国立循環器病研究センター建替整備事業に伴う今回の調査成果明和池遺跡の調査今回の調査では主に古墳時代後期（６世紀）から飛鳥時代（７世紀）にかけての溝、土坑、畦畔等の耕作地に関係する遺構や、当時の遺物が出土しました。以前の調査では、正雀川を挟んで西に接する吹田市の吹田操車場遺跡で掘立柱建平成 27 年９月 12 日公益財団法人大阪府文化財センター物で構成される飛鳥時代から平安時代にかけての集落跡が見つかっていますが、耕作地跡が検出されたことにより、居住域（集落）と生産域（耕作地）との関係を知る大きな手掛かりとなると思われます。はじめに公益財団法人大阪府文化財センターでは、国立循環器病研究センターの移転建替に伴ってめいわいけ遺物としては須恵器杯身・杯蓋、甕、土師器甕等が出土している他、古墳時代中明和池遺跡（摂津市千里丘新町地内）の埋蔵文化財の発掘調査を実施しています。明和池遺期（５世紀）の須恵器把手付コップ形椀が見つかっています。跡は千里丘陵の縁辺部に位置し、摂津市千里丘新町、千里丘４丁目、同７丁目、千里丘東５また、過去の調査では調査区域の東側に、弥生時代後期末頃（３世紀）の竪穴建東５丁目、庄屋１丁目に所在します。昭和８年に、現在は埋め立てられた明和池（庄屋１丁目物で構成される集落跡が見つかっていますが、今回も弥生時代後期の甕の破片や、人地内）の底から古墳時代の須恵器が発見されたことで知られるようになった、摂津市内では比較為的に加工された二上山（大阪府南河内郡太子町他）に産出するサヌカイト製の石鏃的古くから周知されている遺跡です。が出土しています。さらに、中世 [ 鎌倉時代（13 世紀）～室町時代（15 世紀）頃 ] 過去の調査では縄文時代後期・晩期の土器、弥生時代後期末の集落、古墳時代後期からと思われる耕作による鋤溝痕や耕地の段差も検出されましたが、これらの鋤溝等は北西飛鳥時代の須恵器を大量に含んだ流路、平安時代の集落など多様な遺構と遺物が見つかってから南東方向に真直ぐに流れる正雀川の方向と一致もしくは直交していました。この方います。向は当地周辺にみられる方形状の土地区画【条里型地割】と一致しています。このこ今回、摂津市生涯学習部生涯学習課の協力を得て現地公開を実施する運びとなりました。とから、遅くとも中世には条里型地割を基にした開発が行われ、正雀川も開発の過程で敷設もしくは改修された可能性が高いと考えられます。 ᫂࿴ụ㑇㊧ㄪᰝᆅ 調査地 ྿⏣᧯㌴ሙ㑇㊧ ᖹᡂᖺᅜᅵᆅ⌮㝔Ⓨ⾜㺀኱㜰ᮾ໭㒊㺁ࢆࡶ࡜࡟సᡂ 0 （1：25000）１㎞ＵＲ都市機構発行パンフレット「吹田操車場跡地まちづくりプロジェクト」掲載地図をもとに作成 0 ,8 4 -4 1 ,8 5 D:４トレンチ全景第４面（土坑・溝等） 35 ,1 30 Y= -1 -4 1, 82 0 Y= -4 1 Y= Y= Y= -4 1 -4 1 ,8 6 0 0 0 ,8 7 0 -4 1 Y= Y= -4 1 1, Y= -4 1, Y= -4 ,8 8 0 ,8 9 0 90 0 91 0 92 1, Y= -4 X= 正雀川 A：１トレンチ全景第４面（土坑・流路・段差等）４トレンチ１トレンチ X= -1 畦畔サヌカイト製石鏃［弥生時代以前］ X= -1 D 35 X= -1 ５トレンチ 35 40 35 ,1 50 ,1 ２トレンチ A ,1 -1 X= 掘立柱建物 35 60 ,1 70 C B：３トレンチ全景第４面（土坑・ピット・溝等）３トレンチ X= -1 ６トレンチ（調査中）須恵器把手付コップ形椀［古墳時代中期］ 35 ,1 80 B 畦畔 X= -1 35 ,1 X= -1 0 35 ,2 40 X= 35 -1 ,2 30 編集・発行公益財団法人大阪府文化財センター〒590‐0105 大阪府堺市南区竹城台３丁２１番４号発行日平成27年９月12日 X= ,2 -1 20 35 X= ,2 10 -1 35 ,2 00 41 ,7 78 1, Y= - -4 Y= 国立循環器病研究センター建替整備事業に伴う明和池遺跡の調査現地公開資料 35 70 -1 0 50 X= 79 ,2 1, 35 00 -1 -4 60 X= ,8 0 ,2 Y= 須恵器杯身・杯蓋［古墳時代後期］ 35 41 70 -1 Y= - ,2 X= 81 35 1, -1 20 X= Y= -4 Y= - 80 ,8 ,2 Y= -4 1 35 ,8 -1 41 X= 30 Y= -4 1, 76 0 90 C:３トレンチ全景第５面（土坑・ピット・溝等）今回の公開場所 0 主要遺構全体略図 (1:600) 40ｍ