労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令

<2015 年 7 月 30 日発行>
無断複写禁止
発行:㈱日本環境認証機構
労働安全衛生法規制の制改正情報
(2015年 6 月1日~2015年 6 月30 日)
●労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令
(2015/06/10 官報第 6550 号)
●労働安全衛生規則及び産業安全専門官及び労働衛生専門官規程の一部を改正する省令
(2015/06/23 官報号外第 139 号)
解説 労働政策審議会建議「今後の労働安全衛生対策について」
(平成 25 年 12 月 25 日)を踏まえ、労
働者が化学物質を取り扱うときに必要となる危険性・有害性や取扱上の注意事項が確実かつ分かりやす
い形で伝わるよう、表示義務対象物質の範囲を一定の危険性・有害性が明らかになっている物質(SD
S(安全データシート)交付義務対象物質)まで拡大するものです。
施行期日:2016 年 6 月 1 日
<全ての事業者の方へ>
●容器に入れ又は包装して譲渡又は提供する際に、その容器又は包装に「名称」、「人体に及ぼす作用」
等を表示しなければならないとされている化学物質につき、従来の 109 物質から 640 物質に範囲が拡
大され、固形物については表示対象から除く規定が加えられました。
当該物質は、次頁以降に解説する「リスクアセスメント」の対象物質となります。
⇒ 2016 年 6 月 1 日より実施する必要があります。
1.表示義務対象物の範囲の拡大
(施行令第 18 条、第 18 条の 2)
施行令第 18 条(名称等を表示すべき危険物及び有害物)第 1 号を「別表第 9 に掲げる物」に改め、第 1
号の 2 から第 38 号までを削除することとしました。
これにより、従来名称表示物質として定義されていた 109 物質が削除され、従来は「名称通知物質」と
して定義されていた施行令別表第 9 記載 640 物質が、名称表示物質として定義されました。
また、名称通知物質については施行令別表第 9 掲載物質に加え、それを含む製剤等が追加されました。
2.固形物の適用除外の創設
(施行令第 18 条、規則第 30 条、第 31 条)
イットリウム、インジウム、カドミウム、銀、クロム、コバルト、すず、タリウム、タングステン、タ
ンタル、銅、鉛、ニッケル、白金、ハフニウム、フェロバナジウム、マンガン、モリブデン又はロジウ
ムにあっては、粉状のものに限るとされました。
これにより、施行令別表第 9 のうち、固形物については「粉状になるもの」でない限り表示の対象外と
されました。
また、施行令別表第 9 または施行令別表第 3 第 1 号 1 から 7 までに掲げる物を含有する製剤その他の物
のうち、譲渡または提供の過程(運搬や貯蔵)において固体以外の状態または粉状にならず、かつ、爆
発などの危険性や皮膚腐食性のおそれのないものについては、 名称等の表示を不要とされました。
3.裾切り値の設定及び見直し
(施行令第 18 条、規則第 30 条)
施行令第 18 条で「その他労働省令で定める」ものとして定義されていた、規則別表第 2 の裾切り値が
見直されました。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
●労働安全衛生法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
(2015/06/10 官報第 6550 号)
●労働安全衛生規則及び産業安全専門官及び労働衛生専門官規程の一部を改正する省令
(2015/06/23 官報号外第 139 号)
解説 2014 年 6 月 25 日に公布された『労働安全衛生法』改正のうち、化学物質に係る危険性又は有害
性等を調査(リスクアセスメント)すること、表示対象物の範囲を拡大するものについて施行期日を 2016
年 6 月 1 日とし、リスクアセスメントの詳細を公表するものです。
施行期日:2016 年 6 月 1 日
※2014 年 6 月 25 日の改正概要については、4 ページからの「労働安全衛生ワンポイント」にて解説い
たします。当該記事と合わせてご覧ください。
<全ての事業者の方へ>
●一定の危険性又は有害性が確認されている化学物質(SDS(安全データシート)交付義務対象物質)
を「新規に採用し、又は変更するとき」等には、その危険性又は有害性を調査(リスクアセスメント)
しなければなりません。
また、その結果に基づいて労働者の危険又は健康障害を防止するために必要な措置を講ずるよう努め
なければなりません。
⇒ 2016 年 6 月 1 日より実施する必要があります。
1.調査対象物の危険性又は有害性等の調査の実施時期
(規則第 34 条の 2 の 7)
危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)は、次に掲げる時期に行うものとされました。
(1)調査対象物(前頁で解説した「表示対象物質」640 物質)を原材料等として新規に採用し、又は変更
するとき。
(2)調査対象物を製造し、又は取り扱う業務に係る作業の方法又は手順を新規に採用し、又は変更する
とき。
(3)前2号に掲げるもののほか、調査対象物による危険性又は有害性等について変化が生じ、又は生ず
るおそれがあるとき。
2.調査の実施方法
(規則第 34 条の 2 の 7)
調査は、調査対象物を製造し、又は取り扱う業務ごとに、次に掲げるいずれかの方法、又はこれらの方
法の併用により行わなければならないとされました。
(1)危険又は健康障害の程度を考慮する方法
⇒調査対象物が業務に従事する労働者に危険を及ぼし、又は調査対象物により労働者の健康障害を
生ずるおそれの程度を考慮する
(2)ばく露の程度及び有害性の程度を考慮する方法
⇒業務に従事する労働者が調査対象物にさらされる程度及び調査対象物の有害性の程度を考慮する
方法
(3)前 2 号に掲げる方法に準ずる方法
次ページに続く
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<2015 年 7 月 30 日発行>
3.調査の結果等の周知
(省令 第 34 条の 2 の 87)
調査を行ったときは、次に掲げる事項を、調査対象物を製造し、又は取り扱う業務に従事する労働者に
周知させなければならないとされました。
(1)調査対象物の名称
(2)業務の内容
(3)調査の結果
(4)調査の結果に基づき事業者が講ずる労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置の内容
また、周知は次に掲げるいずれかの方法により行うものとされました。
(1)調査対象物を製造し、又は取り扱う各作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付けること。
(2)業務に従事する労働者に書面を交付すること。
(3)電子的に記録し、かつ業務に従事する労働者が記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
●地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律
(2015/06/26 官報号外第 143 号)
解説 平成 26 年から新たに導入した「提案募集方式」における地方公共団体等からの提案等を踏まえ
た「平成 26 年の地方からの提案等に関する対応方針」
(平成 27 年1月 30 日閣議決定)に基づき、国か
ら地方公共団体又は都道府県から指定都市(注)への事務・権限の移譲等について、関係法律の整備を行
うものです(19 法律を一括改正)。
この改正に伴い、労働安全衛生関連法令として「毒物及び劇物取締法」
「火薬類取締法」
「高圧ガス保安
法」の 3 法について、従来都道府県へ届出を行っていた一部項目が、指定都市への届出に変更となりま
す。
施行期日:2016 年 4 月 1 日~2018 年 4 月 1 日
指定都市:地方自治法第 252 条の 19 第 1 項の指定都市の指定に関する政令により指定された以下
20 都市。
大阪市 名古屋市 京都市 横浜市 神戸市 北九州市 札幌市 川崎市 福岡市 広島市
仙台市 千葉市 さいたま市 静岡市 堺市 新潟市 浜松市 岡山市 相模原市 熊本市
(注)
<特定毒物研究者の許可を受けようとする事業者の方へ>
●特定毒物研究者(学術研究のため著しい毒性を有する特定毒物を製造・使用することができる者)の
許可権限が指定都市に移譲されます。(毒物及び劇物取締法 第 3 条の 2、第 6 条の 2)
⇒ 2016 年 4 月 1 日より変更されます。
<火薬類の製造許可を受けようとする事業者の方へ>
●火薬類の製造許可等の権限が指定都市に移譲されます。(火薬取締法
第 56 条の 2、第 57 条の 3)
⇒ 2017 年 4 月 1 日より変更されます。
<高圧ガスの製造許可を受けようとする事業者の方へ>
●高圧ガスの製造許可等の権限が指定都市に移譲されます。(高圧ガス保安法
⇒ 2018 年 4 月 1 日より変更されます。
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第 78 条の 4、第 79 条の 3)
<2015 年 7 月 30 日発行>
●2015年 6 月1日~2015年 6 月30 日までに公布された労働安全衛生法規制 一覧
□ 危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令(2015/06/05 官報第 6547 号)
□ 労働安全衛生法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(2015/06/10 官報第 6550 号)
□ 労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令(2015/06/10 官報第 6550 号)
□ 毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令(2015/06/19 官報第 6557 号)
□ 毒物及び劇物取締法施行規則の一部を改正する省令(2015/06/19
官報第 6557 号)
□ 労働安全衛生規則及び産業安全専門官及び労働衛生専門官規程の一部を改正する省令(2015/06/23
139 号)
官報号外第
□ 電気事業法等の一部を改正する等の法律(2015/06/24 官報号外第 140 号)
□ 労働安全衛生法第五十七条の三第三項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件(2015/06/26
144 号)
□ 電気事業法第五十七条の二第一項の登録調査機関として登録の更新をした件(2015/06/24
官報号外第
官報第 6563 号)
□ 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(2015/06/26
号外第 143 号)
(毒物及び劇物取締法、火薬取締法、高圧ガス保安法 改正)
官報
□ 労働基準法施行規則第三十八条の七から第三十八条の九までの規定に基づき、休業補償の額の算定に当たり用いる
率を定める件(2015/06/30 官報号外第 146 号)
□ 労働者災害補償保険法第八条の二第一項第二号の規定に基づく休業補償給付又は休業給付に係る給付基礎日額の算
定に用いる厚生労働大臣が定める率の一部を改正する件(2015/06/30 官報号外第 146 号)
凡例)□
:
貴組織で関係する法規制にチェックするなどにご利用ください。
太字: 解説が前方ページにありますのでご覧ください。
掲載されている労働安全衛生法令の制改正情報、及びその他情報は、十分注意して作成しておりま
すが、ご利用になられる場合は、官報等の情報をご確認ください。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
労働安全衛生ワンポイント
●先月のワンポイントに引き続き、2014 年 6 月 25 日に公布された『労働安全衛生法』の改正について、
主要 7 項目の詳細を解説いたします。
今回は、最終回として第 1 項目について解説いたします。
(1)化学物質管理のあり方の見直し:危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)の義務化
(2)ストレスチェック制度の創設(先々月解説済)
(3)受動喫煙防止対策の推進(先月解説済)
(4)外国に立地する検査機関等への対応(先月解説済)
(5)重大な労働災害を繰り返す企業への対応(先々月解説済)
(6)規制・届出の見直し等(先月解説済)
(7)電動ファン付呼吸用保護具の型式検定(先月解説済)
<化学物質管理のあり方の見直しについて>
1.趣旨
2005 年 11 月の『労働安全衛生法』改正により「事業者は建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん
等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等を調査し、その結果に基づいて、こ
の法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するた
め必要な措置を講ずるように努めなければならない。」とされ、所謂「リスクアセスメント」が努力義
務化されました。
今般、2013 年に労災認定された印刷事業場において洗浄作業等に従事する労働者が集団で胆管がんを発
症した事例を契機として、リスクアセスメントの対象見直しと義務化が検討され、新たに化学物質管理
のあり方として整備されたものです。
2.調査の義務
(改正法第 57 条の 3)
改正法では「事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第 57 条第1項の政令で定める物及び通
知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければならない。」とされ、全ての事業者に対し、リス
クアセスメントの実施が義務付けられました。
(1)調査対象物
調査の対象となる物質は「第 57 条第1項の政令で定める物及び通知対象物」とされ、定義の仕方が
色々でてきますが、1 ページ目で解説した「表示対象物質 640 物質」と同じになります。
(2)調査の実施時期(省令第 34 条の 2 の 7)
2 ページ目で解説した通り、以下のいずれかの場合となります。
・調査対象物を原材料等として新規に採用し、又は変更するとき
・調査対象物を製造し、又は取り扱う業務に係る作業の方法又は手順を新規に採用し、又は変更する
とき
・上記に掲げるもののほか、調査対象物による危険性又は有害性等について変化が生じ、又は生ずる
おそれがあるとき
⇒従って、既存の化学物質については取り扱い方法が変わったりしない限り、新たにリスクアセスメン
トし直す必要はありません。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
(3)調査の実施方法(省令 第 34 条の 2 の 7)
同じく 2 ページ目で解説した通り、以下のいずれかの方法、又はこれらの方法の併用により行わな
ければならないとされました。
・危険又は健康障害の程度を考慮する方法
・ばく露の程度及び有害性の程度を考慮する方法
・上記に掲げる方法に準ずる方法
⇒具体的な支援ツールとして「化学物質リスク簡易評価法」(コントロール・バンディング)を利用す
る方法があります。
○一般財団法人化学物質評価研究機構安全性評価技術研究所ホームページ
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/ras/user/anzen/kag/ras_start.html
また、厚生労働省資料にも参考資料が掲載されています。
○労働安全衛生法施行令及び厚生労働省組織令の一部を改正する政令案要綱及び労働安全衛生規則及
び産業安全専門官及び労働衛生専門官規程の一部を改正する省令案要綱の概要
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11305000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Kagakubushitsutaisak
uka/0000086183.pdf
3.法的措置義務と防止措置努力義務
(改正法第 57 条の 3)
改正法では「事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措
置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければな
らない。
」とされました。
(1)リスクアセスメントの結果、法令に基づく措置が実施されていないことが明確になった場合、当然、
法令に基づく措置を実施しなければなりません。
(2)法令に基づく措置が実施されていても、改善の余地がある場合には、それら措置を実施するよう努
力する必要があります。
(3)調査の結果等の周知(省令 第 34 条の 2 の 87)
2 ページ目で解説した通り、調査対象物の名称や調査内容、実施した措置等を対象となる労働者に周
知しなければならないとされました。
4.施行期日
2016 年 6 月 1 日より施行されます。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
厚労省からの通知・ガイドライン
(2015年6月1日~2015年6月30日)
1.厚生労働省からの通知
● 「職場のパワーハラスメント対策の推進について」の一部改正について (平成 27 年 6 月 4 日 基発 0604
第 3 号)
概要 職場のパワーハラスメント対策については、「職場のパワーハラスメント対策の推進について」
(平成 24 年 9 月 10 日付基発 0910 第 3 号)に基づき取り組みが行われておりますが、総合労働相談コー
ナーへの相談件数が増加を続ける等、社会問題として顕在化しているとともに、精神障害の労災補償状
況においても、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、または暴行を受けた」ことによる支給決定件数が増加
している状況にあります。
一方、約半数の企業がパワーハラスメントの予防・解決のための取組を行っておらず、特に 100 名未満
の企業においては、8 割以上は何ら取組が行われていないことが明らかとなっています。
こうした状況を踏まえ、厚生労働省では、周知・啓発のための事業や労使の取組を支援するための事業
を実施していますが、今般、「パワーハラスメント対策導入マニュアル~予防から事後対応までサポー
トガイド~」を作成したこと等に伴い、通達の一部を改正し職場のパワーハラスメント対策をより一層
推進することとしたものです。
内容
パワーハラスメント対策導入マニュアル
以下の構成にて作成されています。
1.はじめに
1.1. 職場のパワーハラスメントの現状と本マニュアルの目的
2.パワーハラスメント対策の導入に当たって
2.1. パワーハラスメントに関する経営トップと事務局の理解
2.2. パワーハラスメント対策の基本的枠組みの構築手順
3.本マニュアルを活用した取組の実施
3.1. トップのメッセージ
3.2. ルールを決める
3.3. 実態を把握する
3.4. 教育する
3.5. 周知する
3.6. 相談や解決の場を提供する
3.7. 再発防止のための取組
4.パワーハラスメント対策の取組の継続
4.1. 持続した取組にしていくために
パンフレットそのものについては、以下より参照願います。
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/pdf/pwhr2014_manual.pdf
導入支援対策
厚生労働省では、7 月から、今回のマニュアルを活用した「パワーハラスメント対策支援セミナー」を
全国約 70 か所で無料開催しています。
このセミナーは、企業の人事担当者を対象に開催するもので、パワーハラスメント対策担当者を養成し、
企業におけるパワーハラスメント対策の導入に直結させるため、企業がパワーハラスメント対策を実施
する必要性、マニュアルの活用方法についての解説や、グループワークを内容とする企業の人事担当者
向け研修を行うものとされています。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
●セミナー開催案内
http://www.tokiorisk.co.jp/seminar/pawahara2015.html
(委託先の株式会社東京海上日動リスクコンサルティングのウェブサイト)
<通知及び参考資料(ホームページ)のご紹介>
●「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を初めて作成しました
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000084876.html
●「職場のパワーハラスメント対策の推進について」の一部改正について(基発 0604 第 3 号 平成 27
年 6 月 4 日)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T150608K0020.pdf
新旧対比表 http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T150608K0021.pdf
●「職場のパワーハラスメント対策の推進について」(基発 0910 第 3 号 平成 24 年 9 月 10 日)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T150608K0022.pdf
2.その他
厚生労働省 労働基準局からの通知・ガイドライン一覧
□ 事業附属寄宿舎規程の一部改正について(平成 27 年 6 月 1 日
基発 0601 第 6 号)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T150612K0030.pdf
掲載されている通知・ガイドライン情報は、十分注意して作成しておりますが、ご利用になられる
場合は、各省庁等から発行されている情報をご確認ください。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
労働災害ニュース
(2015年 6 月1日~2015年 6 月30 日)
労災事故事例として最近の主な報道内容をまとめました。
その中でも、特に留意が必要な事故について詳細をご紹介します。
(氏名や住所等の個人情報は、記載を控えさせていただいております)
1.パワハラでうつ労災認定
家電量販店で同僚ら暴力
兵庫(2015/6/2
神戸新聞)
職場の同僚から暴力を振るわれるなどパワーハラスメントを受けて精神疾患になったとし、労災補償を求めていた家電
量販店の 20 代男性店員に、西脇労働基準監督署が労災認定していたことが 1 日までに、分かった。発症から約 2 年が
たつが、男性は今も自宅療養を続け、心身の不調に苦しんでいる。
男性が開示請求した労基署の関係書類などによると、2013 年 6 月 23 日夜、閉店作業中、男性の仕事ぶりに立腹した先
輩格の同僚から殴る蹴るなどの暴行を受けたと主張。同僚は事実関係を認めていないが、労基署は「おおむね男性が主
張するような事実があった」と判断した。
さらに、同年 7 月 2 日、今度は別の同僚から作業上の不手際を指摘され、2 リットル容器のペットボトルで左目付近を
殴られたという。
男性はいずれも軽傷だったが、精神状態が不安定になり、不眠や下痢などの症状に見舞われ、医療機関から「うつ病」
「外傷後ストレス障害」と診断され休職。労災の休業補償を請求し、西脇労基署は今年 3 月 20 日付で支給を決定した。
男性は「労災認定された 2 度だけでなく、継続的にいじめ、叱責(しっせき)を受けてきた」とし、
「このままでは人
生の次の一歩が踏み出せない」と同僚や会社に謝罪を求めている。
家電量販店側は「社内調査をしてきたが、当事者間において(暴力行為の)事実に認識の齟齬(そご)があり、社内対
応は検討中」とコメント。労災認定については「遺憾に思うが、会社として重く受け止める」としている。
2.<橋建設現場>1人転落死、作業員3人重軽傷 北海道(2015/6/4
毎日新聞)
4 日午前 11 時ごろ、北海道木古内町釜谷(かまや)の函館江差自動車道の大坪沢川橋の建設現場で、作業員 2 人が工
事中の橋から約 20 メートル下に転落した。北海道警木古内署によると、2 人のうち会社員男性(45)が頭の骨を折る
などして死亡し、40 代の男性が骨盤を折る重傷。他に 50 代と 20 代の男性作業員 2 人が足の骨を折るなどの重軽傷を
負った。
道警などによると、建設現場でジャッキを使って仮の橋げたとなる鉄骨を渡す作業をしていたところ、突然ジャッキが
傾き、弾みで男性ら 2 人が転落、他の 2 人も負傷した。
道警は業務上過失致死傷容疑で事故原因を調べる。函館労基署も労働基準監督官ら 4 人を現地に派遣した。
北海道開発局によると、橋は完成すれば全長 140 メートル。このうち約 34 メートルまで工事が進められていた。
函館江差自動車道は函館市と江差町の約 70 キロを結ぶ自動車専用の高規格道路で、函館-北斗茂辺地間の 18 キロが既
に開通。現場を含む北斗茂辺地-木古内(仮称)間は 2019 年度の開通予定で工事が進められていた。
3.型枠から転落、男性死亡
中島のコンクリート工場(2015/6/4
福島民報)
5 日午前 7 時 10 分ごろ、中島村のコンクリート工場で、会社員男性(62)が高さ 2.5 メートルの鉄製の型枠から転落
した。男性さんは白河市内の病院に搬送されたが、約 2 時間半後に死亡した。一緒に作業をしていた 50 代会社員男性
は、死亡した男性が転落した際に倒れてきた型枠にぶつかり、軽傷を負った。
白河署の調べでは、男性は社員 2 人とコンクリート製品を作る作業中で、型枠に登り、作業を指示していた。同署は事
故の原因などを調べている。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
4.エレベーターの扉が落下
札幌、交換中の作業員死亡(2015/6/11
北海道新聞)
11 日午前 2 時 25 分ごろ、札幌市の百貨店(地上 10 階、地下 2 階建て)のエレベーター交換作業現場で、昇降路内の 5
階部分でつり下げられていたエレベーターの扉 2 枚が落下、1 階部分で作業をしていた会社員男性(41)の頭などに当
たった。男性は間もなく死亡した。
札幌中央署によると、扉は鉄製で、高さ約 2 メートル、幅約 40 センチ、扉 1 枚の重量が 40 キロ。現場では、扉 2 枚を
一緒にワイヤで巻いて固定し、クレーンで 4 階から 8 階までつり上げる作業を行っていた。
同署が事故原因を調べている。
5.重機 80 メートル滑落、投げ出されて男性死亡 札幌の採石場(2015/6/12 産経新聞)
12 日午前 10 時 10 分ごろ、札幌市の採石場で、斜面を掘削していた重機が約 80 メートル滑落、操縦していた運転手男
性(68)が頭を強く打ち間もなく死亡が確認された。
西署によると、男性は 12 日午前 7 時ごろから石を運搬するための道を造る作業をしていた。男性は途中で重機から投
げ出され、うつぶせで倒れていた。同署は何らかの原因で重機がバランスを崩したとみて調べている。
6.フォークリフトと列車衝突
男性死亡
新潟(2015/6/14
産経新聞)
14 日午前 10 時 10 分ごろ、新潟県弥彦村のJR弥彦線矢作-吉田間の踏切で、弥彦発東三条行き下り普通電車とフォ
ークリフトが衝突した。フォークリフトを運転していた石材業男性(80)が頭などを強く打ち、搬送された病院で死亡
が確認された。乗客ら計 19 人にけがはなかった。
西蒲署によると、フォークリフトに載せていた石材が踏切内に落ちたため、男性が移動させようとしていたという。
7.解体中に外壁崩落、作業の男性死亡
札幌・東区の商業施設(2015/6/17
北海道新聞)
17 日午前 9 時 35 分ごろ、札幌市の商業施設の解体現場で、外壁が倒れ、作業中だったショベルカーが下敷きになった。
札幌市消防局によると、ショベルカーを操作していた、解体会社男性(66)が運転席に閉じ込められた。約 4 時間後に
消防隊に救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は全身を強く打ったことによる多臓器損傷。
札幌東署によると、当時、ショベルカー3 台で外壁の撤去作業をしており、男性のショベルカーがコンクリート壁を切
断したところ突然、高さ 10 メートル、幅 20 メートルにわたって壁が倒れたという。ほかの 2 台は切った壁が敷地外に
倒れないようワイヤやアーム部分で支えていたといい、同署が事故原因を調べている。当時、現場には作業員約 10 人
がいたが、男性以外はけがはなかった。
8.うつ自殺で労災認定=福井労基署判断覆す―労働保険審査会(2015/6/20
時事通信)
自動車ディーラー福井支店に勤務し、うつ病で自殺した男性社員=当時(24)=について、労働保険審査会が、労災と
認めなかった福井労働基準監督署の処分を取り消し、17 日付で労災認定したことが分かった。遺族が 20 日、記者会見
して明らかにした。
遺族代理人の海道宏実弁護士によると、男性は 2010 年 4 月に入社し、営業担当の部署に配属。12 年 7 月、うつ病と診
断され、
「耐えられない」という内容の遺書を残して自殺した。
精神障害による労災認定には、心理的負荷の程度が「強」と判断される必要があるが、福井労基署は「中」と認定。し
かし、遺族の再審査請求を受けた労働保険審査会は「実績の芳しくない男性にとって、上司のメールによる厳しい叱責
は心理的負荷になっていた」などと指摘。男性が中度のうつ病を発症した 12 年 4 月の直前 3 カ月間に、月 120~134
時間に及ぶ時間外労働をしていたことも考慮し、
「強」と認めた。
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<2015 年 7 月 30 日発行>
9.クレーンのワイヤかかり2トン鋼材崩れる、男性下敷き死亡
姫路(2015/6/21
産経新聞)
20 日午前 10 時半ごろ、兵庫県姫路市大津区の物流センターで、クレーンを使って鋼材(長さ約 12 メートル、重さ約 2
トン)の移動作業をしていた塗装会社のアルバイト男性(71)が、クレーンのワイヤに引っ掛かり、バランスを崩した
鋼材の下敷きになった。男性は病院に運ばれたが死亡が確認された。
兵庫県警網干署によると当時、作業員 3 人が塗装のための作業をしており、男性はクレーンをリモコン操作し、鋼材を
ベルトコンベヤーに移す担当だった。同署は事故の原因や、作業現場の安全管理などについて調べる。
10.電柱点検中に感電死か
小樽で 25 歳作業員(2015/6/24
北海道新聞)
24 日午前 2 時半ごろ、JR函館線の朝里駅から札幌方向に約 2 キロの小樽市朝里で、線路脇にある鉄製電柱の点検作
業をしていた、会社員男性(25)が、意識がない状態で高さ 6 メートルの電柱から命綱でぶら下がっているのを別の作
業員が見つけ、119 番通報した。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。
小樽署などによると、当時、JR北海道の下請け会社の社員 4 人が作業していた。作業員が大きな破裂音がして振り返
ったところ、男性がぐったりしているのを見つけた。付近の電線には 6,600 ボルトの高圧電流が流れていたという。同
署は原因を詳しく調べている。
この事故により小樽―銭函間で一時送電が止まり、小樽発新千歳空港行き快速エアポートなど 3 本に部分運休などが生
じ、約 480 人に影響が出た。
11.その他の事故報道
□ 「掛け持ち勤務で過労死」 月 250 時間も時間外勤務と店員遺族が経営者とファミリーマートを提訴(2015/6/5 産
経新聞)
□ 枝の下敷きで男性死亡 大石田(2015/6/6 山形新聞)
□ JFE千葉工場で火災と事故(2015/6/7 千葉日報)
□ 「心の病」労災認定、過去最多 497 人、うち 99 人が自殺図るなど深刻(2015/6/25 産経新聞)
□ 石綿:解体工事で見落とし
兵庫や川崎など(2015/6/29 毎日新聞)
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