平成 27 年度コミッショナー教育活動方針

平成 27 年度コミッショナー教育活動方針
スカウト運動の力を示そう
この夏、第 23 回世界スカウトジャンボリーが日本で開催されます。これだけのイベントを実施できるのは、
世界に広がるスカウト運動の「力」のおかげといえるでしょう。その力を支えるのは、世界共通のちかいの下、
この世の中を少しでも良くすることを目指す「スカウト精神」であるといえます。
スカウティングは、この「力」を持っているのです。
このすばらしい「力」の源は、普段の活動に他なりません。班のメンバーと一緒に、さまざまな障害が発生
する野外で、持てる能力を生かし、ちかい・おきての実践として現状をより良くするように工夫する。そういっ
た、体験に基づいた少年期からの長期訓練を通じて養われます。そういう力があるので、ほんのわずかの
訓練で、世界から集まる 3 万人の大会を実施できてしまうのです。しかも、大事なことは、その力は、ジャン
ボリーのようなイベントのためにあるのではないことです。普段の個々の社会生活において発揮されるため
の力だということです。
スカウト運動の目的は、そういった「力」を示せる人を養うことにあります。では、そのために県連盟として、
いま何をすべきか。現状に鑑み、以下の 3 つの視点に整理してみました。
1. 本来のスカウト活動ができる「環境」を整備しよう
各団では、本来のスカウト活動ができる環境を構築する必要があります。とりわけ、班活動を中心とした
活動ができることが重要で、少人数隊での合同活動や、4 泊 5 日の野営ができるようにしなければなりませ
ん。各団各様に障害がある情況ですが、それを乗り越えるために、団担当コミッショナーが団訪問や団審
査の機会を利用して、「各団の工夫を促す」よう、より具体的に支援していきます。
地区においては、コミッショナー活動を支える環境整備を望みます。コミッショナーが団を円滑に支援で
きるよう、地区役員の皆さんで工夫してください。コミッショナーは主体的に提案をし、「どうすればできるか」
という、問題解決的で前向きな議論が必要だと考えます。
県連盟においては、団や地区ではできないような、PR 分野、ヒト・モノ・カネ・情報面でのスケールメリット
を生かした活動やリソースの提供が可能です。しかし、団、地区の環境整備が不十分だと、せっかくのメリッ
トが生かせません。効果を高めるために、団・地区・県連盟が一体となり、より良い環境を作る工夫を進める
べきでしょう。
2. より良いスカウト活動のための「知識やスキル」を得られるようにしよう
これには、指導者訓練の充実に尽きますが、得られた「知識やスキル」は、スカウトの活動に生かしてこそ
値打ちがあります。訓練で得たことを今後の活動のどの部分で使うか、イメージが湧くような研修機会を多く
設けなければなりません。定型訓練だけなく定型外訓練、特に各地区で行う各種研修や、ラウンドテーブ
ルを充実させるようにしていきます。
長期的な視点では、指導者が「知識やスキル」を得ることで、隊や団の発展に貢献できるかの道筋が見
えるようにすべきであると考えます。団が指導者の研修計画を立てるよう進めていきます。
3. 目標を定め、前に向かって進む「意識」を高め、維持しよう
環境が整い「知識やスキル」を得られる機会が充実しても、良くしようという意識(やる気)がなくては何も変
わりません。しかし、意識を高めるというのは、性格やスカウト活動に割ける時間など、「人」に依存すること
が多く難しいことです。
かといって、ポテンシャルのある人も、「意識付け」をしなければ動き始めないのは確かです。その意味で
は達成感のある活動機会をより多く持つ必要があると考えます。世界ジャンボリーは好機です。参加しない
スカウト、指導者も高揚感が得られる機会としたいと思います。
しかし問題は、達成感の後かもしれません。終わった後に「意味付け」をきちんとして、平成 28 年度の合
同野営に向け、さらなる目標を設定していく習慣を作っていきたいと考えています。全体的な高揚感は維
持しにくいと思いますが、一人ひとりの意識を丹念に引き上げていくことで、良い雰囲気の醸成・維持がで
きればと思います。
<個別目標>
1. 団への支援
団担当コミッショナーが団訪問や団審査の機会を利用して、「各団の工夫を促す」よう、より具体的に支
援していきます。団担当コミッショナーの働きにかかっています。
県連盟としては、昨年に引き続いて団委員長のインダバを開催します。普段の研修・親睦は各地区に委
ね、県連盟ならではの内容を提供したいと考えています。
2. 隊活動の活性化
日本連盟の主導で昨年実施した「楽しい活動ができているか」の調査と、それに基づくアクションプラン
について継続して推進していきます。また、県連盟で実施しているアクションポイントも、現状確認と意識を
維持するツールとして活用して欲しいものです。
プログラム改定について内容が確定しましたので、移行がスムーズに進むよう支援していきます。また、こ
れを機に、各団のカブ隊で、充実した「楽しい活動」ができるよう、本来の活動を確認したいと思います。
3. 指導者研修の充実
昨年度、個別目標に掲げていた「指導者訓練・研修へのフォローアップ体制の強化」については、ある
程度形ができてきましたので、今後は、訓練・研修へどう向かわせるかについて注力したいと考えています。
地区での研修機会の充実と体制作りが急務です。
4. 県連盟各種委員会・地区各種委員会との連携強化
県連盟においてシステム化が進んできましたが、まだ連携が不十分な委員会については、コミュニケー
ションをしっかりとり、連携を強化していきたいと考えます。
地区においては、コミッショナーとの連携がうまくいっていないところが多くあります。運営側とコミッショナ
ーが問題意識を共有し、協働して問題解決に当たれるよう、コミッショナー側からも働きかけていきたいと思
います。それには、コミッショナー側の工夫が要求される場合もありそうです。
5. アドレッセン(ベンチャー・ローバー・ユース)への指導・支援
昨年度発足したベンチャー特別委員会を、強力な助っ人として活用し、担当コミッショナーを中心にベン
チャー活動を活性化していきたいと思います。ユースの指導も含め、継続して取り組みます。
6. スカウトスピリッツの醸成
これは、永遠のテーマです。今年度も継続して行います。
スカウトソングが各種集会で歌われるようになったかといえば、まだまだのように思います。年度頭に研修
会を持ちますが、多くの参加に期待し、歌が自然に口をついて出てくるようになればと思います。
7. 礼儀と規律の指導
礼儀と規律を重んじる心の醸成が大切です。世界のスカウト運動の中で、日本に根ざす「和の心」を示せ
るように取り組んでいきたいと思います。