基本目標7 歴史・文化の継承と芸術の振興

基本目標Ⅶ
歴史・文化の継承と芸術の振興
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1
文化財の保存・保護及び活用
2
伝統行事の保存と継承支援
3
文化芸術活動の振興
施
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策 ]
基本目標Ⅶ
施策1
歴史・文化の継承と芸術の振興
文化財の保存・保護及び活用
【現状と課題】
高齢化社会の到来とともに、団塊世代の大量退職時代を迎え、郷土への関心、郷土
学習へのニーズが高まっています。また、小・中学校の社会科や総合的学習の時間で
も、郷土教育の取組みが、以前にも増して大きなウェイトを占めています。
文化財の保存保護の課題としては、「脚折のケヤキ」などの天然記念物は、寿命の
ある生き物であり、常に老化による腐朽や枯死などの消滅の危険にさらされています。
また、ハード面の課題としては、郷土学習や文化財展示のための博物館・郷土資料
館などの恒久的な専門施設や歴史資料などの有形文化財を適切に管理・保管するため
の耐火機能を有する文化財収蔵庫が未整備となっています。
さらに、埋蔵文化財発掘調査事業では、過去に発掘調査を実施した遺跡について、
出土品の整理作業に多くの時間と労力を要することから展示公開等が遅れていること
も課題となっています。
【施策の方向性】
○ 貴重な文化財を適正に管理保存し、後世に伝えます。
○ 文化財や郷土資料について、公共施設を利用しての展示公開に努めます。
○ 埋蔵文化財保存保護を円滑に進めるため、適切な体制を整備し、埋蔵文化財報告
書の刊行や出土品の展示公開に努めます。
○ 貴重な文化財を広く市民にPRし、文化財保存保護の啓発を図ります。
【主な取組み】
○ 文化財の適正な維持管理
・鶴ヶ島市の歴史・伝統・文化を理解するため、貴重な文化財の保存を推進します。
特に、指定天然記念物「脚折のケヤキ」、「慈眼寺黒這松」は、老木であるため、
定期的な巡回や所有者に対して日常の観察、管理を喚起し、専門的な診断を要す
る場合には、樹木医等の診断を受け、必要な治療を行うなどの保存保護に努めま
す。
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○ 公共施設を利用しての展示公開の充実
・中央図書館の展示室など既存の公共施設を利用し、文化財、郷土資料の展示公開
に努めます。
・市内小・中学校の郷土学習に、市内遺跡から出土した遺物や収集した民具などの
資料が、さらに活用されるよう情報提供します。
・栄小学校との連携による余裕教室を利用した文化財展示教室を積極的にPRし、
文化財の展示公開に努めます。
○ 埋蔵文化財の保存保護及び活用
・文化財保護行政の中でも埋蔵文化財発掘調査事業は、専門的な知識が要求される
ため適切な体制を整備し、計画的な報告書の刊行と出土品の展示公開に努めます。
○
文化財保護啓発の推進
・現有の文化財マップ及び冊子「鶴ヶ島市の文化財」の内容を更新し、最新の文化
財情報を市民に提供しながら、文化財保護意識の高揚を図ります。
・文化財展示や市ホームページ等を通じて、文化財保存保護の啓発に努めます。
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基本目標Ⅶ
施策2
歴史・文化の継承と芸術の振興
伝統行事の保存と継承支援
【現状と課題】
市内には、江戸時代から継承されている無形文化財として「脚折雨乞」、「高倉獅
子舞」の2つの伝統行事があります。伝統行事の継承には、文化財保持団体である保
存会の存続が欠かせないものとなっています。それぞれの無形文化財を支えている2
つの保存会は、ともに後継者育成の課題を抱えています。
脚折雨乞行事保存会では、会員戸数は増加傾向にありますが、役員の高齢化に伴う
スムーズな世代交代が課題となっており、龍蛇の材料となる竹林の保全や麦畑の確保
の問題、観覧者への対応が課題となっています。
また、高倉獅子舞保存会では、保存会構成戸数の減少や地区内子どもの減少の問題
など次世代への継承が課題となっています。
【施策の方向性】
○ 伝統行事保存団体の後継者の育成を支援していきます。
○ 脚折雨乞、高倉獅子舞の継承を支援していきます。
【主な取組み】
○ 伝統行事保存団体の後継者の育成支援
・伝統行事を末永く後世に継承していくために、保存会と連携しながら、伝統行事
の魅力や継承の意義などをPRしながら後継者の育成を支援していきます。
・小・中学校を対象にした伝統行事の講演会など、次世代を担う子どもたちへの啓
発事業に対して、保存会と連携を図りながら積極的に支援していきます。
○ 脚折雨乞の支援
・4年に一度の国選択無形民俗文化財*・市指定無形文化財「脚折雨乞」を末永く
後世に継承していくために、保存会と連携していきます。
・竹林の保全や麦畑の確保は、脚折雨乞行事保存会と連携・協力しながら、伝統行
事が末永く継承できるように支援していきます。
○ 高倉獅子舞の支援
・市指定無形文化財「高倉獅子舞」は、市内に唯一残る獅子舞であり、郷土鶴ヶ島
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の愛着心を育む伝統行事であり、保存会と連携して後世に伝えていきます。
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基本目標Ⅶ
施策3
歴史・文化の継承と芸術の振興
文化芸術活動の振興
【現状と課題】
科学技術の高度化や情報化などが加速する一方で、市民は心の豊かさを希求し、文化
芸術活動に対する関心が高まっています。
優れた文化・芸術を鑑賞することは、日々の生活に潤いとやすらぎを与えます。
また、
自らの活動の成果を発表することは、文化芸術活動を実践する者に達成感と充実感を与
え、新たな活動への意欲につながります。
文化芸術活動は、地域が活性化するきっかけにもなります。文化・芸術を媒介として
交流することにより生まれる人と人とのつながりは、居住地周辺の地理的範囲において
形成される地縁関係とは別種の関係です。市民の活発な文化芸術活動が、人々の心を豊
かにし、まちを元気にすることが期待されています。
【施策の方向性】
○ 市民が文化芸術に親しみ発表する機会の充実を図ります。
○ 文化芸術関係団体への支援の充実を図ります。
【主な取組み】
○ 文化芸術に親しみ発表する機会の充実
・講座・教室や展覧会などへの支援を通じ、市民が身近なところで文化芸術に親し
むとともに、活動の成果を発表する機会の充実を図ります。
○ 文化芸術関係団体への支援
・運営などに係わる相談機能の充実を図るとともに、団体間の交流を促進し、市民
の自主的な文化芸術活動の促進を図ります。
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