H27年度前期終業式講話 今日で平成27年度の前期の活動が終了いたします。皆さんはもう午前中に各教室で通知表を渡さ れましたか?1年生にとっては中学校に入ってからの初めての通知表、2・3年生にとっては去年に比 べ、どれだけ自分が成長したかを確認できる通知表です。結果はいかがだったでしょうか? さて、話は変わりますが、皆さんも知っての通り、先日2日連続で日本人がノーベル賞を受賞しまし た。北里大学特別栄誉教授の大村智(さとし)さんがノーベル医学生理学賞を、東京大学宇宙線研 究所長の梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞されました。 大村さんは1979年(今から36年前ですが)、抗生物質エバーメクチンを発見し、その後それを用 いた「寄生虫によって引き起こされる感染症の治療」を開発、主に開発途上国での感染症対策に大い に役立っているということが受賞の理由となります。全世界で10億人以上の人命が救われた「測り知れ ない貢献」であると賞賛されています。しかし、大村さんも最初から発見したその微生物が10億人の命 を救うような物質だとは考えていなかったはずです。「科学者は人のためにならなくてはいけない。」という 強い思いと微生物がもっている無限の可能性を信じ、研究を続けたことが、特効薬などの開発に結び つき、今回の受賞に至ったのだと思います。 また梶田さんの授賞理由は「ニュートリノに質量があることを示したニュートリノ振動の発見」です。で もニュースでよく言っているニュートリノって何?スーパーカミオカンデって何?皆さんは知っていました か?私はわからなかったのでインターネットで調べてみました。とっても難しかったです。みなさんにも説明 しようかと思いましたが、間違ったことを言うと悪いので興味のある人は自分で調べてみてください。調べて いくうちにニュートリノとは何者なのか少しずつわかってきたのですが、「そのニュートリノに質量があるとい う発見はいったい何の役に立つんだ?」という疑問もでてきました。これも調べてみました。そしたら、こん なことが書かれていました。ニュートリノを直接発見したことで2002年にノーベル賞を受賞し、梶田さん の師である小柴昌俊さんが2002年に受賞したときに、次のような言葉を残していました。 『この研究は100年くらい経たないと、役に立つかどうかわからない』というふうに。 そして、今回受賞された梶田さんはこの研究について次のように言っています。 『あえて言うなら、人類の知の地平線を拡大するようなもの』だと。よくわかりません。 よくわかりませんが、これがやはり科学者の言葉なんだなと思いました。「たった今何か。」というのでは ないんですね。飽くなき知的好奇心、「知りたい」という純粋な知的好奇心がこのような研究を推し進め、 ニュートリノに質量があると発表した17年後の今年にノーベル賞を受賞することになったんですね。 今日発表してくれた小早川さんのミジンコの研究も同様だと思います。小学4年生の時から研究して きて、もっと知りたいという強い気持ちが今回のPart4の研究になったのだと思います。私もこの小早川さ んの科学研究発表会の発表原稿を見せてもらって、あまりの完成度にびっくりして、心震えました。たぶ ん今年で終わりではないのでしょう、Part5、Part6と飽くなき知的好奇心で研究を続けていってくださ い。 さて、話は元に戻りますが、今日で前期が終了します。来週からは新しいスタートが待っています。今 学期うまくなかったことは一旦リセットして、次なる知的好奇心を持ってチャレンジしていってください。
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