ロボティックスワーム操作のためのヒューマンマシンインターフェースの 設計

平成 27 年度 修士論文概要
ロボティックスワーム操作のためのヒューマンマシンインターフェースの
設計
Human Machine Interface Design for Robotic Swarm Control
機械システム工学専攻 生産システム A 研究室
M143245 村川 真也
【背景と目的】
スワームロボティックシステム(Swarm Robotic Systems:SRS)とは,多数の自律ロボット間の局所的
な相互作用を通して群れ行動を創発するシステムである.多くの場合において,群れは自律的に動作する
ことが期待されている.一方で,各ロボットは局所的な相互作用のみでその振る舞いを決定するため,動
作している間は人の手による制御が困難である.そこで本研究ではロボティックスワームの監視と操作を
行うためのヒューマンマシンインターフェース(Human-Machine Interface:HMI)の設計を行う.
【実験設定】
本研究ではロボティックスワームの持つパラメータをリ
robot
アルタイムで操作することにより,その振る舞いを人
の手によって操作する.ロボットの行動モデルには, 多
くの研究で群れ行動の生成手法の基となっている boid
を用いる.boid では各個体が局所的な知覚範囲を持ち,
cohesion area
範囲内に存在する別個体の位置や速度に対応した方向
alignment area
separation area
ベクトルを生成する.この方向ベクトルは,三つの単
純な行動規則 cohesion,alignment,separation に従っ
Fig. 1: Interaction area
て生成される.そして生成された方向ベクトルの重み
付き平均を取ることで進行方向ベクトルを得る.各個体がこの進行方向ベクトルに基づいて振る舞うこと
で群れ行動の生成を可能にしている.本研究での各行動規則の適用範囲を Fig. 1 に示す.操作するパラ
メータは,各行動規則の適用範囲の大きさと重みの値を用いた.
【実験結果】
実際に設計したインターフェースを Fig. 2 に示す.インターフェースのユーザビリティ評価には System
Usability Scale(SUS)を使用し評価を行った.SUS の得点表を Table.1 に示す.総評は 24.75 点であり,
システムについてある程度の知識がある人間であれば,インターフェースを通してのロボティックスワーム
の操作は可能だが,知識のない人間であればある程度の訓練が必要になると考えられる.また,パラメー
タを操作に関しても,直接的に群れの振る舞いを操作できるものではないため,望む振る舞いをとらせる
ために時間がかかるという意見があった.
Table 1: User satisfaction
Fig. 2: Simulation experiment in the interface
Q1
Q2
Q3
Q4
Q5
Q6
1.875
2.75
2
2.5
2.25
3
Q7
Q8
Q9
Q10
Total
2.625
3
2.5
2.25
24.75