労働安全衛生法違反被疑事件の送検について - 千葉労働局

担
柏労働基準監督署発表
平成 28 年 3 月 3 日
当
柏労働基準監督署
署 長
松崎 勉
次 長
松井 祐介
電
話
04-7163-0246
(17 時 15 分以降) 04-7167-1441
労働安全衛生法違反被疑事件の送検について
柏労働基準監督署(署長 松崎勉)は、本日、下記の事件について、労働安全衛生
法違反の疑いで、千葉地方検察庁松戸支部に書類送検した。
事件の概要等は下記のとおりである。
記
1 被疑者
かん と けんせつ
(1)完都建設株式会社
本店所在地
千葉県柏市花野井750番地の14
(2)同社代表取締役A (68 歳)
2 違反法条項
労働安全衛生法 第 59 条第 3 項
労働安全衛生規則 第 36 条第 8 号の 2
3 事件の概要
被疑者完都建設株式会社(以下「被疑会社」という。)は、千葉県柏市に本
店を置き木造家屋建築工事業等を営む事業者、被疑者Aは、被疑会社の代表取
締役として、労働者の安全を統括管理する者であるが、被疑者Aは、被疑会社
の業務に関し、平成 27 年 8 月 24 日、柏市内の被疑会社の事務所に隣接する
伐採作業場所において、労働者B(当時 56 歳)に、チェーンソーを使用して
造材作業(※)を行わせるに当たり、同人に対してチェーンソーの特別教育を
行わなければならなかったのに、同教育を行わなかったものである。
その結果、当該作業を行っていた労働者 B の胸部に伐木した木があたり、
同日、同人が死亡したものである。
※「造材作業」とは、枝払い作業(倒れた木の枝を切る作業)及び玉切り作
業(木の幹を切って短くする作業)を行い、用途に応じた長さの丸太を造
る作業のことである。
4 その他
(1)労働安全衛生規則においては、一定の危険・有害な業務に労働者を従事
させるときは、当該労働者に対し特別教育を実施することを事業者に義務
付けている。
(2)平成 27 年の千葉県内における死亡労働災害は、平成 28 年 1 月末時点で
38 人であるが、うち 15 人(39.5%)が建設業における死亡災害である。
また、平成 27 年の死亡災害のうち、伐木作業中のものは 4 件発生してお
り、いずれも建設業において発生している。
(3)全国的にみても、林業における労働災害のうちチェーンソーに起因する
ものが約 2 割を占めており、また、死亡災害についてみると、伐倒方法が
不適切であるなどチェーンソー作業に関係するものが約 6 割に達している
ことなどから、平成 27 年 12 月に、厚生労働省において「チェーンソーに
よる伐木等作業の安全に関するガイドライン」が策定されている。
(4)県内の各労働基準監督署においては、今後も建設業における労働災害防
止のため、監督指導を実施するとともに、重大悪質な事案に対しては厳正
に対処していく方針である。
関 係
条
文
労働安全衛生法
第59条 (安全衛生教育)
(第 1 項及び第 2 項 略)
3
事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、
厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育
を行なわなければならない。
労働安全衛生法規則
第36条 (特別教育を必要とする業務)
法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~八
(略)
八の二
チェーンソーを用いて行う立木の伐木、かかり木の処理又は造材の業務(前号に掲げ
る業務を除く。)
九~三十八
(略)