必要なのは優秀なリーダーだ! 第1章 はじめに 第2章 研究の展開

必要なのは優秀なリーダーだ!
所属:
心理・教育
ゼミ
1年 2 組 15 番 小林
慶汰
第1章 はじめに
第1節
テーマ設定の理由
現代の社会においては、規模も役割も様々な組織が存在している。我々も社会に出れ
ばこのうちのどれかに属することになるわけだが、日本国憲法第15条に明記されてい
るように、我々は全体の奉仕者であるため、全体、つまり「日本」の向上・発展の為に
我々が属する組織1つ1つを向上、そして発展させていく必要がある。また、誇り高く
伝統あるこの前高を出ていく我々には、その組織の先導者となり、部下をひっぱってい
く必要もある。そこで、優れたリーダーとはなんなのかを理解したいと思った。
第2節
研究のねらい
リーダーとして必要な技術や人間性を理解し、実際に優秀な 部下を育て上げることが
できるようになること。
第3節
第1項
研究内容と方法
研究の内容
何ができれば優れたリーダーなのか。部下はリーダーに何を求めるのか。
できるリーダー、できないリーダーの圧倒的な違いとは。 「リーダーシップがある。」
「怒り方がうまい。」
「褒め上手。」
「人を見る目が ある。」などと簡単に「優れた先導者」
が説明できそうだ。では、具体的にどんな 人にリーダーシップがあるのか、どのよう
に怒り、どのように褒めるのが上手なのか。
それをはっきりさせるのと同時に、一般的なリーダーなどの例を挙げて、違いをはっ
きりさせていく。
第2項
研究の方法
主に「東大生・医者・弁護士になれる人の思考法(小林公夫氏著)」「星野仙一に学
ぶ部下覚醒の心理学
児玉光雄著」また他にも実際に結果を残したリーダーの書籍や
ブログ等を熟読し、そこから特徴や良いところを読み取っていく。
第2章
第1節
研究の展開
「働かせる」のではなく「働いてもらう」
一般的に、人の上にいる立場の人は部下に仕事を与えて、そして部下が仕事をこなす
というスタイルである。ここにおいて、上の立場の人が使役的になってしまうと部下は
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心理的にあまりいい状態にはなれない。そのような状態で仕事をこなすと質も下がるし、
悪循環である。では、仕事を与えるという使役的な動作を、どのようにすれば気持ちよ
くできるのか?
一番いいのは、「任せる」ということである。信頼をもって「君に頼
む」というふうにすると、部下は「僕にまかせてくれた。」「僕がこの役割に選ば れた。」
と嬉しくなるものである。要するに、任せて働いてもらうということである。
仕事を
自信と
任せる
やる気
好成績
周囲から
の高評価
上の図のように、ただ言い方を変えてみるだけで、いい循環がうまれる。連勝している
スポーツチームのような状態である。
しかし、人間には、失敗がつきものである。
部下が与えた仕事を失敗してしまったとき、どのような対応をしたらいいのだろうか。
第2節
叱るのは、しかるべきものなのか。
部下が与えた仕事で失敗してしまった。部下が落ち込むのは当然のことで、自信をな
くすこともしばしば。ここでいかに部下に再びやる気と自信を取り戻させるかが、大き
なカギである。今のリーダーはむやみやたらに叱ってしまうリーダーが多いが、叱るべ
きときではない。むしろ「これは良かったんだけどな」と褒めてあげるべき。これを裏
付ける実験がインターネットの記事で書かれていた。
この実験は、対象者を 3 つのグループに分けて、共通する課題を与え続ける。そして、
その成果への対応をグループごとに変えることで、その後の改善と成長にどのような変
化があるのかを調べるものだ。
1 つ目のグループは「結果にかかわらず、必ず褒められる」、2 つ目のグループは「結
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果にかかわらず、必ず叱られる」、3 つ目のグループは「結果について、褒められるこ
とも叱られることもなく、ほったらかしにされる」――に分けられたという。
この実験の話を聞きながら筆者は、「当然、褒められるグループが最も伸びたという
結論なのだろう」と予想してはいたが、正解は「半分、当たり」といったところ。そこ
まで単純ではなかったのが意外で、興味深かった。
結果は短期と中長期で異なるものだった、というのである。
この実験で、短期的に最も成果の改善が見られたのは 2 つ目の、
「結果にかかわらず、
必ず叱られる」グループなのだという。
だが、実験が進むにつれて、グループごとの成長のスピードに変化が出てくる。叱ら
れ続けるグループは短期的には最も高い成果を上げるが、持続性がなく、成果の改善が
見られなくなってくるそうだ。成長が鈍化してくるのだ。
その反面、ジワジワと成果の改善が続き、成長を続けるのが 1 つ目の「結果にかかわ
らず、必ず褒められる」グループだったという。いずれ、叱られ続けるグループの成果
を追い越すようになり、その後も成長が持続する。
(心理学ミュージアムより)
改めて言うまでもなく、改善の変化があまり見られず低成長が続くのが 3 つ目の、
「褒
められることも叱られることもなく、ほったらかしにされるグループ」だ。人材育成に
おいて、ほったらかしは絶対に避けるべき手法のようだ。
このように、成長の時期、速さに差はあるものの、「褒める」という行為は部下の成
長にとって非常に大切であることがわかる。
では、どんな風に褒めたらいいのか。次節で説明しよう。
第3節
いろいろな褒め方
人は褒められれば誰でも嬉しいが、褒め方によってやる気のでかたが違ったり、その
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後の部下の行動にも差が出てくる。この節では、1990~2000 年まで、最高順位 2 位1回、
それ以外は全て4位以下という不調チームだった阪神タイガースを、その熱意と指導力、
そして優れたリーダー気質でリーグ優勝までに仕上げあげた名将、星野仙一監督の褒め
方を例に挙げて説明する。
彼は、褒めちぎることがあったという。たとえば、若手の新人投手に、
「フォームがな
っとる。将来大化けするかもしれん。」と言ったりするのだ。新人投手としても、プロ
の世界に入り不安も多いことと思うが、監督からこのような言葉をかけられたら、自然
と自信もわくし、「期 待に応えよう」とも思うわけである。星野監督はそう思わせよう
として、意図的にそういう褒め方をしているのだろうと感じた。しかし、ここで期待を
全面に押し出した褒め方をしてしまうと、喜びと共にプレッシャーを与えてしまうこと
もあるので、加減も必要であると私は思う。
また、直接褒めないというのも星野監督の特徴でもあった。記者会見などで選手のい
ないところで「昨日はアイツのプレーで勝負が決まった。」などと言ったりする。選手
は新聞などで監督が自分を褒めていたことを知る。このように、誰かが自分を褒めてい
たことを他の人から聞いたりしたことは皆さんにもあるだろう。この褒め方もただ普通
に褒めるのとは違った効果が期待できる。
褒める観点も大切である。心理学の研究で有名なスタンフォード大学の心理学教授、
キャロル・S・ドゥエック氏について調べていたところ、この褒める観点について言及
した部分があった。(著書「MINDSET」(邦題:「やればできる!」の研究)
一つ例を挙げよう。以下の褒め言葉のうち、どの言い方が最も良い褒め方だろうか?
(背景)営業マンの佐藤さんは、入社1年目。新人の時から頑張っているが、同期9人
の中では7番目に初受注を成し遂げた。初受注がなかなか出来ないことに対して焦りを
感じていたようだが、苦労して受注した今はホッとしている。
1.佐藤さん、初受注おめでとう。これからもバリバリ受注してくれよ。期待してるぞ!
2.佐藤さん、初受注おめでとう。君には才能があると思っていたから、初受注が少々
遅くなっても、きっとやってくれると思っていた。これから期待しているぞ!
3.佐藤さん、初受注おめでとう。努力した甲斐があったね。これからも頑張ってくれ。
期待しているぞ!
さて、どの褒め方が最も良いだろうか?
1.と 2.は「やってはいけない褒め方」である。
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1.は、「成果」に対して期待をしていることになってしまうからだ。裏を返せば、「成
果が上がらない奴には期待しない」というようにも取れてしまう。成長するためには
結局たゆまぬ努力と長い時間が必要だとすれば、目先の「成果」を追わせるような褒
め方は、長期的に彼のモチベーションを著しく損なう恐れがある。
2.は、成果を強調しているわけではないが、「才能」を褒めている。才能をほめられ
た人は、その期待に答えるべく「どうやって努力せずに結果を出すか」に拘るように
なる。これでは成長は望めない。
3.は、成果でもなく、才能でもなく「努力」を褒めている。努力を期待することで、
新人の間「何が最も重要な活動なのか、当然努力だ」というマインドセットが身につ
き、大きく成長する下地ができる。
このように、その人のどんなところを、どんな形で褒めるのかが非常に 大切 であ る。
第4節
叱り方も大事
先ほどまでは、
叱ること<褒めること
の重要度となっているような説明と分析を
してきたが、実際は褒めてばかりではいけない。皆さんも承知のことだろう。もちろん、
叱るときも必要なのだ。ただし、どんな時、どんな態度に対 して叱るのかが重要なのだ。
心理学的に、人格、その人自身を否定する叱り方は NG である。たとえば、「なんて分
かりが悪いんだお前は!」みたいな感じ。体罰に関してはもってのほかだ。リーダーと
してというよりも人間として失格である。逆に行動に対してしかるのは OK とされてい
る。たとえば、「そのやり方じゃうまくいかないだろう!」みたいな感じ。この線 引き
を意識すれば、部下が傷つかないでしっかりと行動を正すことができる。
星野仙一監督は、怠惰なプレーをした選手にはベンチに戻ってきたら「どうしてあん
なプレーをしたのか」と大声をあげて叱ったという 。いつ、どうやって叱ればいいのか
を熟知しているというのも大切な点である。 これに加えて、星野監督はもう一つリーダ
ーとして良い点があった。
第5節
守って目守る
星野監督は、審判の誤審に対して、誰よりも早くグランドへ飛び出し審判に抗議した。
選手のミスでないならば、必死で選手の防衛に回る。この姿勢が選手に感銘を与えたの
だろう。リーダーのなかには、叱るだけ叱って責任は誰かに押し付け、自分だけそそく
さと問題から逃れるという人もいる。こういうリーダーは部下から信頼を得ることは不
可能だと思われる。確かに部下のミスの責任を丸々背負うのは厳しいものがあるが、そ
れくらいの勇気と責任感を持たなければ部下からの信頼は得られない。自分も一緒に上
から叱られる、非難される 覚悟が部下に伝われば、「この人についていこう。」「この人
のために頑張ろう」と部下は思うだろう。
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第2章 感想
まとめ
以上、優秀な部下を育てる優秀なリーダーとしての条件 を研究してきたが、天性的な能
力はさして重要でなく、部下への愛情がなにより重要であることが分かった。
意識すれば簡単に実践できることがほとんどなので、皆さんにもぜひチャレンジしてほ
しい。そして、日本を引っ張っていってもらいたい。
~ポイント~
・感謝の気持ちを持って部下に接する
・褒めちぎってみる!
・努力を褒める!
・怠惰による結果不振はしっかり叱る
・部下のミスの責任を負うくらいの勇気!
・部下への愛情!!!!
おggふぉ
第3章 参考文献
星野仙一に学ぶ
野村監督
部下覚醒の心理学
部下が育つ「将の器」
使ってはいけない日本語
Web ページ
児玉光雄著
江本孟紀著
宇野義方著
心理学ミュージアム
キャロル・S・ドゥエック氏
著書「MINDSET」(邦題:「やればできる!」の研究
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