市民公開行事「流れのふしぎ科学教室 in 札幌」報告 - 身のまわりの流れから科学を体験 - 平成 27 年 9 月 13 日(日) 北海道大学で、日本機械学会年次大会の市民公開行事として「流 れのふしぎ科学教室」を実施しました。小中学生を対象とした「楽しい流れの実験教室」 と教員等を対象とした「教員・科学ボランティのための研修会」との2部構成で、講師は 石綿(神奈川工科大)が担当しました。実行委員の大島伸行先生(北大)には事前準備から当 日運営にあたって細部まで行き届いたご協力をいただきました。札幌市立福移小中学校校 長の近久直人先生には参加勧誘をしていただいたばかりではなく、当日は研修会にもご参 加いただきすっかりお世話になりました。献身的なご協力に深く感謝申し上げます。 さて、第1部の「楽しい流れの実験教室」には小中学生 36 名の参加がありました。日本 機械学会流体工学部門 HP 内の同名の実験動画でも公開している、 「ななめに浮く風船」、 「雪 だるま」、「ボールの封じ込め」、 「浮沈子」、「水運び」、「ボールを筒から取り出す」など空 気や水を使ったふしぎな実験や遊びを体験も交えて解説しました。「雪だるま」はその場で 工作も行い、皆さんに楽しんでいただけたようです。このような活動を通じて、小中学生 の頃から知的好奇心や科学への関心・理解を育んでいくことが大切であると考えています。 第2部の「教員・科学ボランティのための研修会」には、小中学校教員、科学普及活動 をされているボランティアの方、大学生など 11 名の参加がありました。世の中の一般向け 科学書を見ると、しばしば空気や水などの流体を使った実験が紹介されています。これら の実験は驚くような現象が起こったり、予想とは逆の動きをしたりして一般の方々の興味 をひくのに有効です。しかし、その原理の説明は間違っているものが多く、憂慮すべき状 況になっています。これを改善するための一環として、ここ数年、部門 HP における実験 動画公開やこのような研修会を行っています。今回は実演を交えながら 15 項目ほどを紹介 しました。しばしば原理を誤解されているものについてはどのように間違えているのか、 正しくはどう説明するのがよいのかについて解説しました。項目が多すぎてやや駆け足に なったかもしれませんが、差し上げた参考図書で再確認いただければと思っています。 幸いにして流体にはさまざまな「ふしぎ」な現象や遊びがありますので、これらを手が かりに科学の普及に努めていきたいと思っています。 (神奈川工科大学 自動車システム開発工学科 教授 石綿良三) 参考:流体工学部門 HP「楽しい流れの実験教室」 http://www.jsme-fed.org/experiment/index.html
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