白 川)

白 川
)
〔
A〕 図 lのように,水平で、滑らかな床の上に一辺の長さム質量 M の立方体
を置く 。立方体と床の間には摩擦がはたらかないものとする。立方体の一面
は高さが Lの壁と平行に向かい合っている。立方体の右上の辺の中点と壁
の上端を質量の無視できる長さ 2sの糸でつなぎ,その中央に大きさが無視
できる質量子のおもりを取り付ける。立方体の材質は一様 で その中心に
重心があり,立方体の重心,糸,おもりは常に同一鉛直面内にあるものとす
る
。 s<Lであり,おもりが床と接触することはない。
s
M
3
L
M
図 1(側面図)
。
M2(727 1
5
)
おもりを高さ Lまで持ち上げ,糸がたるまないように立方体の位置を調
節した。そのあとおもりを静かに放したととろ,立方体は壁のほうへ向かつ
て滑り出した(図 2)。ただし,運動の途中で立方体が傾いたり,糸がたるん
だりすることはないものとする。
f
)
\
L
M
M
L
3
図 2(側面図)
糸と水平面のなす角を O,おもりと立方体をつなぐ糸の張力の大きさを
T1
,おもりと壁をつなく糸の張力の大きさを T2とする。図の右向きを正と
して,立方体の速度,加速度をそれぞれ V,α とする。おもりを放してから
おもりが最下点に到達する直前までの運動について,以下の問に答えよ。た
だし,重力加速度の大きさを g とする。
(
a)
おもりの水平方向の速度と水平方向の加速度を,右向きを正として,そ
れぞれ Vと αを用いて表せ。
ω 糸の張力の大きさについて
(
C) 糸の傾きが f
)=
それらの比去の値を求めよ。
π
に達したときの立方体の速度 Vを M. L
,s
, gの
6
うち必要な記号を用いて表せ。
π
(
d) 糸の傾きが 0二一ーに達したときの張力の大きされを M, L
,s
, gの
6
うち必要な記号を用いて表せ。
- 2-
。
M2(727-16)
〔
B〕 図 3のように,水平な床の上に一辺の長さム質量 M の立方体を置く。
ただし今度は,立方体と床の間に摩擦がはたらくものとする。立方体の一面
は高さが Lの壁と平行に向かい合っている。立方体が動かないように手で
押さえながら,立方体の右上の辺の中点と壁の上端を,質量の無視できる長
さ1
1dの糸でつなぐ。 さらに,糸の中央に対して左右対称になるように,
大きさが無視できる質量 m のおもりを等間隔 dで 1
0個取り付ける。おもり
が床に接することはなく,糸の中央における張力の大きさは Tであ った。
立方体の材質は一様で,その中心に重心があり,立方体の重心,糸,全ての
おもりは常に同一鉛直面内にあるものとする 。
この状態で静かに立方体から手をはなす。立方体の質量や,立方体と床の
間の静止摩擦係数を変えて実験を繰り返したところ,立方体が床の上を滑る
場合,傾く場合,動かずに静止し続ける場合などがあった。重力加速度の大
きさを g として以下の問に答えよ。
L
d
~
M
L
図 3(側面図)
- 3
。
M2(727-17)
(
e) 立方体が動かないように手で押さえているときに,立方体に接続されて
,T
, M, m, d
, gのう
いる点にはたらく糸の張力の大きさを求めよ。 L
ち必要な記号を用いて表せ。
(
f
) 立方体と床の間の静止摩擦係数が十分大きい場合に,立方体の質量を変
化させて実験を繰り返した。すると,立方体の質量がある質量 M iよりも
大きいときには立方体は動かずに静止したが,それよりも少し小さい場合
には立方体が右下端を中心に滑ることなく傾き始めた。ただし,立方体が
,
傾いても立方体と床の間の静止摩擦係数は変化しないものとする。 L
T
,m
,d
, gのうち必要な記号を用いて Miを表せ。
(
g) 立方体と床の間の静止摩擦係数を,問(
f
)の実験よりも小さな値 μ にし
f
)と同様の実験を再び、行った。すると,今度は立方体の質量がある
て,問(
値 M2よりも大きいときには立方体は静止したが, M2よりも少し小さい
場合には傾くことなく壁の方へ滑り始めた。 L
,T
, m, d
, μ, gのうち
必要な記号を用いて M2を表せ。
-4-
0M2(727 1
8
)
回日点)
図 lのように,半径 αの円形導線が水平面上に固定されている。円形導線の
中心を通る鉛直軸の周りに,コの字型部分を含む導線 OPQQ’
P'O’が回転する機
O’を回転子と呼ぶ。 4つの点 0,P
,P
'
, 0〆
構がある。以降,この導線 OPQQ下’
は回転軸上にあり, PQQ’
Y は長方形をなす。辺 PQの長さを α,QQ〆の長さを b
とする。導線 QQ'は円形導線と滑らかに接触しており,また回転子は接点
0
, O'
を介して右の回路と滑らかに接触している。また点 Pにおいて,長さ dの絶縁
体棒が導線 POに対して垂直に取りつけられている。棒の先端 A に,円周方向
の力(大きさ F)をかけることによって,回転子を回転させることができる。点
Q
,P
, A は同一直線上にある。
,
右の回路には,抵抗値 Rの抵抗が 2つ,電気容量 Cのコンデンサーが lつ
そして,電圧 Voの電池が lつ接続されている。接点 0の電位をゼロとし,はじ
めコンデンサーには電荷がなかったものとする。 SI∼S5はスイッチを表し,回
路を構成している導線や接点の抵抗は無視できるものとする。円形導線および回
転子のインダクタンスは無視できるものとして,以下の各聞に答えよ。
〔
A〕 磁束密度 B の一様な磁場が鉛直上向きにかかっている。以下の問(
a)
∼(
d)
に答えよ。ただし問(
a
)
∼(
d)
において,スイッチ Slは常に聞いているものと
する。
(
a
) すべてのスイッチが聞いた状態で,点 A を上から見て反時計回りに ー
定の速さ uで回転させた。点 Qにおける電位を符号も含めて答えよ。
(
bl スイッチ S3と S4のみを閉じた状態で,点 A を上から見て反時計回り
に一定の速さ uで回転させた。時刻 t
=0においてスイッチ S2を閉じた
が,加える力の大きさ Fを調整することで,点 A をそのまま一定の速さ
uで回転させることができた。スイッチ S2を閉じる直前の力の大きさ
れ,閉じた直後の力の大きさ F
1,および閉じてから十分に時間 tが経過
した後の力の大きさ F2を求めよ。
7
>
くM2(
7
2
7-2
1
)
(
c) 問(
b)
において,点 A に加える力の大きさが Fo
,F
i
, F2と変わ っていく
様子を答案用紙のグラフに描け。縦軸に F,
o F1
,F
2を記入すること。な
お,縦軸の原点は,縦軸と横軸の交差する点とする。
(
d) スイッチ S2と S5のみを閉じた状態で,回転子が静止した状態を保つ
ためには,点 A にどれだけの力を加える必要があるか。その大きさを求
めよ。
B
R
s
r
cr
:
5
R
接点"L
JO
A
図1
- 8-
0M2(727-22)
〔B〕 今度は図 2のように,磁束密度 Bの一様な磁場を水平方向にかけた場合
を考える。図 lの電池をはずし,代わりに自己インダクタンス Lのコイル
e
)
∼
をつなぐ。はじめコンデンサーに電荷はなかったものとする。以下の問(
ωに答えよ。ただし問(e)∼(却では,スイッチ Sl, S4, S5は常に閉じてい
て
, S2と S3は常に開いているものとする。
(
e) 点 A を上から見て反時計回りに一定の速さ Veで回転させたところ,接
点 O’の電位が時間と共に周期的に変化した。その電位の振幅はいくら
か。
(
f
) 問(
e
)
において,コンデンサーとコイルに流れる電流を,それぞれん( t
)
,
h(
t)とする。 h(t)の振幅 hoとI
c
(
t)の振幅 !
coの 比 与 の 値 を 求 め
1
c
o
よ
。
(
g) ここで, Ic
(
t)が図 3のグラフに示すような変化をしたとき,h(t)はど
のようになるか。その概形を答案用紙のグラフに描け。ただし,図 2にお
いて,コンデンサーとコイルのそばに示した矢印の向きを電流の正の向き
にとる。
(
同 点 A を上から見て反時計回りに,ある一定の速さ
V
1
,で回転させたとこ
)
ろ,点 A に加える力の大きさ Fが常にゼロとな った。 このときのん( t
と h(t)の関係を求めよ。また
V
i
, を求めよ。
-9-
OM2(
7
2
7 2
3
)
R
B
S4
R
接点
\
。
S5
L
A
図2
Ic(t
)
I
co
。
IC日
図3
- 1
0-
<
>M2(727
2
4
)
囚
ω点)
s
図 lのように,断面積 Sの容器 A と断面積」− の容器 Bが,実験室の天井
2
に吊るされており,容器 Aの底と容器 Bの底はなめらかに動くことのできる細
管で接続されている。容器 A は,質量が無視でき自由に動くことができるピス
トンで仕切られており,ピストンの上側には理想気体が満たされている。気体定
3
数 Rを用いて,この理想気体の定積モル比熱は − R,定圧モル比熱は
Rで
2
与えられる。図 1のように,ピストンの下側から容器 Bの下部に至るまで,細
管を通じて密度 ρの液体が満たされている。細管は十分に細く,細管や細管中
の液体の質量は無視できる。また,ヒーターによって容器 A の理想気体を加熱
することができる。ただし,理想気体が容器やピストンや液体と熱のやりとりを
することはないものとする。容器 Bの上部は一定圧力れの大気に開放されてい
る。容器 A は伸び縮みしないワイヤーで固定されている。一方,容器 Bは伸び
縮みしないワイヤー,またはばねで吊るすことができ,容器 Bとばねの質量は
無視できるものとする。
理想気体の圧力は容器 A の中で一様とする。容器 A と Bの液面は,それぞれ
の容器の底や上面に達することはないものとする。重力加速度の大きさを g と
して,以下の問に答えよ。
〔
A〕 容 器 A の液面と容器 Bの液面が同一水平面上に位置するように,適当な
長さのワイヤーを用いて容器 Bを吊るした。この状態を初期状態とし,こ
のときの理想気体の体積を V。とする。
(
a
) 初期状態からヒーターで理想気体をゆっくりと加熱したとき,理想気体
の体積が t
.
Vだけ増加した。このときの理想気体の圧力 ρ
aを求めよ。た
, Vo,企 V
,g
,P
o,ρのうち必要な記号を用いて答えよ。
だし, S
- 1
3-
<
)M2(
7
2
7 2
7
)
(
b) 問(剖の過程における理想気体の圧力 ρと体積 V の変化を,答案用紙の
グラフに記入せよ。ただし, h,ρ
a
,V
o
, Vo 十 ~v の座標はグラフに示
されている。
また,この過程において理想気体がした仕事 Waを
,
企V
, Po
,Paを用
いて答えよ。
(
C) 問(
b)
で求めた仕事 Waは,重力による液体の位置エネルギーの変化に費
やされただけでなく,他の仕事 Wa’にも費やされている。 W
a'が何に対
’
をS
, Vo
,~V, g,ρo
,ρのう
する仕事であるかを答えるとともに, Wa
ち必要な記号を用いて表せ。
天井
ヒーター
容器A
勿たマ旦旦 D
理想気体
大気圧 PoI
官叩,._,
断面積 S
断面積
1
25
図l
-14-
(
)M2(
7
2
7
-2
8
)
〔B〕 図 2のように,種々のばね定数をもっぱねで容器 Bを吊るす。 どのばね
を用いた場合でも,容器 Aの液面と容器 Bの液面が同一水平面上に位置する
ように容器 A のワイヤーの長さを調整し,これを初期状態とする。初期状態
における理想気体の体積はれである。
以下の問題においては,容器 A と容器 Bの問で液体が移動し,ばねのの
びも変化するが,常に力のつり合いがとれていると仮定してよい。 また,細
管がばねの伸び縮みや容器 Bの動きを妨げることはないものとする。
)
d
(
初期状態から,ヒーターで理想気体をゆ っくりと加熱すると,理想気体
。 このときの理想気体の圧力れを
の体積が企Vだけ増加した(企 V >0)
,
. g, k
,企V
, Vo
求めよ。ただし,用いたばねのばね定数を hとする。 S
・ρのうち必要な記号を用いて答えよ。
ρ0
e)
(
の実験を,ばね定数んをもっぱねを用いておこなったと ころ,加
d)
問(
, Pを用い
,g
熱しでも容器 A の圧力は変化しなか った。ばね定数んを S
て表せ。
この場合に,初期状態から理想気体の体積を
vだけ増加させるために
企
. Poのうち必要な記号
,企V
, Vo
ヒーターが理想気体に与えた熱量 Qeを
を用いて答えよ。
)の実験過程において,下記の物理量のそれぞれについて,増加した
e
l 問(
f
(
,減少したものに「
ものに「+ J
の記号を解
,変化しなかったものに「 0J
J
答欄に記せ。
−理想気体の内部エネルギー U
−容器 Bの液面から天井までの距離 d
.重力による液体の位置エネルギー EL
・ばねの弾性力による位置エネルギー EE
.位置エネルギーの合計 EL+ EE
5- 1
)
9
7-2
2
7
く M2(
)
(
g) 問(
d)
の実験を適当なばね定数をもっぱねを用いておこなうと,加熱して
いるにもかかわらず,温度が下がる場合がある。あるばねを用いて実験を
したところ,初期状態からの体積変化が LlV=+Voに達したとき,理
1
5
想気体の絶対温度は初期状時の絶対温度の一一倍となった。この過程にお
1
6
正
ける理想気体の圧力 ρと体積 Vの変化を,答案用紙の圧力 ρ
一体積 Vグラ
フに実線で記入せよ
0
t
:
:
:
.だ し 企 V =」−
Voをみ介すれ 十企Vの座標が
ー’
4
-
グラフに示されており,」−Voを超える体積変化はさせないものとする。
4
また,この過程で加えたヒーターの熱量 Qgを
, Vo
,Poを用いて表せ。
天井
’
O
タ
ヒ
容器A
ワイヤー
w旦旦ロ
大気圧 ρoI
理想気体
F
断面積 S
百 四 -'J
断面積
1
t
s
図2
- 1
6-
>
くM2(
7
2
7
-3
0
)