例です。
この場合、答えは、
He is my brother.
「彼は私の兄です」
のmy brotherのように、名詞で答えます。
しかし、答えが形容詞になるような質問をする場合があるのです。
その場合は、whoなどの名詞の疑問詞ではなく、howを使うのです。
作り方は、基本的に、名詞のCを質問する場合と全く同じ。
疑問詞にhowを使うだけです。
つまり、
「Cをhowにして、Yes/No疑問文を作り、howを先頭に出す」
これで完成です。
例えば、「あなたはどう感じますか?」という場合、
これを肯定文にすると、
You feel how.
Cにhowという疑問詞を使っています。
これをYes/No疑問文にすると、
. V' S V C
│Do│you │feel│how │
└─┴──┴┬─┴──┘
. SP2
そして、疑問詞を前に出すと、
How do you feel?
. C V' S V
│How │do│you │feel│
└──┴─┴──┴┬─┘
. SP2
となり、完成です。
この場合、答えは、
I feel sick.
「気分が悪いです」
のように、形容詞で答えるのが基本です。
2つ目のhowの使い方の説明は以上です。
333
分かる! 解ける! 英文法!
■8W1H疑問文(howの質問その3 文全体修飾の副詞につく副詞を質問)
ここからは、howの3つ目、そして最もむずかしいの使い方の説明になります。
3つ目の使い方は、「形容詞や副詞についている副詞の質問」です。
すでに、「文全体を修飾する副詞の質問」は、1つ目の使い方で説明しました。
しかし、副詞というのは、文全体のほかに、
・形容詞
・ほかの副詞
も修飾します。
例えば、
. S V O
│(Recently), I │bought│a very good apple │
└───────┴─┬─┴─────────┘
. SP3
「最近、私はとても良いリンゴを買った」
のrecentlyは文全体を修飾する副詞ですが、
veryは形容詞goodを修飾する副詞です。
howは文全体で修飾する副詞のみならず、
このように、形容詞や副詞を修飾する副詞の質問にも使えるのです。
その場合、意味は「どのぐらい ?」と、
修飾される形容詞、副詞の程度を質問します。
1つ目、2つ目の使い方は、「様態」の質問でしたが、
3つ目の使い方では大きく意味が変わります。
この「形容詞や副詞についている副詞の質問」も用法としては、
1つの用法なのですが、どの形容詞、副詞につくかで作り方が大分違います。
なので、
・文全体を修飾している副詞につくhow
. S V O
│You │go to │the gym (how frequently)│
└──┴─┬─┴────────────┘
. SP3
・Cの形容詞につくhow
. S V C
│This information│is│how accurate│
└────────┴┬┴──────┘
. SP2
・Sにつく形容詞につくhow
. S V
│How many chairs │should be repaired│
└────────┴────┬────┘
. SP3p
・S以外の名詞につく形容詞につくhow
. S V O
│You │have│how much money│
└──┴─┬┴───────┘
. SP3
と4パターンにわけて説明します。
(上記の例は、いずれも、肯定文のままの例)
334
分かる! 解ける! 英文法!
1つ目に説明するのは、文全体を修飾している副詞につくhowです。
「形容詞や副詞についている副詞の質問」の中では、一番簡単で、
基本的に、「文全体を修飾する副詞の質問」と同じ。
「Yes/No疑問文を作って、先頭に、"how+文全体修飾の副詞"を置くだけ」
これで完成です。
例えば、
You go to the gym.
「あなたはジムに行く」
を
Do you go to the gym?
とYes/No疑問文にして、
先頭に、how+文全体修飾の副詞を置く、
How frequently do you go to the gym?
. V' S V O
│(How frequently) do │you │go to │the gym │
└──────────┴──┴─┬─┴────┘
. SP3
「どれぐらいの頻度で、ジムに行くの?」
これで完成。基本的に、文全体修飾の副詞の質問と同じですよね。
■8W1H疑問文(howの質問その4 Cの形容詞につく副詞を質問)
次に説明するのは、「Cの形容詞につくhow」です。
作り方は、
「Cが形容詞の文で、CにhowをつけてYes/No疑問文を作り、
疑問詞+形容詞を先頭に出す」
これで完成です。
例えば、「この情報はどれぐらい正確ですか?」という場合、
まず、これを肯定文にすると、
This information is how accurate.
Cはaccurateという形容詞で、それにhowをつけています。
これをYes/No疑問文にすると、
. V S C
│Is│this information│how accurate│
└┬┴────────┴──────┘
. SP2
そして、最後に、疑問詞+形容詞を前に出して、
335
分かる! 解ける! 英文法!
How accurate is this information?
. C V S
│How accurate│is│this information│
└──────┴┬┴────────┘
. SP2
これで完成です。
■8W1H疑問文(howの質問その5 Sにつく形容詞につく副詞を質問)
次は、「Sにつく形容詞につくhow」です。
作り方は、
「Sに形容詞がついている文で、Sにhowをつけて、
クエスチョンマークをつける」
これで完成です。
例えば、「どれぐらい多くの椅子を修理するすべきか?」という場合、
How many chairs should be repaired?
. S V
│How many chairs │should be repaired│
└────────┴────┬────┘
. SP3p
で完成です。
Sのchairsにmanyがついていて、それに、howがついています。
Yes/No疑問文のように、Vを2つに割って前に出さないのは、
・Sを質問する場合
・Sについている形容詞を質問する場合
と同様です。
このように、疑問文は
「S自体が疑問詞、もしくはSに疑問詞がついている場合」
に限り、Yes/No疑問文にはしないのです。
■8W1H疑問文(howの質問その6 S以外の名詞につく形容詞につく副詞を質問)
最後は、「S以外の名詞につく形容詞につくhow」です。
S以外、つまり、O、C、前置詞の後ろの名詞につく形容詞にhowをつける場合。
作り方は、
「O、C、前置詞の後ろの名詞のどれかに形容詞がついている文で、
その名詞にhowをつけて、Yes/No疑問文にして、how+形容詞+名詞を先頭
に出す」
これで完成です。
336
分かる! 解ける! 英文法!
例えば、「あなたはどれぐらい多くのお金を持ってますか?」という場合、
まず、これを肯定文にすると、
You have how much money.
Oがmuch moneyと形容詞がついていて、それにhowがついています。
これをYes/No疑問文にすると、
. V' S V O
│Do│you │have│how much money│
└─┴──┴┬─┴───────┘
. SP3
そして、最後に、疑問詞を出して、
How much money do you have?
. O V' S V
│How much money│do│you │have│
└───────┴─┴──┴┬─┘
. SP3
これで完成です。
基本的に、名詞の場合、形容詞の場合と同じなので、
詳しくは解説しませんが、Cの場合、前置詞の後ろの名詞の例も挙げておきます。
・Cの場合
It was how good rice.
↓
. V S C
│was │it│how good rice │
└─┬┴─┴───────┘
. SP2
↓
. C V S
│How good rice │was │it│
└───────┴┬─┴─┘
. SP2
「それはどれほど美味しいお米だったのですか?」
・前置詞の後ろの名詞の場合
She has to take care of how many children.
↓
. V' S V O
│Does│she │have to take care of│how many children │
└──┴──┴────┬─────┴─────────┘
. SP3
↓
. O V' S V
│How many children │does│she │have to take care of│
└─────────┴──┴──┴────┬─────┘
. SP3
「彼女はどれだけ多くの子どもの世話をしなければいけないのですか?」
337
分かる! 解ける! 英文法!
■全8W1H疑問文に統一したとらえ方
以上で、疑問文の基礎は終了です。
今まで、8W1H疑問文は、
・文全体修飾の副詞の質問
・名詞の質問
・形容詞の質問
・howの質問
を説明して来ました。
いろいろなバリエーションがあり、
その都度、使い方を解説して来ました。
あまりにいろいろなバリエーションがあるのですが、
結局のところ、すべて、基礎は同じなのです。
基礎は、
1、疑問詞、疑問詞によって修飾されているものは先頭に出す。
(where、which color、how much moneyなど)
2、Sが疑問詞、Sに疑問詞がついている場合は肯定文の語順のまま。
それ以外は、Yes/No疑問文の語順にする。
この2つだけなのです。
(SやSに疑問詞がついている場合、文全体修飾の副詞の質問の場合は、
もともと疑問詞が先頭に出ていますが)
これらを押さえおけば、大丈夫です。
例えば、
. V' S V O
│(How frequently) do │you │go to │the gym │
└──────────┴──┴─┬─┴────┘
. SP3
は、
1、疑問詞+その疑問詞が修飾されているものが先頭に出て
2、Sが疑問詞、Sに疑問詞がついている場合ではないので、Yes/No疑問文の語順
となっています。
. S V
│How many chairs │should be repaired│
└────────┴────┬────┘
. SP3p
だったら、
1、疑問詞+その疑問詞が修飾されているものが先頭に出て
2、Sに疑問詞がついているので、肯定文の語順のまま
となっています。
338
分かる! 解ける! 英文法!
【確認問題】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
空所に当てはまるものとして、最も適切なものを選びなさい。
1. ------ do you usually go to?
(A) Where
(B) Which hospital
(C) How often
(D) How good
2. ------ did the workers in this hospital check the contents of the
medicine bottles?
(A) How carefully
(B) How many doctors
(C) How effective
(D) Which room
3. ------ are the executives going to use to hold the annually held
meeting tomorrow?
(A) Where
(B) Which room
(C) When
(D) How soon
4. ------ effective was the introduction of the new rule decided in
the last meeting?
(A) Whose
(B) Where
(C) How
(D) What
5. ------ much money was needed for ABC bank to replace the old ATMs
with the cutting-edge new ones with an IC chip reader?
(A) Why
(B) When
(C) Who
(D) How
339