2015-07-14 ⼟質⼒学特論Ⅰ 補強土工法の理論と実際 澁⾕ 啓 教授 2015年7⽉7⽇ 土だって強くなれる 土は、なぜ弱いのか?柔らかいのか? 鉄筋コンクリ-ト構造物 対 盛土・地盤・斜面 1)空隙が多い。 2)拘束圧が低いと、弱く、柔らかい。 3)粒子間の噛み合わせが不完全で、 塑性変形が大きい。 □補強土工法の目的: 1)空隙をなるべく小さくする: 粒度分布が良く粒径が大きな*盛土材を、 良く締め固める。 2)拘束圧をなるべく高くする: 盛土の水平方向の伸び変形を補強材で 拘束する。 3)補強土の高い圧縮強度を利用して、大きなプレロードを加える。 2015-07-14 載荷応力 応力 拘束圧 高い乾燥密度 土の要素 低い乾燥密度 ひずみ 図2.1-1 土の変形強度特性に対する乾燥密度の影響 載荷応力 拘束圧 応力 土の要素 高い拘束圧 低い拘束圧 無拘束 図2.1-2 土の変形強度特性に対する拘束圧の影響 ひずみ 2015-07-14 応力 初期載荷 低い剛性 大きなクリープ変形 プレロード 非常に高い剛性 非常に小さなクリープ変形 繰返し載荷 ひずみ 土の変形強度特性に対する載荷履歴の影響 図2.1-3 土の変形強度特性に対する載荷履歴の影響 盛土に加わる力 P(大きくすると盛土を破壊する) 締固め層厚 (厚くなりがち) 締固めに伴う土の動き (横に逃げる) 図2.1-5 補強していない盛土の締固めの模式図 2015-07-14 盛土に加わる力 P (盛土を破壊することなく大きくできる) 締固め層厚 (小さく制御できる) 締固めに伴う土の動き (横に逃げない) 補強材 図2.1-5 補強盛土の締固めの模式図 図2.1-6 ジオテキスタイル補強土擁壁の例(筆者撮影) ジオグリッド JR西日本神戸線:尼崎 2015-07-14 図2.1-7 ジオテキスタイル補強土擁壁の構造 補強土擁壁 (reinforced soil) 土圧 ジオグリッドGeogrid 盛土の中の応力状態 図2.1-8 ジオテキスタイル補強土擁壁の メカニズム 補強土擁壁 (reinforced soil) 土圧 補強領域は、土圧により 1)前方に押し出され、 2)水平方向に伸びる。 補強材に作用する引張り力, T 土の要素に対する拘束圧 これによって土のせん断強度が 増加することを期待している。 2015-07-14 盛土 補強材 補強材に引張り補強機能に加えて排水機能があれば、粘性土盛土から排水ができる 図2.1-9 排水機能がある補強材による粘性土盛土の補強の模式図 土だって強くなれる 土は、なぜ弱いのか?柔らかいのか? 鉄筋コンクリ-ト構造物 対 盛土・地盤・斜面 1)空隙が多い。 2)拘束圧が低いと、弱く、柔らかい。 3)粒子間の噛み合わせが不完全で、 塑性変形が大きい。 □補強土工法の目的: 1)空隙をなるべく小さくする: 粒度分布が良く粒径が大きな*盛土材を、 良く締め固める。 2)拘束圧をなるべく高くする: 盛土の水平方向の伸び変形を補強材で 拘束する。 3)補強土の高い圧縮強度を利用して、大きなプレロードを加える。 2015-07-14 図2.2-10 プレロード・プレストレス工法の概要 1) 十分に大きなプレロード PLを加える。 2) 初期プレストレス PSに荷重を低下する。 3) 構造部供用中は高いプレストレス PS を維持する。 載荷荷重、 P PL 載荷に対して 弾性的挙動 剛性はPSが 大きいほど大きい PS C 盛土の圧縮量、 C 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);a)模型実験の概要 2600.00 mm. 土のう 補強材 砂 2150.00 mm. 50(mm) m m 0 0 6 600 (mm) 350mm 300(mm) 2015-07-14 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);b)プレロードの効果 平均鉛直応力(kPa) 300 豊浦砂 実験2 PL= 250 kPa PS= 5 kPa 250 200 150 100 実験1 PL= 5 kPa PS= 5 kPa 実験2での繰返し載荷 の開始点 50 0 0.0 0.5 1.0 1.5 平均軸ひずみ(%) 2.0 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);b)プレロードの効果 1.0 豊浦砂 実験1 PL= 5 kPa PS= 5 kPa 残留軸ひずみ(%) 0.8 0.6 実験2 PL= 250 kPa PS= 5 kPa 0.4 0.2 0.0 0 20 40 60 繰返し載荷回数 80 100 2015-07-14 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);c)プレロードとプレストレスの効果 300 豊浦砂 平均鉛直応力(kPa) 250 200 実験4 PL= 250 kPa PS= 100 kPa 実験3 PL= 250 kPa PS= 200 kPa 150 100 実験2 PL= 250 kPa PS= 5 kPa 50 0 0.0 0.5 1.0 1.5 平均軸ひずみ(%) 2.0 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);c)プレロードとプレストレスの効果 残留軸ひずみ(%) 0.6 豊浦砂 0.4 実験2 PL= 250 kPa & PS= 5 kPa 0.2 実験3 PL= 250 kPa & PS= 200 kPa 0.0 実験4 PL= 250 kPa & PS= 100 kPa 0 20 40 60 繰返し載荷回数 80 100 2015-07-14 繰返し載荷中のヤング率, Eeq (MPa) 図2.1-11 補強土橋脚の繰返し載荷変形に対するプレロード・プレストレスの効果を 確認するための模型実験1);c)プレロードとプレストレスの効果 300 豊浦砂 実験3 PL= 250 kPa & PS= 200 kPa 250 200 150 100 実験4 PL= 250 kPa & PS= 100 kPa 50 実験2 PL= 250 kPa & PS= 5 kPa 0 0 20 40 60 繰返し載荷回数 80 100 2015-07-14 既設盛⼟の耐震補強 Geotechnical engineering, Kobe university 22 2015-07-14 1. 補強⼟壁は地震に強い 崩れようと する⼟塊 補強材を引き 留める⼟塊 ⼟圧 応⼒集中 L型擁壁と盛⼟ 補強⼟盛⼟と擁壁 Tatsuoka(2005) 2015-07-14 補強⼟盛⼟ 補強材 (トイレットペーパー) トイレットペーパーの⼟⽊分野への活⽤法 25 International Symposium on Design and Practice of Geosynthetic-Reinforced Soil Structures Mitigation of Disasters by Earthquakes, Tsunamis and Rains by Means of Geosynthetic-Reinforced Soil Retaining Walls Junichi KOSEKI (Institute of Industrial Science, University of Tokyo, Japan) and Satoru SHIBUYA (Civil Engineering, Kobe University, Japan) ※ Reference ➡ Junichi Koseki & Satoru Shibuya: Mitigation of Disasters by Earthquakes, Tsunamis, and Rains by Means of Geosynthetic-Reinforced Soil Retaining Walls and Embankments, Transportation Infrastructure Geotechnology, ISSN 2196-7202, (2014) 2015-07-14 2011年3⽉11⽇ 東北地⽅太平洋沖地震が発⽣した 後の補強⼟擁壁の状況 地震時の挙動 強化復旧の事例 a) 無補強盛⼟の崩壊(宮城県⼭本町) a) b) b) 近傍のジオシンセティックス補強⼟壁 GRS (geosynthetic-reinforced soil) RW (メタルフェイシング+ 排⽔パイプ) 2015-07-14 メタルフェーシングを有するGRS RWの被災例 福島県南相⾺ Mano river 5650 8300 5300 600 無補強擁壁の崩壊例 東北貨物線 (JR East, 2011) 2015-07-14 Concrete facing コンクリート Geogrid ジオグリッド Collapsed slope 地震後 Geogrid-reinforced retaining wall ジオグリッド補強⼟擁壁 剛な壁⾯を有するGRS RWによる強化復旧例 (JR East, 2011) (JR East, 2011) 2015-07-14 2. 地⼭補強で耐震化 Reference; ➡ ⿓岡⽂夫(地盤⼯学会地盤設計・施⼯基準委員会W G5地⼭補強⼟⼯法)編集:地⼭補強⼟⼯法設計・施 ⼯マニュアル,公益社団法⼈地盤⼯学会 引張り補強材 A 地⼭補強⼟⼯法での潜在すべり⾯に沿った要素A 34 2015-07-14 地⼭補強⼟⼯法での潜在すべり⾯に沿った要素Aの引張り補強 35 引張り補強⼟⼯法における補強材に発⽣する⼒ (a)引っ張り補強土工法 36 2015-07-14 盛⼟地盤の内部では、 ⽔ 平⽅向がε3 の⽅向で、補 強材を配置しやすい。 地⼭斜⾯では、斜⾯に 直⾓な⽅向がほぼε3 の⽅ 向であり、施⼯しやすい。 37 のり⾯直交⽅向 A ε3⽅向= ⽔平⽅向 a) A b) ε3⽅向 ε3⽅向: ⽔平⽅ 向から⼤きくずれ ている A c) 引張り補強⼟⼯法における補強材配置⽅向 38 2015-07-14 3. 既設道路盛⼟の 耐震補強の概念 道路盛⼟耐震化⼯法の概念 40 2015-07-14 道路盛⼟耐震化⼯法の概念 ①盛⼟内の地下⽔位低下 41 地下⽔低下⼯法 L型排⽔盛⼟防⽔⼯ Reference; Kenji HARA,Satoru SHIBUYA,Masahiko SAITO, Nobuyuki TORII,Takayuki MASUO : A significance of L-shaped geosynthetic drain (LGD) against seepage flow , Proceedings of the 9th International Conference on Geosynthetics,pp. 1397-1402,2010.5 2015-07-14 L型排⽔盛⼟防⽔⼯の特徴 ◆ 地⼭からの浸透⽔を,鉛直に設置したジオシンセティックス排⽔材により下⽅に落とし,底部 の排⽔層から効率よく盛⼟外へ排⽔することで,盛⼟に浸透する⾬⽔の低減が図られる. 盛⼟⾃体を防⽔領域と考え,ただ,遮⽔することではなく,⼗分な排⽔によって,盛⼟背 ⾯からの⽔の浸透および蓄積を防ぐことが特徴である. 43 L型ジオシンセテックス排⽔材の設計 遮⽔領域の⽔位は、排⽔材の 透⽔性能と配置により決まる‼ k k geodrain kd H h 排⽔材の Kd=1(cm/sec) P d L1 L2 L 2 2 1 kd d L h , = , = 1 kH H L 排⽔材の Kd=10(cm/sec) ⼩型⼟槽実験のシミュレーション 齋藤ら(2008) 2015-07-14 実物⼤盛⼟実験ケース1 採⽤⼯法: テールアルメ擁壁 無対策盛⼟:ケース1 区分 ケース1 盛⼟材 ⽬標締固め度 Dc(%) 鉛直排⽔材 底部排⽔層 ⾃然⼟ 90 無し 無し ⾃然⼟:細粒分質礫質砂(SFG) 45 実物⼤盛⼟実験ケース2 採⽤⼯法: テールアルメ擁壁+L型排⽔盛⼟防⽔⼯ L型排⽔盛⼟防⽔⼯:ケース2,3,4 区分 ケース2 ケース3 ケース4 盛⼟材 ⾃然⼟ 製鋼スラグ 混合⼟ ⽬標締固め度 Dc(%) 90 80〜85※ 85※ 鉛直排⽔材 底部排⽔層 あり あり あり あり あり あり ※ ⼀般的な道路盛⼟の締固め度の下限値:Dc=90% ◆ 製鋼スラグの強度特性が優れるので,意図的に緩い締固め度 で施⼯して,盛⼟の挙動を観測する. 混合⼟:施⼯性を考慮して現場で混合 2015-07-14 ジオシンセティックス鉛直排⽔材 通⽔断⾯を確保 47 実験装置および施⼯過程 給⽔管 盛⼟側に等間隔で多数の⼩孔 を設け,⼩孔からの⼟の流⼊ を防ぐため不織布を巻いた塩 化ビニル管 周囲は防⽔シート で被覆している ⾼さ 3m 奥⾏ 4m 幅 2m ⼤型⼟槽実験装置 ▶ 施⼯は,壁⾯メッシュパネル,排⽔材,計測器,ストリップを設置した. そして,⼟撒きだしをして転圧と締固め管理を⾏った. 48 2015-07-14 計測結果:変形挙動-ケース1の崩壊状況 ▶ ケース1は,給⽔した後,約25分でストリップ先端部に⻲裂が発⽣ さらに,排⽔量は少なく,⽔位上昇に伴い変形が増加 最終には,壁と⼀体になってブロック形で崩壊に⾄った. 49 計測結果:変形挙動-ケース1(⾃然⼟,無対策) 実験前 ストリップの 投影位置 クラック① 実験中 崩壊時 注⽔後約25分でストリップ先 端部に⻲裂(クラック①)発 ⽣し前⽅へ拡⼤ 壁⾯は下段中⼼にとしたはら み出しが発⽣ 盛⼟内⽔位の上昇に伴い補 強⼟背⾯部での⻲裂が拡⼤ (50分) 注⽔停⽌したが⽔位低下は 鈍く,壁は⼀体で⼤きく前⽅ へ挙動し,崩壊に⾄る • 前⾯への排⽔は少なく,⽔ 位上昇に伴い変形 • 崩壊形態はブロック崩壊 2015-07-14 計測結果:変形挙動-ケース2(⾃然⼟,対策済) ストリップ先端部付近で⻲裂が 発⽣ 壁⾯に⽬⽴った変化無く,変位 量も4㎜と⼩変形 クラック② ストリップの 投影位置 背⾯部での沈下進⾏に伴い, 排⽔材の変形が⼤きくなり機能 低下 ⽔位上昇無く,補強⼟壁に挙動 は認められなかった. クラック① ※⻲裂は背⾯側への押し戻しにより⽣じ た可能性が考えられる。 道路盛⼟耐震化⼯法の概念 ②のり尻補強(剛な⼀体化構造物) 52 2015-07-14 道路盛⼟耐震化⼯法の概念 ③地⼭補強(⼤⼝径アンカー⼯による引張り補強) 53 ロータスアンカー⼯法(繰返し注⼊型地⼭補強⼟⼯法) ● 持⻑ ① 繰返し注⼊により補強体を拡⼤ ➡ ⼤きな引抜き抵抗⼒ ② ⼩型で打撃機能を有する削孔機を使⽤ ➡ 硬質地盤や狭硲な場所での施⼯が可能 ③ 繰返し注⼊は別⼯程で施⼯可能 ➡ 作業時間の短い現場でも効率的な施⼯ ● 繰返し注⼊のメカニズム 注⼊システム 補強体の造成(概念図) 出典:ライト⼯業株式会社 54 2015-07-14 ● 施⼯⼿順 繰返し 出典:ライト⼯業株式会社 既設盛⼟の耐震化の事例 (⽟坂トンネル) 垂⽔妙法寺線既設盛⼟補強計画 • 「加圧注⼊型地⼭補強⼯法」および • 「剛な壁を有する補強⼟壁⼯法」の適⽤について 55 2015-07-14 ⽟坂トンネルの履歴 盛⼟範囲 流下⽅向 旧ため池 昭和46年修正地形図 平成22年地形図 法⾯変状状況 2015-07-14 変状状況写真(1) クラック 浸出水 傾斜 クラック 防護柵変形 クラック 錆汁浸出 坑⼝全景(クラック、浸出⽔ 状況) パラペットクラック、浸出⽔、道路 側へ傾斜 法⾯上部舗装ひび割れ、防 護柵変形 クラック 遊離石灰 パラペットのひび割れ(貫通) パラペットのひび割れ、漏⽔ 変状状況写真(2) 法⾯への排⽔流⼊ パラペット背⾯排⽔ 溝の破損 排⽔施設損壊 のり枠⼯空洞化 パラペット端部排⽔ 溝の破損 縦排⽔溝の破損 (圧壊) 2015-07-14 パラペット変動量動態観測 反射板 反射板設置状況 拡散レーザー変位計 拡散レーザー変位計設置状況 盛⼟変状(擁壁天端変動量モニタリング結果) 降⾬時に変位が増⼤ 計器点検修正 変動量=約3㎜/8ヵ⽉ 道路側に傾斜 パラペット天端が継続的に道路側へ変位している。3㎜/8ヶ⽉ 降⾬後に変位が増⼤する傾向にある。 2015-07-14 調査計画 №5、№4 ・地中変位計測 ・地下⽔変動計測 パラペット天端 ・変位計測 地盤調査結果 盛⼟内部のN値が10前後と低い 粘性⼟主体層、礫混じり砂質⼟(Sf)主体層の互層 湧⽔ 2015-07-14 現況盛⼟の安全率 地質調査から得られた⼟質定数 区 分 単位体積重量 γt (kN/m3) 弾性係数 E (MPa) 粘着力 c (kPa) 内部摩擦角 φ (°) ポアソン比 粘⼟層が主体の 盛⼟層 17.0 25.0 15 5 0.33 砂質⼟系盛⼟層 17.0 30.0 0 25 0.30 カルバート上部の盛⼟の安全率は Fs=1.003 順解析でも盛⼟が不安定であることを確認した。 応急対策 ⽬的:降⾬時期前に盛⼟のり⾯の当⾯の安定を向上させる ⽬標安全率は本対策実施後の安全率1.2に対し、応急対策実施後 の安全率を1.1に設定。 ⽬標安全率Fs=1.10 Fs=1.16 上部排⼟ 歩道確保 応急対策施⼯断⾯(⼀次施⼯) のり⾯上部排⼟により起動側荷重を低減 2015-07-14 応急対策の効果(動態観測) 変動増加 傾向 変動安定傾向 ⽇降⽔量 100.5㎜ ・応急対策で変位増加傾向は低減されたが、停⽌には⾄っていない。 ・降⾬時に変位が増加する傾向は継続 応急対策の効果(パイプ歪計動態観測№4) №4ボーリング孔で地表近くで動きが⾒られるが深部での明らかな動きは⾒られない 2015-07-14 応急対策の効果(パイプ歪計動態観測№5) 顕著な変動累積傾向 変動傾向緩和 №5ボーリング孔では深部での明らかな動きが⾒られ、 応急対策後に変動増加が緩和されている 恒久対策 ☆応急対策では上部排⼟による常時安全率<Fs=1.2 満⾜していない。 ☆排⼟後の盛⼟変動速度は低減されたが緩やかな増加 傾向、降⾬時の変動は継続。 ☆のり⾯直下の幹線道路に対し、地震時においても安定 確保が必要 のり⾯補強 2015-07-14 のり⾯補強対策 • 盛⼟全体の安定対策 対策レベルの決定 直下に幹線道路があり、損傷すると第三者および交 通機能に重⼤な影響を与える。 盛⼟⼟質が砂質⼟(SF)、粘性⼟(C)の低品質盛⼟ 地震動を考慮した円弧すべり法 重要度Ⅰ 照査 レベル2地震動 2015-07-14 対策案の抽出 適⽤不可 対策⼯ ①すべりを抑⽌する対策⼯ or ②地盤強度を上げる対策⼯ ①抑⽌杭 対策案 ①抑⽌杭 ②法⾯アンカー⼯法 ③地盤改良 ④地⼭補強⼟⼯法 ⑤安定盛⼟勾配での再盛⼟ 起動⼒に対抗する根⼊確保不能 ②法⾯アンカー⼯法 ⽐較検討 アンカー打設不能 ⼯法選定 盛⼟内の排⽔性能確保、施⼯性、経済性の⽐較結 果よりのり⾯補強対策としてロータスアンカーを採⽤ 2015-07-14 地⼭補強⼟⼯法の選定 ☆必要アンカー⻑が10mを越える ☆N値が砂質⼟で50を越える ラディッシュアンカー適⽤外 ロータスアンカー⼯法採⽤ のり先補強対策 • 盛⼟のり先の安定対策 2015-07-14 のり先の安定検討結果 パラペットは損傷によって塑性変形 パラペット撤去時 背⾯掘削 施⼯時 恒久対応(常時) Fs=1.138>Fsa=1.10 OK Fs=1.138<Fsa=1.20 NG 恒久対策が必要 のり先補強に求められる性能 • 破壊モード 破壊時に直下の通⾏⾞両に被害を与えない 部分的な破壊が全体に波及しない ⼟のこぼれ出しを許容しない • 排⽔性能 ⾼い排⽔性能によって盛⼟内の地下⽔上昇を抑制する • 補強性能 地⼭補強アンカーと併⽤し,レベル2地震動に対し安 定である 2015-07-14 のり先補強⼯法の選定 もたれ式擁壁 排⽔性能に劣る 施⼯時の擁壁背⾯地⼭が不安定 × 剛性壁補強⼟⼯法 排⽔性能に優れる 施⼯時の擁壁背⾯地⼭安定 ◎ 対策後の安全率(レベル2地震時) Fs=1.01>1.0 →OK • 「加圧注⼊型地⼭補強⼯法」と「剛な壁を有する補強⼟壁⼯法」を組み合わせ て適⽤し,低品質盛⼟の地震時安定性を確保した 2015-07-14 81 対策案標準断⾯ 加圧注⼊型地⼭補強⼯法 剛な壁を有する補強⼟壁⼯法 2015-07-14 4. 全体のまとめ ▶ 補強⼟壁は,環境⾯,耐震性に優れている.しかし, 締固めと⽔対策に注意すべき ▶ 盛⼟の耐震化には⼤⼝径アンカー⼯による引張り補強 が基本 (せん断補強は期待できない) ▶ 低品質既設盛⼟の耐震化の事例(⽟坂トンネル): ⼤⼝径アンカー⼯を⽤いた地⼭補強と補強⼟壁による のり先補強の併⽤
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