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X線回折法で分かること
試料に単色の X 線を当てると、試料の結晶状態による回折 X 線が観測されます。この回折
X 線を利用して試料の結晶に関する色々な情報を得ることが出来ます。
例えば試料がどんな化合物(複数)から構成されているか(定性分析)、またそれぞれの化
合物の含有量はどのくらいか(定量分析)
、結晶になっている部分とアモルファスの部分の
比率はどれくらいか(結晶化度)
、結晶のひずみ量はどれくらいか(残留応力)などさまざ
まな情報が得られます。
XRD 3rd は、コンパクトな卓上型ですが、品質管理から基礎研究分野まで幅広い用途にご
使用できる最新の粉末 X 線回折装置です。
従来の卓上型 X 線回折装置に見られるようにゴニオメータ半径を小さくして、分解能を犠
牲にし回折 X 線強度を稼いだり、X 線管球出力を小さくしたりして小型化を図ったりした
ものではありません。汎用的な粉末 X 線回折装置の仕様をほぼそのままに、小型化でしか
も試料水平配置型ゴニオメータ(θ-θ)を採用しているため、幅広い試料形状および幅広
い応用分野をカバーすることが出来ます。また薄膜測定アタッチメントを始め各種のアタ
ッチメントも用意されているため、将来のアップグレードも容易に実現することができま
す。
今までの卓上型 X 線回折装置で、その大きさには満足されても、その基本仕様に満足され
ていない方にお奨めの最新型の X 線回折装置です。
具体的な応用分野は、
品質管理
受け入れ原材料の管理、製品の管理(定性分析)
製薬部門
受け入れ原材料の管理、中間体及び最終製品の結晶多形の有無
機械部品
表面処理の形態管理、残留オーステナイト量の把握、応力測定
金属材料
化合物の同定(定性分析)
、精密結晶構造解析、集合組織測定
セラミックス 原材料の管理、焼成製品の結晶構造解析
高分子
結晶化度測定、配向度測定
環境分野
作業環境測定(遊離珪酸の定量)、
アスベストの定性・定量分析(JIS 法による)
結晶多形の解析例(SiO2,)