演習問題 − 気相平衡 次の文章を読み,問 〜!に答えよ。 二酸化窒素 NO 2 から四酸化二窒素 N 2O 4 が生成する 反応の熱化学方程式は,次の⑴式で表される。 2NO 2(気) = N 2O 4(気) + 57.2 kJ ⑴ いま,NO 2 と N 2O 4 の混合気体が図に示す透明な密閉容 器内で平衡状態にある(初期状態とする)。NO 2 は赤褐 色の気体,N 2O 4 は無色の気体であるため,混合気体の 色の濃さは⑴式で示した反応の平衡の移動に伴って変化 する。 NO 2 のモル濃度を[NO 2],N 2O 4 のモル濃度を[N 2O 4] で表すと,⑴式の反応の濃度平衡定数 K c は,次の⑵式 で表される。 Kc = 図 ア ⑵ 混合気体の体積が 0.5 倍になるまでピストンを速やかに押し下げ,その位置で固定した。 固定した後の混合気体の変化を観察したところ,気体の色は徐々に イ くなり,やがて変 化しなくなった。ただし,これらの操作の間,混合気体の温度は一定に保たれていた。 問 文中の空欄 ア にあてはまる式,および空欄 イ にあてはまる最も適切な語句 を記せ。 問 下線部の過程において,ピストンを押し下げる前の全圧を P 0 とし,気体の色が変化 しなくなった状態における混合気体の全圧を P 1 とする。以下の①〜③の中から P 0 と P 1 の関係について正しいものを一つ選び,その番号を記せ。 ① P 1 は P 0 のちょうど 2 倍である。 ② P 1 は P 0 の 2 倍より小さい。 ③ P 1 は P 0 の 2 倍より大きい。 ― 21 ― 問" 平衡状態にある NO 2 と N 2O 4 の混合気体に対して以下の!〜"の操作を行った後, 十分に時間が経過すると,⑴式の平衡はどちらに移動するか。「右」 「左」 「移動しない」 のいずれかで答えよ。 ! ピストンを固定した状態で温度を上げる。 # ピストンを固定した状態で新たに NO 2 を加える。 $ ピストンを固定した状態でアルゴンを加える。 " 全圧が変化しないようにピストンを動かしながらアルゴンを加える。 問 # 平 衡 状 態 に お け る NO 2 の 分 圧 を pNO2 ,N 2O 4 の 分 圧 を pN2O4 と す る と き,K p = p N 2O 4 2 で表される量を圧平衡定数という。理想気体の状態方程式を利用して,K p を ( pNO2 ) K c と気体定数 R ,および絶対温度 T を用いて表せ。 問! ある温度において⑴式の反応の圧平衡定数 K p は 0.75 /kPa であった。NO 2 と N 2O 4 からなる気体の全圧が 1.0 kPa のとき,NO 2 の分圧 pNO2 は何 kPa であるか。有効数字 2 桁で答えよ。 ― 22 ―
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